ロンドンから電車でわずか1時間半の英国ケンブリッジシャーに佇む市場町ハンティンドンは、清教徒革命の指導者オリバー・クロムウェルゆかりの地。派手さはないが、歴史が息づく石畳の小道や穏やかなウーズ川、活気あるマーケットが魅力です。博物館や教会で歴史を深く知り、豊かな自然の中で心安らぐ時間を過ごせます。都会の喧騒を離れ、静かに英国の日常と歴史を満喫したい人におすすめの旅先です。
きらびやかな観光名所を巡る旅も素敵です。でも、たまには時計を外し、静かな時間の流れに身を任せてみませんか。そんな願いを叶えてくれるのが、英国ケンブリッジシャーに佇む古き良き市場町、ハンティンドンです。
ロンドンの喧騒から電車でわずか1時間半。そこには、清教徒革命の指導者オリバー・クロムウェルが生まれた町の、重厚な歴史が息づいていました。派手さはありませんが、石畳の小道や美しい川辺を歩けば、心がゆっくりとほどけていくのを感じるはず。大都市の観光では味わえない、自分だけの物語を見つける旅が、ここから始まります。
さらに、静かな魅力を求めるなら、ロンドン郊外のSidcupにも思いを馳せてみる価値があります。
なぜ今、ハンティンドンを選ぶのか?

有名な観光地のリストにはなかなか登場しないかもしれません。だからこそ、ハンティンドンには、ありのままの英国の日常風景と、色褪せない歴史の香りが息づいているのです。私がこの町に魅了された理由を、少しだけお伝えします。
歴史の教科書を歩くような体験
ハンティンドンは何よりも、オリバー・クロムウェルの生誕地として名高い場所です。王政を転覆させイングランド共和国を樹立した彼の足跡が、町のいたるところに残されています。博物館でその生涯に触れ、彼が洗礼を受けた教会にたたずむ。まるで歴史の教科書のページを、一枚一枚自分の足でめくっていくかのような感覚が味わえます。歴史ファンにはたまらない、知的好奇心を刺激する散策があなたを待っています。
中世から続くマーケットの温かさ
町の中心には、いまも活気に満ちたマーケットが開かれています。水曜日と土曜日に開催されるこの市場は、地元の生活の中心地でもあります。色鮮やかな野菜や果物、焼きたてのパンの香ばしい匂いが漂い、店主との何気ない会話が旅の素敵なアクセントになるでしょう。大型スーパーマーケットでは味わえない、人と人との温かなつながりがここにはあります。
ウーズ川がもたらす穏やかな時間
町のそばをゆっくりと流れるグレート・ウーズ川。その川辺は、地元の人たちにも安らぎの場所として親しまれています。緑豊かな遊歩道をゆったり散策したり、ベンチに腰掛けて水面を眺めたり。カヌーやボートを楽しむ人たちの姿も見かけます。急ぐ必要のない、ただ自然と一体になれる時間。そんな贅沢なひとときが、旅の疲れをそっと癒してくれるでしょう。
ハンティンドンで必ず訪れたいスポット5選
コンパクトな町ながら、ハンティンドンには魅力的なスポットが点在しています。ここでは、私が実際に訪れて印象に残った場所を厳選してご紹介します。
クロムウェル博物館 (The Cromwell Museum)
この町を語るうえで欠かせないのが、クロムウェル博物館です。彼が通っていたとされるグラマースクールの建物を利用しており、その独特の雰囲気が漂っています。肖像画やデスマスク、個人宛の手紙など貴重な資料が展示されており、彼の業績だけでなく人間的な側面にも触れられます。歴史に詳しくない方でも興味を持てる内容で、小規模ながら濃密な展示が英国史の重要な転換点を実感させてくれます。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | Grammar School Walk, Huntingdon PE29 3LS, UK |
| 開館時間 | 火曜~日曜 11:00~15:30 (季節により変動あり) |
| 料金 | 無料(寄付歓迎) |
| 公式サイト | cromwellmuseum.org |
オール・セインツ教区教会 (All Saints’ Parish Church)
マーケット広場のすぐそばに静かに佇む風情ある教会です。1599年、オリバー・クロムウェルがここで洗礼を受けた記録が残っています。ゴシック建築の美しさは素晴らしく、内部に入るとステンドグラスから差し込む光が幻想的な空間を演出していました。観光客で混雑することはほとんどなく、静かに歴史の重みを感じながら祈ったり、思索にふけるのにぴったりの場所です。町の喧騒から離れて心安らぐ神聖な空気が満ちています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | Market Hill, Huntingdon PE29 3NR, UK |
| 開館時間 | 日中は基本的に開放(行事により変動あり) |
| 料金 | 無料 |
| 公式サイト | なし(教区のウェブサイトで情報を確認) |
ホートン・ミル (Houghton Mill)
町の中心から少し足を伸ばし、ウーズ川沿いを約30分ほど散策すると、まるで絵本から飛び出したかのような美しい水車小屋が現れます。ナショナル・トラストにより保護されているこの水車は今も稼働しており、実際に粉をひく様子を見学できます。周囲には穏やかな田園風景が広がり、ピクニックにもうってつけ。隣接のティールームでは手作りスコーンと紅茶を楽しめ、その時間はまさに至福でした。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | Mill St, Houghton, Huntingdon PE28 2AZ, UK |
| 開館時間 | 季節・曜日で変動あり、公式サイトで要確認 |
| 料金 | 大人約 £7.00(ナショナル・トラスト会員は無料) |
| 公式サイト | nationaltrust.org.uk/houghton-mill-and-waterclose-meadows |
ヒンチングブルック・カントリーパーク (Hinchingbrooke Country Park)
