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    米国空港でデジタルIDの利用が拡大、保安検査がスマートフォンで可能に

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    米国運輸保安庁(TSA)は、250以上の空港でスマートフォンに保存されたデジタルIDの受け入れを本格化しています。約20州のモバイル運転免許証などがApple/Google Walletで利用可能となり、保安検査の効率化と時間短縮を図ります。REAL ID法による身元確認の厳格化や旅行者急増に対応するため、デジタルIDと生体認証技術の導入を推進。将来的には物理IDや搭乗券不要の「ウォークスルー」型空港体験を目指し、プライバシー保護にはオプトイン方式で対応しつつ、安全でスムーズな旅行体験の実現を進めています。

    目次

    250以上の空港で進む身分証明のデジタル化

    米国運輸保安庁(TSA)は全米250カ所以上の空港の保安検査場において、スマートフォンに保存されたデジタルID(モバイル身分証明書)の受け入れを本格化させています。現在、米国内の約20州およびプエルトリコで発行されたモバイル運転免許証(mDL)や州のIDカードが対象となっており、該当地域の住民はApple WalletやGoogle Walletなどのデジタルウォレットを用いて本人確認を完了できるようになりました。

    2026年6月にはGoogle Walletにおいて「TSA PreCheck Touchless ID」との新たな連携が開始されるなど、事前のオプトイン登録によって専用レーンを通過できるシステムも導入されています。これにより、旅行者はカバンから物理的な運転免許証やパスポートを取り出す手間を省き、保安検査にかかる時間を大幅に短縮することが可能となっています。

    厳格化する身元確認ルールと技術導入の背景

    このようなデジタル化の背景には、空港のセキュリティ基準の引き上げと、それに伴う旅客処理の効率化という課題があります。2025年5月に施行されたREAL ID法により、米国の国内線搭乗にはより厳格な基準を満たした身分証明書が必須となりました。さらに2026年2月からは、有効なIDを所持していない旅行者に対して、身元確認の手続き費用として45ドルの手数料(TSA ConfirmID)を徴収する新制度も開始されており、事前準備の確実性が強く求められています。

    旅行者の急増による空港の混雑緩和を目的として、TSAはデジタルIDの普及とあわせて生体認証技術の導入を推進しています。現在、システムエラー等に備えて物理的なIDの携帯は引き続き求められていますが、安全でスムーズな旅行体験を提供する手段としてデジタルIDへの移行が急ピッチで進められています。

    ウォークスルー型空港体験の実現に向けた未来予測

    保安検査におけるスマートフォンの利用は、搭乗プロセスの完全自動化に向けた第一歩に過ぎません。すでに一部の空港では、航空会社と連携して顔認証技術を活用した実証実験が行われており、旅行者がカメラに顔を向けるだけで本人確認と搭乗券の確認を同時に完了できる仕組みがテストされています。

    将来的には、空港の入り口から搭乗口まで、スマートフォンや物理的なID、さらには搭乗券すら提示する必要のない「ウォークスルー」型の空港体験が一般的になると予測されます。生体認証データの利用拡大に対してはプライバシー保護を懸念する声も上がっていますが、TSAはデータ利用を本人確認の目的に限定し、希望者のみが利用するオプトイン方式を採用することで透明性を確保しています。今後、技術の精度向上と対象州の拡大が進めば、旅行者の利便性はさらに向上し、世界の空港におけるデジタル化の新たな標準となっていくと考えられます。

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