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    OTA経由の体験予約が過去最高を記録、直接予約は減少傾向に

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    旅行体験の予約方法に大きな変化の波

    旅行の計画を立てる際、ツアーやアクティビティをどこで予約しますか?近年、その予約方法に大きな地殻変動が起きています。旅行業界の調査会社Arivalが発表した最新のレポートによると、ツアーやアクティビティといった「体験型旅行」の予約において、オンライン旅行会社(OTA)経由の割合が過去最高を記録する一方、事業者のウェブサイトなどからの直接予約は減少していることが明らかになりました。

    この変化は、デジタルマーケティング環境の厳しさや、AIによる検索技術の進化が背景にあり、旅行業界の未来を占う上で重要なトレンドと言えるでしょう。

    データで見る予約トレンドのシフト

    レポートで示された具体的な数値は、このトレンドを明確に物語っています。

    OTA経由予約の躍進

    Arivalの予測によると、OTAを経由した体験型旅行の予約が占める割合は、2024年の33%から、2025年には37%へと上昇し、過去最高を更新する見込みです。旅行者は、多様な選択肢を一覧で比較でき、予約から決済までがスムーズなOTAの利便性をますます重視するようになっています。

    直接予約の苦戦

    その一方で、事業者が運営する自社ウェブサイトなどを通じた直接予約の割合は、2024年の29%から2025年には25%へと減少すると予測されています。これは、事業者が自力で顧客にリーチし、予約を獲得することがより困難になっている現状を浮き彫りにしています。

    なぜOTAへの依存が高まるのか?その背景

    この予約チャネルのシフトは、単なる消費者の好みだけが原因ではありません。事業者を取り巻く環境の変化が大きく影響しています。

    高騰するデジタルマーケティングコスト

    中小規模のツアーやアクティビティ事業者が、自社のウェブサイトへ顧客を呼び込むためには、GoogleやSNSでの広告が不可欠です。しかし、これらのデジタル広告費用は年々高騰しており、巨大なマーケティング予算を持つOTAと競争するのは容易ではありません。限られた予算の中で効果的な集客を行うハードルが、かつてなく高まっています。

    AI検索の登場と検索行動の変化

    Googleが導入を進めるSGE(Search Generative Experience)のような生成AIを活用した検索機能も、この流れを加速させる一因です。AIがユーザーの質問に対して要約された回答を直接提示するため、ユーザーは個別のウェブサイトを訪問することなく情報を得られるようになります。これにより、事業者サイトへの直接的なトラフィックが減少し、結果としてOTAのようなプラットフォーム上での可視性がより重要になってくるのです。

    今後の予測と旅行業界への影響

    このトレンドは、旅行事業者と旅行者の双方に大きな影響を与えると考えられます。

    事業者側の課題と戦略

    OTAへの依存度が高まることで、事業者は集客をOTAに頼る形となりますが、その代償として支払う手数料が利益を圧迫する可能性があります。また、顧客との直接的な接点が失われることで、リピーターの育成やブランド独自のファンコミュニティ形成が難しくなるという課題も生まれます。

    今後は、OTAを活用しつつも、SNSでの情報発信強化や、リピーター向けの特典プログラム導入など、顧客と直接繋がるための独自の戦略を構築することが、事業の持続的な成長の鍵となるでしょう。

    旅行者への影響

    旅行者にとっては、OTAを利用することで多様な体験を手軽に比較・予約できるというメリットがあります。しかし、一方で、プラットフォーム上での競争が激化することで、ユニークではあるもののマーケティング力の弱い小規模事業者の魅力的な体験が見つけにくくなる可能性も否定できません。予約の選択肢が大手OTAに集約されることで、旅行体験の多様性が損なわれる懸念も指摘されています。

    今回のレポートが示すのは、旅行体験の予約市場が大きな転換期を迎えているという事実です。テクノロジーの進化と市場の変化の中で、事業者と旅行者がどのように適応していくのか、今後の動向から目が離せません。

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