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    アゾレス諸島、大西洋の楽園で地球の息吹を感じる旅。カルデラ湖ハイキングの魅力に迫る

    日々の喧騒から遠く離れ、手つかずの自然に心も体も委ねたい。そんな風に思ったことはありませんか。コンピューターの画面と向き合う毎日、鳴り響くスマートフォンの通知音、時間に追われる生活。知らず知らずのうちに、私たちの心は少しずつ乾いていってしまうのかもしれません。

    もし、今あなたがそんな渇きを感じているのなら、ぜひご紹介したい場所があります。大西洋の真ん中にぽつんと浮かぶ、緑豊かな秘密の楽園。ポルトガル領、アゾレス諸島です。

    ヨーロッパのハワイとも称されるこの場所は、まだ日本人にはあまり馴染みがないかもしれません。しかし、ここには私たちの想像をはるかに超える絶景と、地球が生きていることを実感させてくれる力強いエネルギーが満ち溢れています。火山活動によって生まれた荒々しい地形、どこまでも広がる青い海、そして空気を染めるほどの深い緑。その中でも特に心を奪われるのが、火山の噴火口跡に水をたたえた「カルデラ湖」の神秘的な光景です。

    今回の旅では、そんなアゾレス諸島の心臓部ともいえるカルデラ湖を巡るハイキングへと皆様をご案内します。一歩一歩、大地を踏みしめながら、壮大な景色の中を歩く時間は、忘れかけていた自然との一体感を取り戻させてくれる、まさに魂の洗濯。私自身、世界中の辺境を旅してきましたが、アゾレス諸島で感じた地球の息吹は、今でも鮮明に記憶に残っています。さあ、一緒に大西洋の楽園へ、心揺さぶる冒険に出かけましょう。

    ポルトガル本土の魅力も知りたい方は、リスボンとポルト、どちらを旅するか迷った時の比較記事もご覧ください。

    目次

    アゾレス諸島とは?知られざる大西洋の宝石

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    アゾレス諸島は、ポルトガルのリスボンから西へ約1,500km離れ、北米大陸とのほぼ中間地点に位置する9つの火山島からなる群島です。その戦略的な場所柄、かつては大西洋航路の重要な中継地点として利用されてきましたが、実際に訪れるとその魅力は歴史的な価値を超え、圧倒的な自然の美しさにこそあります。

    個性豊かな9つの島々

    アゾレス諸島は西部、中央、東部の3つのグループに分かれ、それぞれの島が独自の文化や風景を持っています。東部グループ最大のサン・ミゲル島は「緑の島」として知られ、美しいカルデラ湖や温泉、ヨーロッパ唯一の茶畑が点在し、観光の拠点としても人気があります。中央グループには、ポルトガル一高い山であるピコ山がそびえるピコ島、そして世界遺産の街並みが残るテルセイラ島が含まれます。島ごとに異なる魅力を持つため、訪れるたびに新たな発見があるのもこの群島の醍醐味です。今回の旅では、見どころ豊富でアクセスが良いサン・ミゲル島を拠点に、その深遠な魅力を探求します。

    火山の力が織りなす絶景

    アゾレス諸島はすべて、大西洋中央海嶺の火山活動によって形成されました。現在も活動を続ける地球のエネルギーが、島々の雄大な景観を作り上げています。巨大なカルデラ、その内部に広がる神秘的な湖、噴気孔から立ち上る蒸気、そしてミネラルを豊富に含んだ温泉。これらはすべて地球からの贈り物です。ハイキングの道は、地球の力強い活動の軌跡を辿る旅でもあります。足元から伝わる地の鼓動を感じながら歩くと、自然の一部であることを強く実感できるでしょう。

