MENU

    マリオット、北米で新ブランド「シティ・エクスプレス」を急拡大。100軒の契約締結で旅行者の選択肢はどう変わる?

    世界最大のホテルチェーン、マリオット・インターナショナルが、中価格帯の新ブランド「シティ・エクスプレス by Marriott」を北米市場で急速に拡大する計画を発表しました。米国とカナダで新たに100軒のホテル契約を締結したこの動きは、今後の旅行のあり方やホテル業界の勢力図に大きな影響を与える可能性があります。

    目次

    100軒の大型契約、その背景にあるマリオットの戦略

    マリオットの発表によると、今回の契約により北米全域で「シティ・エクスプレス」ブランドのホテルが大幅に増加します。すでに2025年中には6軒が開業しており、年末までにはさらに4軒がオープンする予定です。このスピーディーな展開は、マリオットがこの市場セグメントにいかに注力しているかを示しています。

    ラテンアメリカでの成功を北米へ

    「シティ・エクスプレス」は、もともとメキシコを中心に展開していたホテルブランドです。マリオットは2023年にこの「Hoteles City Express」を買収し、自社のポートフォリオに加えました。ラテンアメリカ市場で約150軒のホテルを展開し、手頃な価格とモダンで機能的なサービスで高い評価を得てきた実績が、北米市場での成功への自信につながっています。

    このブランドは、華美な装飾や過剰なサービスを省き、清潔で快適な客室、無料Wi-Fi、シンプルな朝食など、現代の旅行者が必要とするものを効率的に提供することに重点を置いています。この「価値重視」のアプローチが、現在の市場のニーズと合致しているのです。

    なぜ今、中価格帯ホテルなのか?

    マリオットがこのタイミングで中価格帯市場に大きく舵を切ったのには、明確な理由があります。

    変化する旅行者の価値観

    世界的なインフレや経済の先行き不透明感から、多くの旅行者はコストパフォーマンスを重視する傾向にあります。豪華さよりも、信頼できる品質と手頃な価格を両立させた宿泊施設を求める声が高まっています。特にビジネス出張や、観光地をアクティブに楽しみたいレジャー旅行者にとって、中価格帯ホテルは非常に魅力的な選択肢です。

    マリオットのポートフォリオ強化

    マリオットは「ザ・リッツ・カールトン」のようなラグジュアリーブランドから、「モクシー」のようなライフスタイルブランドまで、30以上の多様なブランドを展開しています。しかし、この中価格帯セグメントは、競合のヒルトン(「Tru by Hilton」など)やIHG(「avid hotels」など)が先行しており、マリオットにとってはさらなる強化が必要な領域でした。今回の「シティ・エクスプレス」の大量展開は、あらゆる層の顧客を囲い込むための戦略的な一手と言えます。

    旅行者とホテル業界への影響予測

    この大規模な展開は、私たち旅行者とホテル業界全体にどのような影響をもたらすのでしょうか。

    旅行者にもたらされる新たな選択肢

    • 手頃な価格でのマリオット品質

    最も大きなメリットは、手頃な価格でマリオット・ブランドが保証する一定の品質とサービスを受けられるホテルが増えることです。特に、フロリダ州オーランド近郊のキシミーや、ワシントン・ダレス国際空港周辺といった、レジャー・ビジネス両面で需要の高いエリアに展開されるため、利便性も高まります。

    • Marriott Bonvoyポイントの活用

    「シティ・エクスプレス」は、マリオットのロイヤルティプログラム「Marriott Bonvoy」の対象となります。これにより、宿泊でポイントを貯めたり、貯まったポイントで無料宿泊したりすることが可能になります。世界中に1億人以上の会員を持つBonvoyユーザーにとって、これは非常に大きな魅力です。

    激化するホテル業界の競争

    マリオットの本格参入により、北米の中価格帯ホテル市場の競争は一層激しくなることが予想されます。他のホテルチェーンも、サービスの向上や新たなブランド開発で対抗してくる可能性があります。この競争は、結果的にサービスの質の向上や価格の安定につながり、旅行者にとっては歓迎すべき状況となるでしょう。

    今回の発表は、単にホテルの数が増えるというニュースに留まりません。変化する社会のニーズを捉え、巨大ホテル企業が戦略的に市場を開拓していくダイナミズムを示すものです。今後、北米を訪れる際のホテル選びにおいて、「シティ・エクスプレス by Marriott」が新たなスタンダードの一つとなる日も近いかもしれません。

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    この記事を書いた人

    目次