中国は240時間トランジットビザ免除プログラムの対象国にキルギスとベトナムを加え、合計57カ国に拡大しました。これにより、両国の一般旅券所持者は最大10日間、観光やビジネス目的でビザなし滞在が可能となります。国際的な人的往来の回復と経済活性化を目指す中国の政策の一環であり、アジア地域の経済交流促進やビジネス機会創出、インバウンド増加に貢献すると期待されています。
中国国家移民管理局は2026年8月20日、240時間(10日間)のトランジットビザ免除プログラムの対象国にキルギスとベトナムを新たに指定した。今年に入ってからも各種ビザ要件の緩和を進めてきた中国だが、今回の追加により同プログラムの対象国は合計57カ国へと拡大した。
ビザなし乗り継ぎプログラム拡大の概要
今月20日より開始された新たな措置では、キルギスおよびベトナムの一般旅券を所持し、日時と旅程が確定した第三国・地域への乗り継ぎ航空券を持つ旅行者が対象となる。北京や上海など全国65カ所の指定された出入国検査場からビザなしで入国し、指定区域内で最大240時間の滞在が認められる。
この滞在期間中は、観光やビジネス、親族訪問などの短期活動が可能となる。ただし、就労や留学、報道取材などの事前許可を要する活動については、これまで同様に渡航前のビザ取得が必要である。
さらに今回の決定により、両国の国民は中国南部の海南省における30日間入国ビザ免除政策の対象にも追加された。この結果、海南省のビザ免除政策が適用される国は現在61カ国に達している。
2024年12月から続く旅行自由化政策の背景
今回の対象国拡大は、中国が2024年12月から本格化させている一連の旅行自由化政策の一環として位置づけられる。中国政府は当時から、国際的な人的往来の回復と経済活性化を目的として、欧州諸国や日本などの一般旅券所持者を対象とした短期滞在のビザ免除措置を段階的に導入・延長してきた。
現在も継続されているこれらの政策は、観光客の誘致にとどまらず、外国企業とのビジネス交流を促進するための重要なインフラとなっている。トランジット滞在可能時間を従来の144時間から240時間に延長し、対象国を順次拡大している最近の動きも、この対外開放路線をより盤石なものにするための戦略であると言える。
予測される未来とアジア経済への影響
今回のキルギスおよびベトナムの追加は、アジア地域における経済交流の円滑化に大きな役割を果たすと期待されている。ベトナムは東南アジアの製造業の中心地として成長を続けており、キルギスも中央アジアにおける重要な交易拠点となっている。最大10日間の滞在が可能になることで、乗り継ぎ客による一時的な観光消費の増加だけでなく、トランジット期間を利用した商談や視察、企業間交流といったビジネス機会の創出が予測される。
今後の国際旅行市場において、57カ国に及ぶ240時間トランジットビザ免除国からの渡航者は、中国のインバウンド産業や地域経済に多大な恩恵をもたらすだろう。2024年末から続く政策の恩恵がより多くのアジア周辺国に行き渡ることで、地域全体の人とモノの流動性が高まり、新たな投資と経済連携が継続して活発化していくことが見込まれる。