    気候とおすすめの時期

    アゾレス諸島はメキシコ湾流の影響を受け、一年を通じて温暖で穏やかな海洋性気候に恵まれています。冬でも極端な寒さはなく、夏も快適に過ごせます。地元では「一日の中に四季がある」と言われるほど天候の変わりやすさが特徴で、晴れていたかと思うと突然霧雨が降ることもしばしば。観光の際は、重ね着できる服装と防水ジャケットの準備が欠かせません。

    ハイキングに最適な時期は、気候が安定し花々が咲き誇る春から秋(4月~10月)です。特に6月から7月にかけては、アゾレスの象徴であるアジサイが島の至る所で鮮やかに咲き乱れ、青や紫の花々が道端を彩ります。この季節の美しさは格別で、まるで絵本の中に迷い込んだかのような幻想的な光景が広がります。

    旅の始まり:緑の島、サン・ミゲル島へ

    アゾレス諸島への旅は、通常、サン・ミゲル島に位置するジョアン・パウロ2世空港からスタートします。ポルトガルのリスボンやポルトからの定期便が運航しており、ヨーロッパの主要都市からのアクセスも便利です。豊かな緑に包まれたサン・ミゲル島に降り立った瞬間、湿り気を帯びた濃密な空気と植物の香りに包まれ、本土とは異なる魅力を感じ、冒険の幕開けを予感させてくれます。

    玄関口であるポンタ・デルガダ

    サン・ミゲル島の中心地であり、アゾレス諸島最大の町がポンタ・デルガダです。空港から車で約10分という近さに位置し、旅の拠点として非常に便利です。黒い火山岩と白い漆喰の建物のコントラストが美しい歴史的な街並みが広がり、石畳の道が続いています。港沿いのプロムナードを散策したり、市庁舎前の広場でくつろいだり、地元の教会を訪問したりするだけでも、ヨーロッパの港町特有の趣を味わえます。

    もちろんグルメも見逃せません。港で採れたばかりの新鮮なシーフードを提供するレストランが数多くあり、特にグリルされたタコや、カサガイの一種である「ラパス」は絶品です。活気にあふれる市場「メルカド・ダ・グラサ」を訪れれば、地元産のチーズに加え、パイナップルやパッションフルーツなど、島の恵みが一堂に会していて、見るだけでも楽しめます。

    レンタカーは必携のアイテム

    サン・ミゲル島の魅力を存分に味わうにはレンタカーの利用が断然おすすめです。公共交通機関もありますが、便数が限られており、絶景スポットの展望台やハイキングコース入口などを効率良く回るには、自由に動ける車が不可欠です。

    空港に到着後、予約済みのレンタカーを受け取り、いよいよ冒険の旅へ出発しましょう。ただしいくつか留意点もあります。アゾレス諸島ではマニュアル(MT)車が一般的で、オートマ(AT)車は台数が少なく、料金も高めになる傾向があります。AT車を利用したい場合は早めの予約が賢明です。また、町の中心部や田舎道は道幅が狭い場所も多いため、安全運転が重要です。しかし、少し郊外へ出れば交通量は減り、海岸線に沿った美しい道を自分のペースでドライブする楽しみが待っています。窓を全開にして、潮風や緑の香りを胸いっぱいに感じながら走る爽快感は、ここでしか味わえない貴重な体験となるでしょう。

    地球の息吹を体感するカルデラ湖ハイキング

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    さあ、いよいよこの旅のクライマックスともいえるカルデラ湖を巡るハイキングが始まります。サン・ミゲル島には息をのむほど美しい湖が点在し、その周辺には魅力的なトレイルがしっかり整備されています。ここでは特におすすめしたい3つのカルデラ湖と、それぞれのハイキングコースを紹介します。ご自身の体力や時間に合わせて、お気に入りのコースを探してみてください。

    セテ・シダデス湖:青と緑の双子の湖

    アゾレス諸島のイメージとして多くの人が思い浮かべるのは、もしかするとこのセテ・シダデス湖の風景かもしれません。巨大なカルデラの底に、橋を境にして二つの湖が寄り添うように広がっています。片方の湖は青色(ラゴア・アズール)、もう一方は緑色(ラゴア・ヴェルデ)に見えるため、「双子の湖」として親しまれています。

