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    ロシア人海外旅行支出が過去最高へ!地政学的緊張下で見せる驚異の回復力とその裏側

    ロシア中央銀行が発表した最新データが、世界の旅行業界に新たな動向を示しています。2025年、ロシア人による海外旅行への支出が497億ドル(約7.8兆円)に達する見込みであることが明らかになりました。これは、過去最高記録である2014年の504億ドルに肉薄する水準です。

    地政学的な緊張が続く中、なぜ今、ロシア人の海外旅行がこれほどまでに活況を呈しているのでしょうか。その背景と、今後の旅行業界への影響を深掘りします。

    目次

    支出急増の背景にある「ルーブル高」と「航空網の再編」

    今回の海外旅行支出の急増には、主に2つの要因が影響しています。

    一つ目は「ルーブル高」です。通貨価値の上昇により、ロシア国民の海外における購買力が高まり、海外旅行がより手頃になりました。同じ予算でも、より多くのサービスや商品を購入できるようになったことが、支出額を押し上げる大きな要因となっています。

    二つ目は「航空便の接続改善」です。欧米諸国からの制裁により、ヨーロッパへの直行便は大幅に減少しましたが、その一方で中東やアジアの航空会社がロシアとの路線を維持・拡大しています。これにより、乗り継ぎ便を利用した海外渡航の選択肢が増え、旅行へのハードルが下がりました。

    人気の渡航先は中東・アジアへシフト

    現在のロシア人観光客に人気の旅行先として、特にトルコ、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプト、そして中国が挙げられています。これらの国々は、ビザの要件が比較的緩やかであることや、ロシアとの友好関係を維持していることが、旅行先として選ばれる大きな理由です。

    特にトルコやUAEのドバイは、ロシアからの直行便も多く、リゾート地としてだけでなく、ヨーロッパなど他地域への乗り継ぎハブとしても機能しています。

    海外とは対照的、伸び悩む国内旅行

    旺盛な海外旅行需要とは対照的に、ロシア国内の旅行需要は鈍化傾向にあります。これは、国内の航空運賃やホテルの宿泊費が高騰していることが原因です。海外旅行の方がコストパフォーマンスが高いと感じる層が増え、国内から海外へと旅行者の足が向かっている状況がうかがえます。

    ロシア経済と世界の旅行業界への影響

    この活発な海外旅行は、ロシア経済全体にも影響を与えています。海外での支出が増えることは、ロシアのサービス収支の赤字を拡大させる一因となります。つまり、国内で使われるはずだったお金が海外に流出していることを意味し、これは国際収支全体にも影響を及ぼす可能性があります。

    一方で、世界の旅行業界にとっては大きなビジネスチャンスとなります。特に、ロシア人観光客を積極的に受け入れているトルコやUAE、タイなどの国々にとっては、観光収入の大きな柱となり得ます。今後、さらに多くの国がロシア人観光客の誘致に力を入れる可能性も考えられます。

    この動向は、地政学的な緊張が続く中でも、人々の「旅をしたい」という根源的な欲求がいかに強いかを示しています。ロシア人の旅行動向は、今後の世界の観光市場の行方を占う上で、引き続き注目すべき重要な指標となるでしょう。

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