モバイルバッテリーの機内持ち込み・利用基準が国際的に厳格化されています。
相次ぐ持ち込みルールの厳格化と変更点
旅行者の必需品となっているモバイルバッテリー(ポータブル電源)に関して、国際航空各社による機内持ち込みおよび利用基準のアップデートが相次いで発表されています。
カタール航空などが新たに明示した安全規定改定や、日本の国土交通省が2026年4月24日付で行った告示改正など、機内での安全管理を徹底するための措置が世界的に進行しています。各社・各機関の発表により強化された主な規定は以下の通りです。
- 預け入れ手荷物への収納禁止(従来からの継続・徹底)
- 持ち込み数の制限強化(カタール航空等の規定では容量100Wh以下・1人2個まで)
- 巡航中のモバイルバッテリー本体への充電全面禁止
- 巡航中のモバイルバッテリーからスマートフォン等電子機器への給電全面禁止
- ショート(短絡)事故防止のための端子絶縁保護(保護テープの貼付や専用収納袋の使用)の義務付け
規制強化の背景にある国際基準の改定
このような規定の厳格化の背景には、リチウムイオン電池に起因する熱暴走や発火トラブルが世界的に増加しているという実態があります。
上空でモバイルバッテリーが発火した場合、消火が困難であり重大な航空事故に直結する恐れがあります。そのため、国際民間航空機関(ICAO)による国際基準の緊急改訂が行われました。特にバッテリーの使用時(充電および給電時)は発熱しやすいため、機内での使用そのものを禁止し、異常発生時に即座に対応できるよう頭上の荷物棚ではなく手元で保管することが強く求められています。これらの規定は航空法等の法令に基づいており、違反した場合は罰則が科される可能性もあります。
予測される旅行者への影響と今後の対策
今回の規定更新は、長距離フライトにおける旅行者の過ごし方に直接的な影響を与えます。機内で自身のモバイルバッテリーを使ってスマートフォンやタブレットを充電することができなくなるため、搭乗前に端末本体を100%までフル充電しておくことが必須となります。
機内に備え付けられたUSBポートやコンセントを利用して端末を直接充電することは引き続き可能ですが、LCC(格安航空会社)や一部の旧型機材では座席に電源設備がない場合も少なくありません。これにより、今後は以下のような変化が予測されます。
- 空港の搭乗ゲート付近やラウンジにおける充電スポットの需要集中
- フライト予約時における「全席コンセント・USBポート完備」といった機内設備の重要視
- 絶縁テープや専用の絶縁ポーチといったパッキング用品の需要増加
空港の保安検査場や搭乗ゲートで規定違反が発覚した場合、バッテリーの没収や搭乗の遅れに繋がります。旅行者はこれまで以上に、利用する航空会社の最新規定(ワット時定格量や個数制限)を事前に確認し、スムーズで安全な空の旅に向けた準備を行うことが求められます。

