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    ミナスジェライス州の隠れた宝石、カタグアスへ。歴史とアートが織りなすブラジル文化紀行

    ブラジルと聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、リオデジャネイロの灼熱のカーニバルや、サンパウロの摩天楼がひしめく巨大都市の喧騒かもしれません。しかし、この広大な国の真の魂は、時に喧騒から離れた地方の小さな街にこそ、静かに息づいているものです。今回、旅する酒飲みライターの僕、太郎が訪れたのは、ミナスジェライス州の南東部に位置する街、カタグアス。ここは、ブラジル・モダニズム建築の揺り籠とも呼ばれ、歴史とアート、そして豊かな文化が香り立つ、まさに大人のためのウェルネス旅にふさわしい場所でした。豊かな自然に抱かれ、心洗われる芸術に触れ、滋味深い郷土料理に舌鼓を打つ。そんな、五感を満たす旅の物語にお付き合いください。

    ブラジルの多様な魂を探る旅は、古代マヤの叡智と祈りが息づくグアテマラの地へも広がっています。

    目次

    モダニズム建築の息吹を感じて。カタグアス、時を超えたアート散歩

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    カタグアスの街を歩くと、まるで時間が止まったかのような感覚に包まれつつも、同時に未来を見据えた時代の熱気が入り混じった不思議な印象を受けます。この街が「Zona da Mata Mineiraにおける近代建築の揺りかご」と称される背景には深い理由があります。20世紀初頭、コーヒー産業で栄えたこの地は、ヨーロッパ発の新しい文化や芸術をいち早く取り入れ、ブラジルのモダニズム運動の重要拠点の一つとなりました。その象徴が、街のあちこちに点在する偉大な建築家たちの作品群で、まるで街全体が屋外美術館のような趣を漂わせています。

    旧エネルジーザ本社ビル(Espaço Energisa)

    カタグアスのアート散策は、まずこの建物から始めるのが理想的です。旧エネルジーザ本社ビルは、現在では文化センターとして市民に親しまれており、若きオスカー・ニーマイヤーが手がけた記念すべき公共建築のひとつです。ニーマイヤーは後にブラジリアの設計で世界的な名声を博しましたが、その才能はすでにこのカタグアスの地で鮮烈に花開いていました。

    建物の特徴は、彼が得意とした流麗な曲線と、軽やかなピロティ構造にあります。硬質なコンクリートが使われているにもかかわらず、生き生きとした有機的な形状が、大地から生命が湧き出るかのような躍動感を放っています。中に入ると、計算し尽くされた自然光の取り入れ方に驚かされます。壁面に描かれたパウロ・ウェルネックのパネル画は、差し込む光によって刻々と表情を変え、空間全体に詩的なリズムを生んでいます。

    ここでしばらく立ち止まると、1940年代の建築家たちが抱いた革新的な精神が伝わってくるかのようです。彼らは単に新しいデザインを追求しただけでなく、建築を通して新しい社会のあり方や豊かな生活を模索していたのです。その情熱は、今もこの空間に溢れています。

    項目詳細
    名称Espaço Energisa (旧エネルギーザ本社ビル)
    住所Av. Astolfo Dutra, 70 – Centro, Cataguases – MG, 36770-001, Brazil
    見どころオスカー・ニーマイヤーの初期傑作、パウロ・ウェルネックの壁画、モダニズム建築の流線美と光の演出
    楽しみ方展示会やイベントが開催されることもあり、建物の内外をゆっくりと歩きながら、光と影の織り成す芸術を体感するのがおすすめ。

    サンタ・リタ・デ・カッシア教会(Igreja de Santa Rita de Cássia)

    次に足を運びたいのは、街の中心部から少し離れた場所にあるサンタ・リタ・デ・カッシア教会です。一見すると教会とは思えないほどモダンで大胆なフォルムが印象的で、そこに目を奪われます。こちらもニーマイヤーによる設計で、彼独自の建築言語である自由な曲線が祈りの空間へと見事に昇華されています。

