MENU

    東南アジア観光、回復ペースに格差鮮明 – 円安が日本人旅行者の行き先をどう変えるか?

    ブルームバーグが発表した最新レポートにより、東南アジア諸国の観光業がパンデミックからの回復過程で大きな岐路に立たされていることが明らかになりました。一部の国では観光客数がコロナ禍以前の水準に迫る勢いを見せる一方、回復の遅れに悩む国もあり、その差が鮮明になっています。

    さらに、歴史的な円安と燃油サーチャージの高騰は、私たち日本人旅行者の行動にも大きな変化をもたらしています。今後の海外旅行の計画を立てる上で、知っておくべき最新動向を背景とともに詳しく解説します。

    目次

    回復の明暗を分ける各国の事情

    レポートによると、東南アジアの中でも特に回復が著しいのはタイやマレーシアです。これらの国々では、欧米からの旅行者や近隣諸国からの訪問者が安定しており、観光客数はコロナ禍以前の8割程度まで回復しています。ビザ緩和措置や積極的な観光プロモーションが功を奏している形です。

    一方で、一部の国では回復ペースが鈍化しています。その最大の要因として指摘されているのが、コロナ禍以前にインバウンド市場の大部分を占めていた「中国人観光客の戻りの遅れ」です。中国国内の経済状況や海外旅行に対するマインドの変化などが影響し、かつてのような団体旅行客の姿はまだ限定的です。この「中国依存」の度合いが、各国の観光業回復のスピードを左右する大きな要因となっています。

    円安が加速させる「安・近・短」へのシフト

    日本人旅行者にとって、現在の海外旅行は「円安」という大きな壁に直面しています。1ドル150円台が常態化し、欧米への旅行はホテル代や食事代、ショッピングなどあらゆる面で割高感が否めません。

    この状況に追い打ちをかけているのが、高止まりする航空運賃と燃油サーチャージです。これらのコスト増は、旅行予算全体を圧迫し、特に長距離路線への心理的なハードルを高くしています。

    こうした背景から、日本人旅行者の関心は、フライト時間が短く、比較的物価が安いアジア諸国へと強く向かっています。特に、美しいビーチや活気ある街並みを持ちながらも滞在費を抑えられるベトナムやフィリピンといった国々が、新たな人気デスティネーションとして注目を集めているのです。かつての「遠くへ、長く」というスタイルから、「安く、近く、短く」という、より賢くコストを意識した旅のスタイルへのシフトが鮮明になっています。

    今後の展望と旅行計画への影響

    この状況を受けて、東南アジア各国の政府観光局は戦略の見直しを迫られています。中国人観光客への依存から脱却し、インドや中東、そして回復基調にある欧米市場など、新たな旅行者層をターゲットにしたプロモーションを強化する動きが加速するでしょう。

    また、日本人旅行者に対しては、円安を逆手にとった「お得感」や「コストパフォーマンスの良さ」をアピールするキャンペーンが増えることが予想されます。

    私たち旅行者にとっては、今後ますますデスティネーション選びが重要になります。旅行先の物価や為替レートを事前にしっかりとリサーチし、自分の旅のスタイルや予算に合った国を選ぶことが、満足度の高い旅を実現する鍵となるでしょう。航空券のセール情報をこまめにチェックしたり、LCCをうまく活用したりと、コストを抑える工夫もこれまで以上に求められそうです。

    世界の経済状況と連動して、旅の形も変わり続けています。最新の情報をキャッチしながら、自分にとってベストな次の旅を計画してみてはいかがでしょうか。

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    この記事を書いた人

    目次