感謝祭の連休が終わり、多くの人々が帰路につくアメリカで、大雪が交通網を直撃し、特に空の便に深刻な影響を与えています。全米で1,000便以上のフライトが欠航となる中、ニューヨーク州の空港では旅客機が凍結した滑走路から逸脱する事故も発生しました。
ニューヨーク州で着陸後の旅客機が滑走路を逸脱
現地時間の日曜日、ニューヨーク州ロチェスターのフレデリック・ダグラス・グレーター・ロチェスター国際空港で、シカゴ・オヘア国際空港から到着したユナイテッド航空5001便が着陸後、誘導路に向かう途中で滑走路を逸脱しました。
連邦航空局（FAA）によると、エンブラエルE145型機には乗客50名と乗員3名が搭乗していましたが、幸いにも負傷者は報告されていません。事故原因は、大雪により凍結した滑走路（icy runway conditions）とみられています。この事故により、空港は一時的に閉鎖され、他のフライトにも遅延や欠航の影響が広がりました。
全米に広がるフライトの混乱
この事故は、現在アメリカを襲っている大規模な冬の嵐の影響を象徴する出来事の一つです。航空情報サイトFlightAwareによると、感謝祭後の旅行のピークである日曜だけで、米国内で1,000便以上のフライトがキャンセルされ、数千便に遅延が発生しました。
特に、中西部北部から北東部にかけての地域が吹雪に見舞われており、ミネアポリス・セントポール国際空港やシカゴ・オヘア国際空港など、主要なハブ空港で多くの欠航便が出ています。
背景：旅行シーズン最大のピークを襲った悪天候
アメリカにおいて、感謝祭の休暇明けの日曜日は、一年で最も空港が混雑する日の一つです。多くの人々が一斉に移動するため、航空システムはもともと非常に高い負荷がかかっています。
そこに今回のような広範囲にわたる大雪と悪天候が重なったことで、混乱は一気に拡大しました。一つの空港での遅延や欠航が、他の空港の運航スケジュールにも連鎖的に影響を及ぼす「ドミノ効果」が発生し、全米規模での麻痺状態を引き起こしています。
今後の影響と旅行者が注意すべきこと
航空各社は天候の回復を待って運航の正常化を急いでいますが、一度乱れたスケジュールを元に戻すには時間がかかります。今後数日間は、欠航や遅延、機材繰りの影響が続くと予測されます。
- 影響の長期化: 欠航便の乗客を別の便に振り替える作業には時間がかかり、特に満席に近い便が多いこの時期は、代替便の確保が困難になる可能性があります。影響は今週半ばまで続くことも考えられます。
- 旅行者へのアドバイス: この時期にアメリカへの渡航や米国内での移動を予定している方は、出発前に必ず利用する航空会社のウェブサイトや公式アプリで最新の運航情報を確認してください。空港へ向かう前にフライトがキャンセルされていないかを確認することが重要です。また、空港へは通常より時間に余裕を持って向かうことをお勧めします。万が一に備え、加入している海外旅行保険の補償内容（フライト遅延や欠航に関する項目）を再確認しておくと安心です。
