米国の旅行市場は力強い回復を見せ、2026年には国内旅行消費総額が過去最高の1.37兆ドルに達する見込みです。体験重視やリベンジ消費が国内需要を牽引する一方、国際旅行の回復は緩やかで、ビザ発給遅延やドル高、航空便不足が阻害要因となり、2019年水準への完全回復は2029年以降と予測されています。日本からの旅行者は、国内需要の高まりによる価格高騰に注意し、早期予約や時期調整が賢明です。
米国の旅行市場が力強い回復を見せています。米トラベル協会の最新予測によると、2026年には米国内の旅行消費総額が1.37兆ドル(約214兆円)に達する見通しであることが明らかになりました。インフレや経済の先行き不透明感といった懸念材料があるにもかかわらず、旅行への意欲は衰えていません。しかし、その内訳を見ると、国内旅行と国際旅行で回復ペースに大きな差が生じているようです。
好調な国内旅行が市場全体を牽引
今回の予測の大きな柱となっているのが、米国内旅行の旺盛な需要です。コロナ禍を経て、人々の旅行に対する価値観は変化し、依然として旅行は優先度の高い消費項目と見なされています。この底堅い需要が市場全体を押し上げ、2026年には過去最高水準の消費額に達すると予測されています。
経済的な不確実性の中でも人々が旅行にお金を使い続ける背景には、体験を重視する「コト消費」へのシフトや、パンデミック中に抑制されていた旅行意欲の反動(リベンジ消費)が続いていることが考えられます。
国際旅行の回復ペースと今後の展望
ワールドカップが追い風となるも、完全回復は2029年以降か
一方、米国を訪れる国際旅行(インバウンド)の回復は、より緩やかなペースで進むと見られています。特に、2026年に米国、カナダ、メキシコで共同開催されるFIFAワールドカップや、2028年のロサンゼルスオリンピックといった世界的なビッグイベントは、インバウンド需要を大きく押し上げる追い風として期待されています。
しかし、米トラベル協会は、国際旅行者数およびその消費額がコロナ禍以前の2019年の水準に完全に戻るのは、早くとも2029年以降になるだろうと慎重な見方を示しています。
回復を阻む要因とは
国際旅行の回復が遅れる背景には、いくつかの構造的な課題が存在します。
- ビザ発給の遅延: 一部の国では、米国入国のためのビザ発給に長い待機時間が発生しており、旅行計画の大きな障壁となっています。
- 強いドル: 為替レートがドル高で推移しているため、多くの国の旅行者にとって米国旅行が割高になっています。
- 航空便の供給: 一部の国際路線では、コロナ禍以前の便数まで回復しておらず、航空券価格の高止まりも旅行をためらわせる一因です。
これらの要因が複合的に絡み合い、国際旅行の回復ペースを鈍化させていると考えられます。
日本から米国へ旅行する際のポイント
この予測は、これから米国への旅行を計画している日本の旅行者にも影響を与えます。
好調な国内需要は、米国内のホテルやフライト、レンタカーなどの価格が高止まりしやすい状況が続くことを意味します。特に、前述のワールドカップやオリンピックの開催期間中は、開催都市を中心にさらなる混雑と価格高騰が予想されます。
これから米国旅行を計画する際は、以下の点を考慮すると良いでしょう。
- 早期予約を心がける: 航空券や宿泊施設は、早めに予約することで費用を抑えられる可能性が高まります。
- 旅行時期をずらす: ピークシーズンや大規模イベントの開催時期を避けることで、より快適で経済的な旅行が実現できます。
- 為替レートの動向を注視する: ドル高は旅行費用全体に影響するため、為替の動きをチェックしながら計画を立てることが重要です。
米国の旅行市場はダイナミックに変化しています。最新の情報をキャッチしながら、賢く旅行を計画していきましょう。

