東南アジアの観光地図が大きく塗り替わろうとしています。経済調査会社BMIの最新レポートによると、ベトナムの観光産業が驚異的なスピードで成長を遂げており、2026年には長年この地域の観光を牽引してきたタイを上回る可能性があるとの予測が発表されました。
旅行サイトArigatripが、今最も注目すべきデスティネーション、ベトナムの観光業の現状とその未来について詳しく解説します。
驚異的な成長の背景にあるベトナムの強み
なぜ今、ベトナムがこれほどまでに世界中の旅行者を惹きつけているのでしょうか。その背景には、いくつかの重要な要因が複合的に絡み合っています。
積極的な政府の取り組みとインフラ整備
ベトナム政府は観光業を国家の基幹産業と位置づけ、積極的な誘致策を講じています。特に、ビザ要件の大幅な緩和は大きな追い風となっています。電子ビザ(e-visa)の対象国を拡大し、滞在可能期間を延長したことで、より多くの観光客が手軽に訪れることができるようになりました。
また、国内のインフラ整備も急ピッチで進んでいます。ハノイやホーチミンなどの主要都市では新しい国際空港の建設や拡張が進められ、地方都市へのアクセスも改善されています。これにより、旅行者は快適かつスムーズに国内を移動できるようになり、滞在の満足度向上に繋がっています。
治安の良さと卓越したコストパフォーマンス
ベトナムは、他の東南アジア諸国と比較して治安が良いことで知られており、初めて訪れる旅行者や家族連れでも安心して滞在できる点が大きな魅力です。
さらに、その高いコストパフォーマンスも人気の理由です。美味しいストリートフードから高級レストラン、質の高いホテルやスパまで、比較的リーズナブルな価格で楽しむことができます。限られた予算でも多様な体験ができることは、多くの旅行者にとって強力なインセンティブとなっています。
数字で見るベトナム観光の躍進
今回の予測は、具体的なデータに裏付けられています。BMIの分析によると、ベトナムの観光客数は2025年にパンデミック以前(2019年)の水準を完全に回復し、さらにそれを上回る見込みです。これは、東南アジア地域ではベトナムが唯一達成すると予測されています。
- 2025年の外国人観光客数予測: 前年比で約21%増と、世界平均を大幅に上回る成長率が見込まれています。
- 2026年の見通し: この力強い成長は2026年も継続し、観光客数と観光収入の両面で、長年のライバルであるタイを追い抜く可能性が示唆されています。
この成長は、ベトナム経済全体を牽引する重要なエンジンとして機能すると専門家は分析しており、その勢いはとどまるところを知りません。
未来予測:東南アジア観光地図はどう変わるか
ベトナムの台頭は、単一国の成功に留まらず、東南アジア全体の観光力学に大きな影響を与える可能性があります。
新たな観光ハブの誕生
これまでバンコクが中心的な役割を担ってきた東南アジアの観光ハブですが、今後はハノイやホーチミンがその地位を脅かす存在になるかもしれません。ベトナムを起点として、隣国のカンボジアやラオスなどを周遊する新しい旅行ルートの人気が高まることも予想されます。
経済への波及効果
観光業の成長は、ホテル、飲食、交通、小売といった関連産業に莫大な雇用を生み出し、外貨獲得を通じてベトナム経済の安定に大きく貢献します。この好循環が、さらなるインフラ投資やサービス向上を促し、ベトナムの魅力を一層高めていくでしょう。
成長に伴う課題
一方で、急速な成長は「オーバーツーリズム(観光公害)」という課題も生み出します。ハロン湾やホイアンといった人気観光地では、すでに混雑や環境への影響が懸念され始めています。今後は、自然環境や文化遺産を保護しつつ、いかにして持続可能な観光(サステナブルツーリズム)を実現するかが、ベトナムにとっての大きな挑戦となります。
活気あふれる都市、壮大な自然、豊かな文化、そして温かい人々。多くのポテンシャルを秘めたベトナムが、世界の観光デスティネーションの主役となる日は、そう遠くないのかもしれません。次の旅行先リストに、この急成長する国の名前を加えてみてはいかがでしょうか。