    この色の違いには少し切ない伝説が伝わっています。昔、この土地に暮らす王女と貧しい羊飼いが恋に落ちましたが、身分の隔たりによって二人の関係は許されませんでした。別れの日に流した涙が湖になったといい、王女の青い瞳から溢れた涙は青い湖になり、羊飼いの緑の瞳から流れた涙は緑の湖となったそうです。非常にロマンチックな物語です。

    この壮大な景観を楽しむには、まず展望台「ヴィスタ・ド・レイ(王の眺め)」を訪れるのがおすすめです。カルデラの外輪から眼下に広がる双子の湖と、その彼方に広がる大西洋のパノラマが見渡せます。かつてポルトガルの国王夫妻が訪れてその美しさに感嘆したことが、この展望台の名の由来です。風が心地良く吹き抜ける場所に立ち、圧倒的な自然の雄大さを目の当たりにすれば、誰もが言葉をなくすことでしょう。

    スポット情報詳細
    名称セテ・シダデス湖 (Lagoa das Sete Cidades)
    場所サン・ミゲル島西部
    アクセスポンタ・デルガダから車で約40分
    おすすめ展望台ヴィスタ・ド・レイ (Vista do Rei), ミラドゥーロ・ダ・ボカ・ド・インフェルノ (Miradouro da Boca do Inferno)
    特徴青と緑に色分けされた神秘的な湖。アゾレスを代表する絶景スポット。

    ハイキングコース:ヴィスタ・ド・レイ 〜 セテ・シダデス (PRC5 SMI)

    展望台での景色を満喫した後は、カルデラの縁を歩くハイキングに挑戦しましょう。ヴィスタ・ド・レイからセテ・シダデスの村へ続くこのトレイルは、アゾレス諸島で最も人気の高いルートの一つです。常に湖を見下ろしながら、カルデラの尾根伝いに歩くため、まさに絶景が続きます。道はほぼ未舗装の土のトレイルで、緩やかな下り坂がメインです。

    コースの脇には背の高いアジサイが連なっていて、花の季節には青や紫の花々がトンネルのような幻想的な空間をつくり出します。周囲の牧草地では牛たちがゆったりと草を食む姿が見られ、カウベルの音色が心地よく響きます。アマゾンの奥地で感じた極度の緊張感とは対照的に、終始穏やかでリラックスできるハイキングです。

    常に視界に入る湖は、歩く角度により様々な表情を見せてくれます。遠方には大西洋の水平線が望め、空や海、湖の青が調和したグラデーションは自然が創り出す芸術そのもの。約2時間の工程は、美しい景色に気を取られているうちにあっという間に過ぎていくでしょう。終点の村で味わう冷えた飲み物は、格別の味わいです。

    ハイキングコース情報詳細
    コース名Vista do Rei – Sete Cidades (PRC5 SMI)
    距離約7.7km
    所要時間約2時間
    難易度平易
    特徴カルデラの縁を歩く絶景コース。湖をずっと眺めながら歩ける。片道コースのため、終点からの交通手段(タクシー等)の確保が必要。

    ラゴア・ド・フォゴ:炎の湖の神秘

    より手つかずで野性的な自然を味わいたい方には、「ラゴア・ド・フォゴ」をおすすめします。この名前はポルトガル語で「炎の湖」を意味し、サン・ミゲル島の中央部に位置する成層火山のカルデラ湖です。周囲は自然保護区に指定されており、ほとんど開発が加えられていないため、太古の地球の姿を今に感じさせてくれます。

