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    欧州ホテル予約で米大手2社がOTAの85%独占、HOTREC調査を巡り議論激化

    この記事の内容 約3分で読めます

    欧州のホテル流通市場では、Booking HoldingsとExpedia Groupの2社がOTA経由予約の85%以上を占める寡占状態が深刻化しています。ホテルへの直接予約は過半数を維持するものの、特に小規模ホテルは集客のためOTAに依存せざるを得ず、高額な手数料や価格決定権の制約に苦しんでいます。これに対し、ホテル業界はEUのデジタル市場法による規制強化を求め、OTA側は集客効果の価値を主張。今後はDMAの行方と、ホテル側の直販回帰戦略が世界の旅行市場に大きな影響を与えると注目されます。

    欧州のホテル流通市場において、オンライン旅行会社(OTA)の寡占化と宿泊施設側の直販回帰をめぐる主導権争いが激化しています。旅行サイト「Arigatrip」国際旅行ニュースカテゴリでは、この対立の背景と今後の旅行業界に与える影響について紐解きます。

    目次

    浮き彫りになったOTA市場の寡占状態

    欧州ホスピタリティ連盟(HOTREC)が今月発表した最新の市場調査「European Hotel Distribution Study 2026」により、欧州のホテル予約における特定プラットフォームへの集中が極めて高い水準にあることが明らかになりました。

    2025年の実データに基づいた本調査によると、Booking HoldingsとExpedia Groupの米大手2社だけで、欧州のOTA経由のホテル予約の85.4%を支配している実態が判明しました。内訳を見ると、Booking HoldingsがOTA市場全体の68.8%という圧倒的なシェアを握り、Expedia Groupが16.6%で続いています。

    一方で、流通チャネル全体を見渡すと、ホテルへの直接予約(公式サイト、電話、メールなど)は宿泊全体の51.3%を占め、依然として最大の販売ルートを維持していることも示されています。

    小規模・独立系ホテルにおける依存の深化と課題

    直接予約が過半数を維持しているとはいえ、OTA経由のシェアは着実に拡大を続けています。2013年時点では19.7%だったOTAの利用割合は、2025年には29.9%(約3割)にまで上昇しました。

    このトレンドは、自社でのマーケティング予算や集客リソースが限られている小規模・独立系の宿泊施設において特に顕著です。OTAは世界中から新規顧客を獲得する上で不可欠なツールとなっている反面、ホテル側にとっては高額な手数料負担が重くのしかかっています。さらに、プラットフォーム側からの価格決定権の制約や顧客データの囲い込みなどが、ホテルの利益率と顧客管理の自立性を圧迫する要因として指摘されています。

    白熱するプラットフォームと宿泊施設側の対立構造

    こうした市場の寡占状態を背景に、業界内での議論は熱を帯びています。

    HOTRECをはじめとするホテル業界側は、少数のプラットフォームへの権力集中が競争環境を歪め、不公平な取引条件を強いる温床になっていると主張しています。そのため、EUの巨大IT企業を対象とした「デジタル市場法(DMA)」に基づく、より厳格な規制執行と監視体制の強化を強く求めています。

    対するOTA側は、多言語対応や多様な決済手段を完備したプラットフォームが、世界中の旅行者を欧州のホテルへ送客する多面的な流通機会を創出していると反論しています。巨額のデジタルマーケティング投資によって得られる強大な集客効果は、宿泊施設側にとって手数料に見合う十分な価値を提供しているという立場を崩していません。

    今後の予測:規制強化の行方とホテル業界に与える影響

    今後の欧州ホテル市場における最大の焦点は、EUのデジタル市場法(DMA)が巨大プラットフォームの商慣行に対してどれだけ実効性のある是正をもたらせるかという点です。当局による監視が本格化し、公正な競争環境が担保されれば、ホテル側はOTAに対してより柔軟な価格設定や有利な契約条件を交渉しやすくなる可能性があります。

    同時に、ホテル側でも直販回帰の動きがさらに加速すると予測されます。最新のデジタルツールを導入して自社予約サイトの利便性や決済体験を向上させることや、独自のロイヤルティプログラムを通じてリピーターを育成することが、OTAへの過度な依存から脱却するための戦略的な鍵となります。

    欧州におけるプラットフォーム規制の行方と、宿泊施設と巨大OTAとのバランスを巡る攻防は、今後の世界の旅行流通市場全体に大きな波及効果をもたらす可能性が高く、引き続きその動向が注目されます。

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