    波打つような外観のファサードは、見る角度によって異なる表情を見せ、生きているかのような動きを感じさせます。そして扉を開けた瞬間、誰もが息をのむことでしょう。祭壇の背後を覆うのは、ブラジルを代表する画家カンディド・ポルチナーリが描いた巨大なフレスコ画。その深く魅力的な「ポルチナーリ・ブルー」は、訪れる人の心を静かに清めてくれる力を持っています。

    描かれているのは聖リタの生涯や聖フランシスコの物語ですが、その表現は宗教画の枠を超え、苦悩や希望、祈りといった普遍的な人間の感情に強く訴えかけてきます。私自身は熱心な信者ではありませんが、この荘厳な青に包まれると、日々の雑念が洗い流され、心が穏やかになるのを感じました。この場所は信仰の有無に関係なく、すべての人に開かれた魂の聖域です。静寂の中で壁画と向き合うひとときは、何物にも代えがたい癒しの時間となるでしょう。

    項目詳細
    名称Igreja de Santa Rita de Cássia (サンタ・リタ・デ・カッシア教会)
    住所Praça Santa Rita, 129 – Centro, Cataguases – MG, 36770-022, Brazil
    見どころニーマイヤーの独創的な建築スタイル、カンディド・ポルチナーリによる壮大なフレスコ画「ポルチナーリ・ブルー」
    注意事項宗教施設のため訪問時は静粛に。肌の露出が少ない服装が望ましく、ミサの時間は見学を控えるなど配慮が必要。

    フランシスコ・インディオ・ダ・コスタ邸(Residência Francisco Inácio Peixoto)

    カタグアスのモダニズム建築は公共施設にとどまらず、個人住宅にもその息吹を感じられます。このフランシスコ・インディオ・ダ・コスタ邸は、個人の邸宅として建てられたモダニズム建築の傑作ですが、現在は一般公開されていません。それでも外観を眺めるだけで、当時の先進的な暮らしぶりを想像することができます。

    この住宅の特長は、建築と自然の見事な調和にあります。設計を担当したのはミナスジェライス州出身の建築家フランシスコ・ボリーニャで、庭園のデザインは著名なランドスケープ・アーキテクト、ロベルト・ブルレ・マルクスによるものです。直線と曲線を巧みに融合させた建物は、ブルレ・マルクスが配したブラジル固有の植物と見事に調和し、ひとつの芸術作品として完成しています。

    大きなガラス張りの窓は、室内にいながら庭園の緑を感じられるよう設計されており、内外の境界を曖昧にしています。これは自然との共生を重視するブラジル・モダニズムの理念が具現化されたかのようです。この家で暮らした人々は、光や風、植物の息吹を日々感じながら、豊かな時間を紡いだことでしょう。効率性や機能性だけでなく、心の豊かさをも追求する建築のあり方を、この美しい邸宅は静かに語りかけています。

    項目詳細
    名称Residência Francisco Inácio Peixoto (フランシスコ・インディオ・ダ・コスタ邸)
    住所Av. João Pinheiro, 225 – Centro, Cataguases – MG, 36770-049, Brazil
    見どころ建築家ボリーニャと造園家ブルレ・マルクスの共作、建築と自然の見事な融合が感じられるデザイン
    注意事項私有地のため内部見学は不可。外観のみの見学が可能で、周囲の住民への配慮を忘れず静かに鑑賞しましょう。

    文学と映画の香りに包まれる。文化都市カタグアスの深層へ

    カタグアスの魅力は、目に見える建築物だけにはとどまりません。この街の土壌は、ブラジルの文化史に多大な影響を与えた文学者や映画人を育んできました。街角のカフェでコーヒーを一杯注文すれば、隣の席から誰かが詩を口ずさんでいるかのような、知的で豊かな空気が漂っています。ここでは、カタグアスが誇る文化の深みへとさらに深く踏み込んでみましょう。