    セテ・シダデスのような派手さはないものの、静寂と荘厳な雰囲気が漂い、どこか神秘的な空気に包まれています。展望台から眺めると、吸い込まれるような深い青色の湖面があります。切り立ったカルデラの壁に囲まれ、白い砂浜が湖の縁を飾っています。天候が変わりやすく霧がかかりやすい場所ですが、風が霧を晴らした瞬間に現れる湖の美しさは、まさに奇跡そのもの。その一瞬に出会えた時の感動は決して忘れられません。

    スポット情報詳細
    名称ラゴア・ド・フォゴ (Lagoa do Fogo)
    場所サン・ミゲル島中央部
    アクセスポンタ・デルガダから車で約40分
    おすすめ展望台ミラドゥーロ・ダ・ラゴア・ド・フォゴ (Miradouro da Lagoa do Fogo), ミラドゥーロ・ダ・バラ・ヴェーリャ (Miradouro da Barrosa Velha)
    特徴手つかずの自然が保たれた自然保護区のカルデラ湖。静けさと神秘性が魅力。

    ハイキングコース:プライア 〜 ラゴア・ド・フォゴ (PRC2 SMI)

    ラゴア・ド・フォゴの真の魅力に触れるには、展望台での眺望だけでなく、湖畔まで下りることが最適です。このトレイルは島の南岸のプライア付近からスタートし、山道を登って湖のほとりを目指します。

    最初は用水路(レヴァダ)に沿った比較的緩やかな道が続きます。シダ類が生い茂り、まるでジュラシックパークの中にいるかのような幻想的な空間。鳥のさえずりや水のせせらぎだけが響く静かな森を歩く中で、心が浄化されるような感覚を覚えます。徐々に道が険しくなり、登りもきつくなりますが、時折木々の間から見える眺めが疲れを癒してくれます。

    森を抜けた先に広がる光景は見る者を圧倒します。エメラルドグリーンと深い青が入り混じる湖面が広がり、静かに波打っています。人の手がほとんど加えられていない純粋な自然の姿です。湖畔の白い砂浜に腰を下ろし、持参したサンドイッチを頬張る瞬間は、この上ない幸せなひとときとなるでしょう。往復約4時間のやや健脚向けのコースですが、挑戦する価値は大いにあります。

    ハイキングコース情報詳細
    コース名Praia – Lagoa do Fogo (PRC2 SMI)
    距離約11km (往復)
    所要時間約4時間
    難易度中〜上級者向け
    特徴湖畔まで下りて手つかずの自然を間近で体感できる。登りが多く体力が必要だが達成感が大きい。

    フルナス湖:地熱が生む大地の恵み

    サン・ミゲル島東部にあるフルナスは、島内でもっとも火山活動が活発なエリアです。谷間の町に足を踏み入れると、硫黄の独特な匂いが鼻を突き、あちこちから立ち昇る湯気に驚かされます。まさに「地球の息吹を感じる場所」といえるでしょう。その中心に位置するのがフルナス湖です。

    この湖周辺は、ほかの湖とはまったく異なる独特の魅力に満ちています。湖畔の地面からは白い蒸気が立ち上り、地面には熱が伝わっています。この地熱を利用して調理される名物料理「コジード・ダス・フルナス」は牛肉、豚肉、鶏肉、チョリソーといった肉類に加え、キャベツやジャガイモ、ニンジンなどの野菜を大きな鍋に入れ、地中に掘った穴に埋めて6〜7時間蒸し焼きにしたもの。地元のレストランで味わうこの料理は、お肉がほろほろに柔らかく素材の旨味が凝縮されており、まさに大地のパワーをいただく究極のスローフードです。

    スポット情報詳細
    名称フルナス湖 (Lagoa das Furnas)
    場所サン・ミゲル島東部、フルナス渓谷
    アクセスポンタ・デルガダから車で約50分
    おすすめスポットカルデイラス・ダ・ラゴア・ダス・フルナス (Caldeiras da Lagoa das Furnas), マタ・ジャルダン・ジョゼ・ド・カント (Mata-Jardim José do Canto)
    特徴活発な地熱活動が見られる地域。名物料理「コジード」が有名。比較的平坦で歩きやすい環境。

