2026年にアメリカ旅行を計画している方にとって、ホテルの宿泊費は大きな関心事の一つでしょう。先日開催された「米州ロッジング投資サミット」にて、2026年の米国ホテル市場に関する注目すべき予測が発表されました。全体の客室単価は上昇傾向にあるものの、ホテルの収益性を示す重要な指標は伸び悩む可能性があるというのです。その背景には、オンライン旅行会社(OTA)とホテル公式サイトとの間で再び激化する競争があります。
この記事では、最新の予測データをもとに、2026年の米国ホテル市場で何が起ころうとしているのか、そしてそれが旅行者にどのような影響を与えるのかを解説します。
なぜ今、OTAと公式サイトの競争が再燃しているのか?
パンデミック後の旅行需要の急回復期、多くのホテルは需要が供給を上回る状況を背景に、手数料のかからない自社公式サイト経由での直接予約を強化してきました。ロイヤリティプログラムの会員向けに限定特典を提供するなどして、顧客の囲い込みに成功していたのです。
しかし、旅行需要が落ち着き市場が正常化するにつれて、状況は変化しています。ホテルは再び空室を埋めるため、圧倒的な集客力を持つBooking.comやExpediaといったOTAへの依存度を高め始めています。OTAは幅広い顧客層にアプローチできる強力なマーケティングツールであり、ホテルにとっては無視できない販売チャネルです。この動きが、ホテル公式サイトとOTAとの間での顧客獲得競争を再び激化させているのです。
専門家が分析する2026年の米国ホテル市場
今回のサミットで専門家が示した分析は、この競争激化がホテルの収益構造に直接的な影響を与えることを示唆しています。
ADRは上昇、しかしRevPARは横ばい
予測によると、2026年の米国ホテル市場では、全体の平均客室単価(ADR)は上昇傾向を維持するとみられています。これは、旅行者が目にする宿泊料金が引き続き高くなる可能性があることを意味します。
しかし、注目すべきは販売可能な客室あたりの収益(RevPAR)です。これはホテルの収益性を測る上で最も重要な指標の一つですが、その成長率は-1.5%から+1%の範囲に留まると予測されています。これは、実質的に横ばい、あるいはわずかに減少する可能性さえあることを示しています。
なぜこのような事態が起こるのでしょうか。その原因は、割引率の高いOTA経由での予約量が増加することにあります。ホテルはOTAを通じて客室を販売する際に手数料を支払うため、ADRが高くても、ホテルが最終的に手にする収益は圧迫されてしまうのです。
ワールドカップ特需と旅行者への影響
2026年は、米国、カナダ、メキシコでFIFAワールドカップが共同開催される特別な年です。この巨大イベントは、ホテル市場にさらなる変化をもたらす可能性があります。
海外旅行者増がOTA利用を後押し
ワールドカップ観戦のために世界中から訪れる海外旅行者は、自国の言語や通貨で簡単に予約でき、複数のホテルを比較検討しやすいOTAを利用する傾向が強いと考えられています。この「ワールドカップ特需」が、OTA経由の予約をさらに後押しし、ホテルとOTAの競争構造に大きな影響を与える可能性があります。
旅行者が取るべき賢い選択とは
このような市場の変化は、私たち旅行者にとっても重要です。どこでホテルを予約するかによって、得られる価格や体験価値が大きく変わってくる可能性があります。
- OTAを利用するメリット
豊富な選択肢の中から、セールやプロモーションを利用して最もお得な料金を見つけやすいのが最大の魅力です。様々なホテルを横断的に比較できるため、価格重視の旅行者には非常に便利です。
- ホテル公式サイトを利用するメリット
公式サイトからの直接予約者には、会員限定の割引料金、ポイント付与、客室の無料アップグレード、レイトチェックアウトといった独自の特典が提供されることが多くあります。快適な滞在や特別な体験を重視する場合には、公式サイトを確認する価値は十分にあります。
2026年のアメリカ旅行を計画する際は、単に料金を比較するだけでなく、ホテルが公式サイトでどのような特典を提供しているかもチェックすることをお勧めします。OTAと公式サイトを賢く使い分けることが、より満足度の高い旅を実現する鍵となるでしょう。