    雑誌『ヴェルデ』とモダニズム運動

    1927年、カタグアスの若い知識人グループによって設立された雑誌『ヴェルデ』。これは単なる地方の文芸誌ではなく、サンパウロで勃興した「近代芸術週間」の精神を受け継ぎ、ブラジル独自のモダニズムを地方から発信しようとする大胆な試みでした。発行期間は全7号という短さでしたが、その影響力は非常に大きなものでした。

    『ヴェルデ』はヨーロッパの前衛芸術から影響を受けつつも、ブラジルの風土や国民性とは何かを改めて問いかけました。カルロス・ドゥルモン・デ・アンドラーデやマリオ・デ・アンドラーデといった、後にブラジル文学の代表となる作家たちが寄稿し、カタグアスは一気にブラジル文学界の中心的な存在となったのです。彼らは伝統的な型に縛られず、自由な詩や散文を通して新しいブラジルのアイデンティティを模索しました。

    街を歩きながら、当時の若者たちがどのような熱い思いを胸にこの雑誌を作り上げたのかを想像するのは、とても興味深い体験です。彼らが集ったであろうカフェや広場は、今でも街の風景の中に溶け込んでいます。カタグアスは文学的インスピレーションが湧き上がる場所であり、旅の途中にふとペンを手に取り、自分の感じたことを書き留めたくなるような街なのです。

    映画監督ウンベルト・マウロの世界

    カタグアスが輩出したもう一人の偉大な人物が、ブラジル映画の先駆者として知られる映画監督ウンベルト・マウロです。彼はハリウッド映画が主流を占めていた時代に、ブラジルの風景や人々を撮影し続け、「ブラジル映画の父」として今も敬愛されています。

    彼の作品には故郷カタグアスの豊かな自然やミナスジェライス州の穏やかな田園風景が頻繁に登場し、それらは彼の創作の源泉でありアイデンティティの核でもありました。彼の映画制作は決して恵まれた環境ではなく、機材や資金も限られた中で工夫と情熱で数々の名作を生み出しました。

    その功績を讃え、彼の旧居跡には「ウンベルト・マウロ記念館」が設立されています。館内には彼が使用したカメラや編集機器、映画のポスター、貴重な写真などが展示され、彼の生涯と情熱を身近に感じることができます。小さな上映室では彼の監督作品が定期的に上映され、モノクロ映像を通じて古き良きブラジルの精神に触れることができます。彼の映像からは派手な演出ではなく、日常の中に潜む詩情や人間への温かな視線が伝わってきます。彼の作品に浸るひとときは、情報に溢れる現代社会で忘れがちな大切な何かを思い出させてくれるでしょう。

    項目詳細
    名称Memorial Humberto Mauro(ウンベルト・マウロ記念館)
    住所R. Cel. João Duarte, 86 – Centro, Cataguases – MG, 36770-058, Brazil
    見どころウンベルト・マウロ監督ゆかりの品(カメラ、ポスターなど)、監督作品の上映、ブラジル映画草創期の歴史が学べる展示
    楽しみ方事前に彼の代表作をいくつか鑑賞しておくと展示理解が深まる。上映スケジュールを確認し訪れるのがおすすめ。

    心と体を癒す、ミナスの恵み。カタグアスのウェルネス体験

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    歴史や美術に触れる知的な刺激は、旅の大きな楽しみの一つです。しかし、40代を超えた身体には、それと同じくらい心身を深く休める時間が必要と感じるようになりました。カタグアスの魅力は、その両方を満たしてくれる懐の深さにあります。ミナスジェライス州の豊かな土壌が育んだ食文化と、穏やかな自然が最高レベルのウェルネスを提供してくれるのです。

    地元の市場(メルカド)で味わう、本物のブラジル体験

    旅先でその土地の素顔に触れるには、早朝の市場(メルカド・ムニシパル)へ足を運ぶのが何よりも効果的です。カタグアスの市場も同様に、扉を潜ると色鮮やかな果物や野菜、豊かな香りを放つチーズ、そして地元の人々の活気ある声が五感をいっきに刺激します。