    ハイキングコース:フルナス湖一周コース (PRC6 SMI)

    フルナス湖のハイキングは、湖を一周する比較的平坦で歩きやすいコースです。距離は約9.5km、所要時間はおよそ3時間で、初心者や家族連れでも楽しく歩けます。

    コース中の見どころも豊富です。まず「カルデイラス・ダ・ラゴア・ダス・フルナス」では、地熱で調理されるコジードの鍋の出し入れの様子が見られます。ほかには、湖畔にひっそりと立つゴシック様式の美しい教会「ノッサ・セニョーラ・ダス・ヴィトーリアス教会」があり、その神秘的な姿は写真スポットとして魅力的です。また、広大な植物園「マタ・ジャルダン・ジョゼ・ド・カント」も通り抜ける区間があり、セコイアの巨木やシダの森など多彩な景観が続きます。

    湖の穏やかな水面を眺めながら、地熱の蒸気や硫黄の香りを感じ、時には美しい教会や植物園を散策できるこのコースは、自然の力強さと人間の営みが溶け合うフルナスならではの魅力を存分に味わえる、変化に富んだ楽しいトレイルです。

    ハイキングコース情報詳細
    コース名Lagoa das Furnas (PRC6 SMI)
    距離約9.5km
    所要時間約3時間
    難易度平易
    特徴湖を一周する平坦なルート。地熱地帯や教会、植物園など見どころ豊富。初心者や家族連れにも最適。

    ハイキングだけじゃない!アゾレスの更なる魅力

    アゾレス諸島の魅力は、カルデラ湖のハイキングだけにとどまりません。ここには、旅をより一層充実させる多彩で個性的な体験が数多く待っています。

    テラ・ノストラ庭園:癒しの温泉プール

    ハイキングで疲れた身体を癒す場所として、これほどぴったりな所はほかにありません。フルナスの町に位置する「テラ・ノストラ庭園」は、18世紀に設立された歴史深い植物園で、その中央には広大な温泉プールがあります。

    この温泉の特徴は鉄分を豊富に含んでいるため、茶色みがかったにごった色をしていることです。水温は35〜40度ほどの温めで、心地よく長時間入っていられる温度です。広々としたプールで手足を伸ばし、亜熱帯の植物に囲まれながら見上げる空は、心身の緊張をじっくりと解きほぐしてくれます。まさに自然と調和する究極のリラクゼーションと言えるでしょう。ただし、鉄分の影響で水着が茶色く染まることがあるため、濃色で古くなった水着を持参することをおすすめします。園内には世界中から集められた珍しい植物が植えられており、歩くだけでも十分楽しめます。

    スポット情報詳細
    名称テラ・ノストラ庭園 (Parque Terra Nostra)
    場所サン・ミゲル島、フルナス
    アクセスポンタ・デルガダから車で約50分
    営業時間10:30 – 16:30(季節により変動あり)
    料金大人 約€10(2023年時点)
    特徴鉄分豊富な広大な温泉プールと美しい植物園。ハイキング後のリフレッシュに最適。

    ゴレアナ紅茶園:ヨーロッパ唯一の紅茶プランテーション

    意外に思われるかもしれませんが、サン・ミゲル島にはヨーロッパで唯一、商業的に運営されている紅茶農園があります。それが「ゴレアナ紅茶園」です。1883年から続く伝統ある茶園で、今も変わらぬ製法で紅茶が生産されています。

    島の北海岸に広がる緑豊かな茶畑の風景は、どこかアジアの風情を感じさせ、アゾレスの別の顔を見せてくれます。工場内は自由に見学が可能で、レトロな機械が動いている様子を間近で観察できます。さらに、併設されているティールームでは数種類の紅茶を無料で味わうことができ、外に広がる茶畑と大西洋を眺めながら飲む一杯は格別です。ここで生産される紅茶は農薬を使わないオーガニックであり、お土産としても非常に人気があります。