より自然を満喫したい方にはこのカントリーパークがおすすめ。広大な敷地には湖や森、草原が広がり、さまざまな野生動物が暮らしています。整備された遊歩道は散策やサイクリングに最適で、地元の人たちが犬の散歩や家族連れで訪れる様子は見ているだけで心が安らぎます。町の中心からやや離れていますが、バスや自転車でアクセスする価値があります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | Brampton Rd, Huntingdon PE29 6DB, UK |
| 開園時間 | 24時間開放(ビジターセンターの営業時間は別途) |
| 料金 | 無料(駐車場は別料金) |
| 公式サイト | huntingdonshire.gov.uk/hinchingbrookecountrypark |
中世の橋 (The Medieval Bridge)
ハンティンドンと対岸のゴッドマンチェスターをつなぐ石造りの橋は、町の象徴ともいえる存在です。14世紀初頭に築かれ、長い年月にわたり人々の往来を見守ってきました。橋の上から見るウーズ川の景観は格別で、絶好の写真撮影スポットとしても人気です。夕暮れどきには、夕日に染まる川面とともに橋のシルエットが美しい風景を生み出します。この橋を渡ると、遠い昔の旅人たちも同じ眺めを楽しんだのではないかという思いが湧きました。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | Godmanchester, Huntingdon, UK |
| 開放時間 | 24時間 |
| 料金 | 無料 |
| 特徴 | 歩行者専用の歴史的な石橋 |
1泊2日モデルプラン提案!予算1万円で巡る旅
ライターの私、大西がご提案する、予算を抑えつつハンティンドンをたっぷり楽しむ1泊2日のモデルプランです。交通費と宿泊費を除き、食費やお土産代を1万円(約£50〜£60)以内に抑えることを目標としています。
1日目:歴史と川辺の散策で心癒される
午前中、ロンドンのキングス・クロス駅から電車に乗り、ハンティンドンへ向かいます。駅に到着したら、まずは予約済みのB&B(朝食付き宿)に荷物を預けて身軽になりましょう。その後、町の中心にあるマーケット広場へ足を運びます。
昼食はマーケットの屋台で。焼きたてのソーセージロールや地元産のチーズを使ったサンドイッチなど、手頃で美味しい品が豊富です。£10あれば、お腹も心も十分満たせるはずです。
午後は歴史散策の時間です。クロムウェル博物館やオール・セインツ教会をゆっくり見学しましょう。どちらも入場無料なので、予算重視の旅にはありがたいポイントです。英国史の重要な人物の足跡に思いを馳せてみてください。
夕方には少し歩き疲れた体を癒すため、ウーズ川のほとりへ向かいます。中世の橋を渡り、川沿いのベンチでゆったり過ごすひとときも格別です。夕食は地元の人々で賑わう伝統的なパブで。フィッシュ&チップスとエール1杯で、約£20ほどで楽しむことができ、地元の方との交流も期待できます。
2日目:自然の恵みを満喫して帰路へ
朝はB&Bでしっかりイングリッシュ・ブレックファストをいただきます。チェックアウト後は、荷物を宿に預けて身軽に。2日目はバスでホートン・ミルへ向かいましょう。往復のバス代は約£5です。
午前中は水車の見学や周囲の散策を楽しみます。川のせせらぎや鳥のさえずりだけが耳に届く静かな環境は、最高の癒しスポットです。ティールームも素敵ですが、予算を考えるなら前日にマーケットで買ったパンや果物でピクニックランチを楽しむのもおすすめです。
午後は町の中心に戻り、お土産選びの時間です。地元のデリカテッセンでジャムやショートブレッドを手に入れたり、アンティークショップで掘り出し物を探したりしましょう。残った予算と相談しつつ、素敵な旅の思い出をお持ち帰りください。
夕方には預けていた荷物を受け取り、駅へ向かいます。名残惜しさを感じながらも、充実した気持ちと程よい疲労感を抱えてロンドンへの帰路につきましょう。
旅費を抑えるポイント
鉄道のチケットは、早めにオンラインで予約すると「Advance」という割引料金が利用できます。宿泊はホテルより、家庭的でリーズナブルなB&Bやゲストハウスが狙い目です。食事はパブランチやマーケットのテイクアウトを上手に活用すると、予算内で充実した食事が楽しめます。
ハンティンドンへのアクセス方法

ロンドンからのアクセスは非常にスムーズです。旅のスケジュールに合わせて、最適な移動手段をお選びください。
鉄道でのアクセス
ロンドンのキングス・クロス駅(King’s Cross Station)からは、テムズリンク(Thameslink)やグレート・ノーザン(Great Northern)が運行する直通列車が頻繁にあります。快速列車なら約1時間、普通列車でもおよそ1時間30分で到着します。ハンティンドン駅は町の中心部に近く、駅から徒歩圏内のため移動が非常に便利です。
車でのアクセス
車で訪れる場合は、ロンドンから高速道路A1(M)を北上するルートが一般的です。所要時間は交通状況によりますが、おおよそ2時間を見込んでください。町内にはいくつかの公共駐車場が整備されていますが、週末には混雑することもあるため、事前に駐車場所を調べておくことをおすすめします。
旅の終わりに思うこと
ハンティンドンへの旅は、何かを成し遂げたり有名な観光地を巡ったりする旅とは少し趣が異なります。ここでは、街の歴史に静かに向き合い、穏やかな自然の中で自分自身を見つめ直すひとときを過ごしました。
石畳に響く人々の足音、教会の鐘の音色、川面に映る空の鮮やかな色合い。五感を通して感じたあらゆるものが、日常に戻った後も心の奥で温かく灯り続ける、そんな優しい記憶として刻まれました。次の週末、もし都会の喧騒に疲れを感じているなら、この静かな市場町を訪れてみてはいかがでしょうか。きっと、あなたにとって特別な物語が待っているはずです。