    マンゴーやパパイヤ、アサイーといったおなじみの果物はもちろん、ジャボチカバやクプアスといった日本では珍しい果実も山積みとなっています。店先のおばちゃんに勧められて試食すると、南国の陽光をいっぱいに浴びた濃厚な甘みが口中に広がります。まさに大地のエネルギーをストレートに味わうウェルネスで、旅の疲れも一気に吹き飛びます。

    また、ミナスジェライス州といえば何と言ってもチーズ(Queijo Minas)が有名です。フレッシュなものから熟成タイプまで多種多様なチーズが並び、その場で味見をさせてくれる店も多いです。少し塩気の効いたフレッシュチーズは、甘いフルーツと相性抜群。お酒好きの私には、地元のカシャッサ(サトウキビから造られる蒸留酒)の小瓶を扱う店も気になるところです。市場の片隅にある小さなバルで、朝からカシャッサを一杯嗜むのも、地元流の楽しみ方かもしれません。

    ミナス料理の真骨頂、ポン・デ・ケイジョと絶品コーヒー

    ミナスジェライス州の食文化を語るうえで欠かせないのが、ポン・デ・ケイジョとコーヒーです。日本でも知られるポン・デ・ケイジョですが、本場で焼きたてを味わうと、その美味しさは格別です。外はカリッと、内側はもちもち。タピオカ粉特有の食感とチーズの香ばしい風味が絶妙に絡み合います。

    カタグアスの街角にはパダリア(パン屋)やカフェが点在し、それぞれ自慢のポン・デ・ケイジョを焼いています。地元の人々に混ざりながら、焼きたてのポン・デ・ケイジョと「カフェジンニョ」と呼ばれる小さなカップに入った濃厚なコーヒーで朝食をとる時間は、旅の記憶を豊かに彩る何気ないひとときです。コーヒー豆の産地として名高いミナスジェライス州のコーヒーは、深みがあり香り高い。酸味と苦味のバランスが絶妙で、ポン・デ・ケイジョの塩気と非常によく合います。

    慌ただしい日常から離れ、美味しいコーヒーとパンを味わう。このシンプルなことが、どれほど心を落ち着けるか計り知れません。それは、情報や予定に追われる日々から自分を解放し、「今、ここ」に意識を集中させる、まるで瞑想のような時間です。カタグアスのカフェで過ごすひとときは、まさに“食べるウェルネス”と言えるでしょう。

    カタグアスの自然に包まれて。リラックスした散策を楽しもう

    アートと美食を満喫した後は、少し足を伸ばして自然の中に身を委ねたくなります。カタグアスの街はパラナイーバ川の支流のほとりに広がっており、川沿いをゆったり散策するだけでも心地よいものです。川面を渡る風を感じつつ、鳥のさえずりに耳を傾けていると、思考が澄み渡り心が穏やかになるのを実感します。

    街の中心部にあるオルテンシア・アルメイダ公園(Parque da Sapucaia)は、市民の憩いの場として親しまれています。緑豊かな木陰で読書にふけったり、ただベンチに腰かけて人間観察を楽しんだりするのも充実した時間です。観光名所とは一線を画しますが、こうした地元の人々の普段の暮らしが垣間見える場所こそ、旅の味わいをより深めてくれます。

    都会の喧騒から遠く離れたこの街では、時間の流れがゆったりと感じられます。意識的にスマートフォンの電源を切り、目の前の風景に集中してみるのもおすすめです。深く呼吸を繰り返しながら、木々の香りや土の感触を味わう。そんなシンプルな行為を通じて、私たちは本来持っている自然とのつながりを思い出すことができます。カタグアスの穏やかな自然は、デジタルデトックスと心のリフレッシュに最適な環境を整えてくれているのです。

