デルタ航空は、中東情勢緊迫化によるジェット燃料価格の急騰を受け、2026年の利益見通しを大幅に下方修正した。旅客需要は堅調ながら、約60億ドルの燃料費増加が収益を圧迫し、1株利益は従来の約4分の1引き下げられる。航空各社はコスト増を運賃に転嫁せざるを得ず、今後、航空券の基本運賃や燃油サーチャージの引き上げ、追加運賃の強化、減便などが予測される。旅行者は運賃動向をこまめにチェックし、早めの予約や柔軟な旅程調整が重要となる。
米デルタ航空は、中東情勢の緊迫化などに伴うジェット燃料価格の急騰を受け、2026年の通期利益見通しを大幅に下方修正したと発表しました。旺盛な旅客需要を背景に売上高は好調に推移しているものの、巨額に上る燃料費の増加が収益を大きく圧迫しています。
中東情勢緊迫化に伴うジェット燃料の急騰
今回の利益予想下方修正の最大の要因は、中東紛争などに起因する世界的なジェット燃料価格の急激な上昇です。デルタ航空の発表によると、2026年の燃料費は前年と比較して約60億ドル増加する見通しとなっています。
これに伴い、2026年通期の調整後1株当たり利益(EPS)の見通しは、従来の6.50〜7.50ドルから5.10〜5.60ドルへと、約24%(約4分の1)引き下げられました。エド・バスティアン最高経営責任者(CEO)は「すべては燃料価格の上昇が原因だ」と説明しており、航空業界における変動費の大きさが浮き彫りになっています。
堅調な旅行需要と航空会社のジレンマ
一方で、旅行需要そのものは依然として堅調です。レジャーだけでなく、ビジネスやプレミアム旅行全般にわたって底堅い需要があり、増収効果を生み出しています。
しかし、航空会社にとっては、これ以上のコスト増を運賃に転嫁し続けた場合、航空券価格の高止まりが消費者の旅行意欲を削ぎ、需要の減退を招きかねないというジレンマがあります。欧米の航空各社でも、これから迎える重要な年末休暇の旅行シーズンに向けて、収益圧迫への警戒感が強まっています。
旅行者の旅程や航空券価格への今後の影響
燃料費の高止まりが続いた場合、デルタ航空をはじめとする航空各社は、収益性を確保するための具体的な対策に踏み切る可能性が高いと指摘されています。バスティアンCEOも、さらなるコスト増に対してはプレミアム航空会社として「価格転嫁を行う」可能性に明確に言及しています。
今後の旅行者に対しては、以下のような直接的な影響が予測されます。
- 航空券の基本運賃や燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)のさらなる引き上げ
- 手荷物料金や座席指定料金など、追加運賃(アンシラリー収入)の設定強化
- 採算性の低い地方路線やオフシーズンの便を中心とした機材の小型化や減便
これから年末年始や冬のバカンスに向けて海外旅行を計画する際には、航空各社の運賃動向や路線計画の変更をこまめにチェックし、早めの予約や旅程の柔軟な調整を行うことがますます重要になるでしょう。

