2026年、航空業界の利益は過去最高に
国際航空運送協会(IATA)は、世界の航空業界が困難を乗り越え、力強い成長を遂げるという明るい見通しを発表しました。2025年12月9日に発表された最新の予測によると、2026年の業界全体の純利益は過去最高となる410億ドル(約6兆円超)に達する見込みです。これは、2025年の予測値である395億ドルからさらに増加する数字であり、航空旅行の未来に期待を抱かせるものです。
この好調な予測の背景には、依然として根強い世界的な旅行需要があります。一方で、航空機メーカーの納入遅延といった供給面での課題も続いており、業界は複雑な状況に置かれています。
好調を支える旺盛な旅行需要
コロナ禍を経て、私たちの旅行への情熱は衰えるどころか、さらに強まっています。この「リベンジ旅行」とも言える旺盛な需要が、航空業界の収益を力強く押し上げる最大の原動力となっています。
IATAのウィリー・ウォルシュ事務局長は、「業界は衝撃を吸収する回復力を構築しており、それが安定した収益性につながっている」とコメントしています。パンデミックという未曾有の危機を乗り越えた航空各社が、着実に体力を回復させている様子がうかがえます。
課題は山積み:サプライチェーンと見えないリスク
しかし、すべてが順風満帆というわけではありません。航空業界はいくつかの大きな課題に直面しています。
航空機の納入遅延
現在、多くの航空会社が新しい航空機の発注をしていますが、ボーイングやエアバスといった大手メーカーの生産が追いつかず、納入が大幅に遅れています。このサプライチェーンの問題は、航空会社が計画通りに路線を拡大したり、燃費の良い新型機に切り替えたりすることを難しくしています。供給が需要に追いつかない状況は、当面続くと見られています。
横ばいの利益率と外部リスク
業界全体の利益額は過去最高を記録する見込みですが、売上高に対する純利益の割合を示す「純利益率」は3.9%と、2025年から横ばいになる予測です。これは、燃料費の高騰や人件費の上昇といったコスト圧力が高まっていることを示唆しています。
さらに、地政学的な紛争や各国の規制強化といった予測不可能なリスクも依然として存在し、業界の安定性を脅かす要因となり得ます。
旅行者への影響:航空券の価格とフライトの選択肢はどうなる?
この業界の動向は、私たちの旅行計画にどのような影響を与えるのでしょうか。
- 航空券の価格
旺盛な需要と航空機の供給不足が続く限り、航空券の価格が大幅に下がることは考えにくいかもしれません。特に人気の路線やシーズンでは、価格が高止まりする可能性があります。しかし、航空会社間の競争は続いているため、安定した価格帯で推移することも期待されます。
- フライトの選択肢
新しい航空機の導入が遅れることで、新規路線の開設や増便のペースが緩やかになる可能性があります。旅行先の選択肢やフライトのスケジュールを組む際には、少し早めに計画を立てることが賢明かもしれません。
- サービスの多様化
航空会社は収益性を高めるため、座席指定、追加手荷物、機内食のアップグレードといった付帯サービス(アンシラリーサービス)をさらに充実させていくでしょう。旅行者は自分のニーズに合わせてサービスを柔軟に選べるようになりますが、基本的な運賃に含まれるサービス内容は注意深く確認する必要があります。
まとめ
航空業界が過去最高の利益を見込むというニュースは、世界中の人々が再び空の旅を楽しんでいる証であり、旅行者にとっては喜ばしい兆候です。業界が回復力を示していることは、今後の安定した運航への期待につながります。
一方で、航空機の供給問題やさまざまな外部リスクは、航空券の価格やサービスのあり方に影響を与え続けるでしょう。私たち旅行者は、こうした業界の動向を理解し、賢く情報を収集しながら、次の旅を計画していくことが大切になります。