    旅の夜を彩る、カタグアスの食と酒

    陽が傾き始め、街が柔らかな光に包まれると、僕のような酒好きのライターにとって待望のゴールデンタイムが訪れます。カタグアスの夜は、リオやサンパウロのような華やかさはないものの、その分だけ滋味深く、心温まる料理と酒に巡り合える魅力があります。ミナス地方の豊かな食文化を存分に楽しみましょう。

    ミナス料理の店で味わう郷土の味覚

    ミナスジェライス州の料理、コミダ・ミネイラは、ブラジル全土で人気の郷土料理の代表です。特徴としては、豚肉や豆、トウモロコシ粉、地元産の野菜を贅沢に使った素朴で温かみのある味わいにあります。カタグアスのレストランでは、本場のコミダ・ミネイラを心ゆくまで堪能できます。

    特におすすめしたいのが「フェイジョン・トロペイロ」。これは豆にベーコンやソーセージ、キャッサバ粉、卵を加えて炒めた料理で、栄養たっぷりで食べ応えも十分です。かつて家畜を運んでいた商人(トロペイロ)たちが愛した歴史を持つ、まさにミナスのソウルフードといえます。また「トゥトゥ・ア・ミネイラ」も欠かせません。黒豆をペースト状にし、ベーコンやニンニクの風味を加え、ご飯や豚肉のローストと共にいただくと絶品で、自然と笑顔がこぼれます。

    これらの料理には、カイピリーニャはもちろんのこと、地元産のクラフトビールや熟成された上質なカシャッサを合わせるのがベストです。温かみのあるレストランの空間で、美味しい食事とお酒を味わえば、旅の疲れも癒え、心から満たされることでしょう。

    夜のボテッコ(居酒屋)巡りで地元の人々と乾杯

    レストランでしっかりと食事を楽しんだ後、もう一杯飲みたい気分になったら、ボテッコ(Botequim)と呼ばれる庶民的な居酒屋を訪れてみましょう。プラスチックの椅子とテーブルが並ぶシンプルな店構えが多いですが、こここそがブラジルの人々の社交の場。毎晩、仕事帰りの人々が集まり、ビールを片手に賑やかな会話を楽しんでいます。

    ボテッコの定番は、キンキンに冷えた瓶ビール(Cerveja gelada)。これを小さなグラスに注ぎ分けながら、少しずつ飲むのがブラジル流です。おつまみには「ペティスコス」と呼ばれる料理が並び、揚げたてのパステル(具入りの揚げパイ)、コシーニャ(鶏肉入りコロッケ)、リングイッサ(生ソーセージのグリル)など、ビールにぴったりのメニューが豊富です。

    言葉が通じなくても、身振り手振りで注文し、「サウージ!(乾杯!)」とグラスを合わせれば、すぐに地元の人たちと仲良くなれるのがボテッコの醍醐味です。隣のテーブルからおつまみの分け合いがあったり、サッカーの話題で盛り上がったりと、そんな一期一会の交流が旅の思い出をより一層深いものにしてくれます。ただし、飲み過ぎには気をつけて、夜間の一人歩きは避けるなど、安全面への配慮は忘れないように。節度を守りながら楽しむことが、最高の思い出を作るポイントです。

    カタグアスへの旅、基本情報とプランニング

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    それでは、カタグアスの魅力に心惹かれ、実際に訪れてみたいと思われた方に向けて、旅の計画に役立つ実践的な情報をお届けします。ややマニアックな目的地だからこそ、事前の準備が旅の体験を大きく左右します。

    アクセス方法

    カタグアスへは日本からの直行便がありません。まずはサンパウロのグアルーリョス国際空港(GRU)かリオデジャネイロのガレオン国際空港(GIG)を目指すのが一般的です。そこから国内線で、最寄りの主要空港であるZona da Mata Regional Airport(IZA)へ向かうことも可能ですが、便数が限られているため注意が必要です。