    スポット情報詳細
    名称ゴレアナ紅茶園 (Plantações de Chá Gorreana)
    場所サン・ミゲル島北部
    アクセスポンタ・デルガダから車で約35分
    営業時間9:00 – 18:00(平日)/ 9:00 – 17:00(土日)
    料金見学・試飲は無料
    特徴ヨーロッパ唯一の紅茶農園。工場見学と無料試飲が体験できる。

    ホエールウォッチング:大西洋の巨獣との遭遇

    アゾレス諸島の周辺海域は、世界的にも有数のホエールウォッチングの名所として知られています。年間を通じてマッコウクジラや複数種のイルカが観察でき、季節によってはシロナガスクジラやナガスクジラといった巨大なヒゲクジラ類が通過します。

    ポンタ・デルガダをはじめとした港からは毎日多数のホエールウォッチングツアーが出発し、専門ガイドが同乗してクジラの生態を詳しく解説してくれます。沖合に出ると、イルカの群れがボートと並んでジャンプしたり、遠方でクジラの潮吹き(ブロー)が見られたりします。そして、巨大なマッコウクジラがゆったりと姿を見せる瞬間の感動は言葉に尽くせません。彼らが深呼吸をして深海に潜っていく際に見送る巨大な尾びれは、まさに生命の神秘を感じさせる瞬間です。大自然の懐で生きる壮大な彼らの姿を目にすれば、日々の悩みなどちっぽけに思えてくることでしょう。

    スポット情報詳細
    体験名ホエールウォッチング
    場所ポンタ・デルガダ、ヴィラ・フランカ・ド・カンポなど各港から出航
    時期通年可能だが、ヒゲクジラ類は春(4月〜6月)がベストシーズン
    所要時間約3時間〜半日程度
    注意事項船酔いが心配な場合は酔い止めの服用を推奨。防寒・防水対策も必須。
    特徴世界でも有数のクジラ・イルカの生息エリア。マッコウクジラの遭遇率が高い。

    旅の食事:大西洋の恵みを味わう

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    旅の楽しみの一つに、やはり食事は欠かせません。アゾレス諸島は、豊かな海と肥沃な土地に恵まれ、多彩な食材が揃う場所です。素朴ながらも味わい深い、絶品のグルメがあなたを待っています。

    新鮮な海の幸は絶対に味わいたい

    大西洋に囲まれたアゾレス諸島では、何と言っても新鮮な魚介類が主役です。中でもぜひ試してほしいのが「ラパス」です。これはカサガイの一種で、鉄板でガーリックバター焼きにするのが一般的。磯の香りと弾力のある食感が魅力的で、ビールや白ワインとの相性も抜群です。さらに、近海で捕れるマグロのステーキも絶品で、軽く炙ったレア状態で提供されることが多く、その鮮度と味の濃さに驚くことでしょう。他にも、タコのグリルや魚介のスープなど、素材の風味を活かしたシンプルな調理法で、海の恵みを存分に楽しめます。

    地元産のチーズとワインの魅力

    アゾレス諸島は酪農も盛んで、特にサン・ジョルジェ島で生産されるチーズは、熟成が進んだ濃厚な風味が特徴です。レストランの前菜や食後のひとときに、ぜひ味わってみてください。また、ピコ島の火山性土壌で育ったブドウから作られるワインも個性的です。ミネラル豊富でキリッとした味わいの白ワインは、シーフード料理と非常に良く合います。石垣で囲まれたブドウ畑の風景は、ユネスコの世界遺産にも登録されています。

