MENU

    EU、航空旅客の権利改革で合意:遅延補償の維持と手荷物料金の透明性を強化

    この記事の内容 約2分で読めます

    欧州議会とEU理事会は、13年越しの交渉の末、航空旅客の権利強化で暫定合意しました。

    目次

    13年にわたる交渉が妥結

    欧州議会とEU理事会は2026年6月15日、航空旅客の権利に関する規則の包括的な見直しについて暫定合意に達しました。本件は13年以上にわたり議論が続いていましたが、今回の合意により、EU域内を移動する旅行者の保護が大幅に強化されることになります。

    維持・拡充される具体的な権利と金額

    今回の改革では、旅行者の利便性に直結する以下の権利が明確化されました。

    • フライト遅延に対する補償の維持

    これまで通り、3時間以上のフライト遅延に対しては飛行距離に応じた補償金が支払われます。1,500km未満のフライトで250ユーロ、1,500kmから3,500kmで400ユーロ、3,500kmを超えるフライトで600ユーロの補償が維持されます。航空業界からは補償要件の緩和が求められていましたが、旅行者の権利が守られた形となります。

    • 手荷物料金の透明性向上と無料持ち込み枠

    予約プロセスの初期段階において、標準的な手荷物許容量を含んだ運賃を提示することが航空会社に義務付けられ、価格の透明性が大幅に向上します。さらに、40cm×30cm×15cmまでの身の回り品と、合計寸法が100cm以内・重量7kg以内の機内持ち込み手荷物を追加料金なしで持ち込める権利が保障されます。これにより、LCC(格安航空会社)などで頻発していた隠れコスト問題の解消が期待されます。

    • 家族旅行のサポートと手続きの無償化

    子供連れの家族が追加料金なしで隣り合わせの座席を確保できる権利が規定されました。また、航空券の氏名のスペルミス修正や、すでにチェックイン済みの搭乗券を空港で印刷する際の追加手数料も撤廃されます。

    航空業界からの強い反発

    旅行者にとって喜ばしいニュースである一方、国際航空運送協会(IATA)をはじめとする航空業界からは不満の声が上がっています。航空業界は、今回の合意が航空会社のコスト増に直結すると主張しています。また、航空会社のコントロールが及ばない天候やストライキといった遅延の根本原因が解決されていないまま、補償の責任だけが据え置かれたことに対して、欧州の航空競争力を阻害すると強い懸念を示しています。

    予測される未来:旅行者とOTAへの影響

    今回の新しい規則は、正式な承認を経て発効してから12ヶ月後に適用が開始され、2027年からの本格導入が見込まれています。

    この変更は、オンライン旅行代理店(OTA)の検索結果や航空券の販売方法に大きな変化をもたらすでしょう。今後は、手荷物料金が含まれた最終的な総額が予約の初期画面で表示されるため、旅行者は航空会社間の価格比較がより容易かつ正確に行えるようになります。

    一方で、手荷物持ち込みの無料化や補償制度の維持による航空会社のコスト負担増は、将来的なベース運賃の引き上げという形で旅行者に転嫁される可能性も否定できません。Arigatripを利用する国際旅行者の皆様におかれては、2027年以降のヨーロッパ発着便を予約する際、料金表示の仕組みがどう変わるか、そして実質的な支払い総額にどのような影響が出るかを注視していく必要があります。

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    この記事を書いた人

    目次