    より一般的な方法は、リオデジャネイロから長距離バスを利用することです。リオの長距離バスターミナル(Rodoviária Novo Rio)からカタグアス行きのバスが1日に数便運行しており、所要時間は約4〜5時間程度です。広々とした座席で快適なブラジルの長距離バスに乗りながら、窓外に広がるミナスの美しい風景を楽しむのも旅の醍醐味のひとつ。出発前にバス会社のウェブサイトで時刻表と料金を確認し、予約しておくことをおすすめします。

    おすすめの滞在時期

    ブラジル南東部に位置するカタグアスは、乾季と雨季という大きな気候の区分があります。観光に最適なのは、安定した気候で晴れの日が多い4月から9月の乾季です。日中は暖かく快適ですが、朝晩は肌寒く感じることもあるため、軽く羽織れるものを持参すると安心です。

    一方、10月から3月にかけては雨季にあたり、湿度が高まるとともに午後に強いスコールが降ることが多くなります。緑が一段と豊かになり美しい季節ではありますが、徒歩での観光には少し不便に感じるかもしれません。

    宿泊施設の選び方

    カタグアスの宿泊施設は大都市ほど多様ではありませんが、趣のあるホテルやポウザーダ(民宿スタイルの宿)がいくつかあります。中心部に宿を構えれば、モダニズム建築群やレストラン、市場まで徒歩圏内で移動可能です。歴史的な建物を改装した趣のあるポウザーダに泊まれば、カタグアスの雰囲気をより深く味わうことができるでしょう。一方、快適さを重視するなら、モダンな設備が整ったホテルを選ぶのもおすすめ。旅のスタイルや予算に合わせて、事前に予約サイトなどで比較検討してみてください。

    旅の注意点

    カタグアスは比較的治安の良い地方都市ですが、ブラジル全体に共通する基本的な安全対策は欠かさないようにしましょう。夜間のひとり歩きは控え、貴重品はホテルのセーフティボックスに預ける、派手な装飾品の着用を避けるなどの注意が必要です。

    公用語はポルトガル語で、観光地では英語がある程度通じますが、基本的な挨拶や数字、「ありがとう(Obrigado/Obrigada)」などの簡単なポルトガル語を覚えておくと、地元の人とのコミュニケーションがスムーズになります。

    通貨はレアル(BRL)です。クレジットカードが使用できる店舗も多いですが、市場や小規模なボテッコ(飲食店)では現金が必要になることも多いため、一定額の現金を用意しておくことをおすすめします。

    魂が求める場所、カタグアスで過ごす豊かな時間

    カタグアスでの旅を終え、グラスに残る最後の一滴を味わい尽くすように、この街の記憶をじっくりと振り返っています。それは単なる美しい建築物を眺めたり、美味しい料理を楽しんだ記録に留まりません。ニーマイヤーの描く曲線から未来への希望を感じ取り、ポルチナーリの青に心の静けさを見出し、ウンベルト・マウロの映像を通じて故郷への愛情を再認識しました。こうして芸術との対話を重ねる中で、自分自身の内側と深く向き合う時間となりました。

    市場の活気あふれる雰囲気、焼きたてのポン・デ・ケイジョの芳ばしい香り、ボテッコで知らぬ人々と交わした乾杯のひととき。それらひとつひとつが、私たちの日常を支える根源的な喜びを思い起こさせてくれます。効率や生産性ばかりが求められる現代にあって、カタグアスはもっと人間らしく、ゆたかな時間の使い方を教えてくれるのです。

    もしあなたが、次の旅先で未知のインスピレーションや心からの癒やしを求めているなら、ぜひブラジルの地図を広げて、ミナスジェライス州の小さな町、カタグアスを探してみてください。そこには、あなたの魂が渇望する深く穏やかで、創造性に満ちた時間が静かに流れていることでしょう。

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    この記事を書いた人

    美味い酒と肴を求めて全国を飲み歩く旅ライターです。地元の人しか知らないようなB級グルメや、人情味あふれる酒場の物語を紡いでいます。旅先での一期一会を大切に、乾杯しましょう!

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