    名物料理コジード・ダス・フルナス

    先に触れたフルナスの名物料理「コジード」は、アゾレスを訪れたらぜひ一度は味わいたい郷土料理です。地熱の力でじっくりと蒸し上げられた肉と野菜は、驚くほど柔らかく、それぞれの旨みが一体となっています。独特の硫黄の香りがほのかに移り、その香りがまた食欲をそそります。ボリュームもたっぷりなので、複数人でシェアするのがおすすめです。大地の恵みを余すことなくいただけるこの料理は、旅の記憶に深く刻まれることでしょう。

    アゾレス諸島ハイキングの準備と心構え

    最後に、アゾレス諸島でのハイキングを安全かつ快適に楽しむための準備と心構えについてご紹介します。素晴らしい自然体験は、万全の準備があってこそ成り立ちます。

    服装と装備

    何よりも大切なのは、変わりやすい天候に対応できる服装を選ぶことです。「一日の中に四季がある」という言葉のように、晴天から雨、霧へと天気は急変しやすいです。基本はレイヤリング(重ね着)で、まず速乾性のあるTシャツを着用し、その上にフリースなどの保温着を重ねます。さらに、防水かつ防風性能を持つジャケットとパンツを必ず用意しましょう。足元は防水性の高いしっかりとしたハイキングシューズが不可欠です。トレイルはぬかるみやすいため、滑りにくく、足首をしっかり支えるものが安心です。

    持ち物リスト

    日帰りのハイキングでも、以下のアイテムは必ずリュックに入れておきましょう。

    • 飲料水:最低でも1.5リットルを用意しておくこと。途中で水を補給する場所はほとんどありません。
    • 行動食:ナッツやドライフルーツ、エナジーバーなど、手軽にエネルギー補給できるもの。
    • 地図とコンパスまたはGPS機器:トレイルは整備されていますが、念のため持参しましょう。スマートフォンのオフラインマップも役立ちます。
    • 日焼け止め、帽子、サングラス:標高が上がると紫外線は強くなり、霧の日でも油断はできません。
    • 応急処置キット:絆創膏、消毒薬、鎮痛剤などの基本的な医療用品を用意しましょう。
    • ヘッドランプ:万が一、暗くなってしまった場合に対応できるように備えて。
    • トレッキングポール:特に下り道では膝への負担軽減に有効です。

    安全への配慮

    美しい自然とはいえ、少しの油断で危険な状況に陥ることもあります。出発前には必ず天気予報をチェックし、悪天候が予想される場合は無理をせず計画を見直す勇気をもちましょう。特にラゴア・ド・フォゴ周辺は霧が発生しやすく、視界不良により迷子になるリスクが高まります。自分の体力や経験に過信せず、無理のないプランを心掛けることが肝心です。できるだけ単独での行動は避け、誰かと一緒に歩くことをおすすめします。また、トレイルの標識や目印をしっかり確認し、コースから外れないよう十分注意しましょう。

    自然への敬意

    この美しい自然は私たちだけのものではなく、未来の世代に引き継ぐべきかけがえのない財産です。ハイキングを楽しむ際には「Leave No Trace(痕跡を残さない)」の考え方を胸に刻みましょう。出したゴミは必ず持ち帰り、植物を摘んだり動物に餌をあげたりしないこと、トレイルの外側を歩かないことが大切です。こうした一人ひとりの心遣いが、アゾレスの美しい自然環境を守ることに繋がります。自然にお邪魔させていただいているという謙虚な気持ちを忘れず、この地球の楽園で過ごす時間を大切にしたいものです。

    大西洋に浮かぶ緑の楽園、アゾレス諸島。ここは都会の日常で見失いかけていた何かを思い出させてくれる場所です。カルデラの縁を歩き、地球の息吹を肌で感じながら大西洋の風に吹かれるその時、あなたの心はこれまでにない自由と安らぎに満たされることでしょう。

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    この記事を書いた人

    未踏の地を求める旅人、Markです。アマゾンの奥地など、極限環境でのサバイバル経験をもとに、スリリングな旅の記録をお届けします。普通の旅行では味わえない、冒険の世界へご案内します!

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