2028年に開催されるロサンゼルス・オリンピックおよびパラリンピックに向け、玄関口となるロサンゼルス国際空港（LAX）で大規模な近代化プロジェクトが進行しています。その一環として、LAXのターミナル5が全面的なリニューアル工事のため、一時的に閉鎖されることが発表されました。この計画は、世界中から訪れる旅行者を迎えるための準備であり、LAXの未来を形作る重要なステップとなります。
ターミナル5閉鎖とリニューアルの概要
ロサンゼルス・ワールド・エアポーツ（LAWA）が発表した計画によると、ターミナル5は今後数年間にわたり閉鎖され、施設の抜本的な改修が行われます。再オープンの具体的な日付は未定ですが、2028年のオリンピック開催までには完了する見込みです。
現在、ターミナル5は主にジェットブルー航空、スピリット航空、およびアメリカン航空の一部の国内線が利用しています。閉鎖期間中、これらの航空会社は他のターミナルへ一時的に移転することになります。旅行者は、LAXを利用する際に、自身のフライトがどのターミナルから出発・到着するのか、事前に航空会社の情報を必ず確認する必要があります。
今回のリニューアルでは、主に以下の点が刷新される予定です。
- チェックインロビーと手荷物システムの刷新: よりスムーズで効率的なチェックインプロセスを実現するため、最新の自動チェックイン機や自動手荷物預け機が導入されます。
- 保安検査場の拡張と最新技術の導入: 待ち時間を短縮し、セキュリティを強化するため、保安検査レーンが増設され、最新鋭のスクリーニング技術が導入されます。
- 搭乗ゲートエリアの近代化: 充電ポートの増設、快適な座席の設置、Wi-Fi環境の向上など、利用者の快適性を高めるための改修が行われます。
- 商業施設とダイニングエリアの拡充: ロサンゼルスの魅力を感じられるレストランやショップが新たにオープンし、待ち時間をより楽しめる空間へと生まれ変わります。
背景にあるLAX全体の巨大プロジェクト
今回のターミナル5の改修は、単独の計画ではありません。LAXでは現在、総額数十億ドル規模の「空港近代化プログラム（LAMP）」が進行中です。このプログラムは、2028年のオリンピック開催を見据え、空港全体の旅客体験を向上させることを目的としています。
パンデミック前の2019年には年間約8,810万人が利用した世界有数のハブ空港であるLAXは、施設の老朽化や混雑が長年の課題でした。LAMPの主なプロジェクトには、以下のようなものがあります。
- Automated People Mover (APM): 各ターミナル、駐車場、レンタカー施設、そして公共交通機関の駅を結ぶ新交通システム。完成すれば、空港内の移動が劇的にスムーズになります。
- トム・ブラッドレー国際ターミナルの拡張: 国際線の主要拠点である同ターミナルでは、新たな搭乗ゲートや施設の改修が進められています。
- 各ターミナルのコネクター（連絡通路）建設: 保安検査後もターミナル間を自由に移動できるようになり、乗り継ぎの利便性が大幅に向上します。
ターミナル5のリニューアルは、この巨大なパズルを完成させるための重要なピースの一つと言えるでしょう。
旅行者への影響と今後の展望
短期的な影響
ターミナル5の閉鎖に伴い、短期的にはいくつかの影響が予測されます。
- 航空会社のターミナル変更に伴う混乱: ジェットブルー航空やスピリット航空を利用する乗客は、一時的に不慣れなターミナルを利用することになります。特に乗り継ぎがある場合は、移動時間や経路を事前に確認しておくことが重要です。
- 周辺道路や他のターミナルの混雑: 工事車両の出入りや、旅客が他のターミナルに集中することで、空港内の混雑が一時的に増加する可能性があります。
長期的な展望
一方で、このリニューアルが完了すれば、旅行者にとってのメリットは計り知れません。新しく生まれ変わるターミナル5は、最新の設備と快適な空間を提供し、LAXでの体験をより良いものへと変えてくれるはずです。
2028年のオリンピック開催時、LAXは世界中から訪れる数十万人の選手、関係者、観客を迎えることになります。この大規模なインフラ投資は、彼らに最高の「第一印象」を与え、スムーズで安全な旅を約束するためのものです。
一時的な不便は伴いますが、今回のリニューアルはロサンゼルス国際空港が世界トップクラスの「未来の空港」へと進化するための重要なプロセスです。LAXの変革に引き続き注目していきましょう。
