MENU

    世界のホテル業界、OTA経由予約の回復傾向—主要都市で稼働率上昇と業界再編の動き

    パンデミックを経て、世界の旅行需要は力強い回復を見せています。特にホテル業界では、オンライン・トラベル・エージェント(OTA)を経由した予約が回復を牽引しており、主要都市のホテル稼働率はパンデミック前の水準に迫る勢いです。本記事では、最新のデータと共にホテル業界の現状を深掘りし、背景にある要因、そして今後の業界動向と旅行者への影響を解説します。

    目次

    データが示すホテル業界の力強い回復

    世界的な旅行データ分析会社STRによると、2023年の世界のホテル稼働率はパンデミック前の2019年比で95%以上の水準まで回復しました。特に観光地として人気の高い都市では、この傾向が顕著です。

    • 中東: ドバイなどの主要都市では、稼働率が75%を超え、パンデミック前を上回る活況を見せています。
    • ヨーロッパ: パリやローマなどの観光都市では、レジャー需要に牽引され、平均客室単価(ADR)と共に稼働率も高水準で推移しています。
    • アジア太平洋: 日本や東南アジア諸国へのインバウンド観光客の急増により、東京やシンガポール、バンコクといった都市のホテル稼働率も急速に回復しています。2024年には、多くの都市で2019年の水準を超えることが予測されています。

    この回復の大きな原動力となっているのが、Booking.comやExpedia、AgodaといったOTAの存在です。

    OTAが予約回復を牽引する背景

    パンデミック中にオンラインでの予約や情報収集が一般化したことで、旅行計画におけるOTAの重要性はさらに高まりました。旅行者は多様な宿泊施設を容易に比較・検討できる利便性を求めており、OTAはそのニーズに応えるプラットフォームとして機能しています。

    Phocuswrightの調査によれば、オンライン旅行予約市場におけるOTAのシェアは依然として高く、特に個人旅行(レジャー)においては、その影響力は絶大です。柔軟なキャンセルポリシーや独自のポイントプログラムも、旅行者がOTAを選ぶ要因となっています。

    一方で、ビジネス需要の回復はレジャーに比べて緩やかですが、出張と休暇を組み合わせた「ブリージャー」といった新しい旅行形態が生まれ、これもOTA経由の予約を後押ししています。

    加速するホテル業界の再編とOTAへの影響

    需要回復という明るいニュースの裏で、ホテル業界では生き残りをかけた再編の動きが活発化しています。

    ホテル側の戦略:ブランド多様化と直販強化

    大手ホテルチェーンは、M&Aや新ブランドの立ち上げを積極的に進めています。特に、手頃な価格帯の「セレクトサービスホテル」や、ユニークな体験を提供する「ライフスタイルホテル」のポートフォリオを強化する動きが目立ちます。これにより、多様化する旅行者のニーズを幅広く取り込む狙いがあります。

    同時に、多くのホテルはOTAへの手数料負担を軽減するため、自社サイトやアプリ経由の直接予約(ダイレクトブッキング)を強化しています。会員限定の割引や特典を用意することで、顧客の囲い込みを図っていますが、依然として新規顧客獲得におけるOTAへの依存度は高いのが現状です。

    OTA業界の競争と進化

    ホテル業界の動きは、OTA業界にも大きな影響を与えています。Booking HoldingsとExpedia Groupの2強体制は揺るぎませんが、Google Travelのような新たなプレイヤーも存在感を増しています。

    各OTAは、AIを活用したパーソナライゼーションの強化や、フライト・アクティビティ予約などを組み合わせた「コネクテッド・トリップ」の実現に注力し、顧客体験の向上を図っています。これにより、単なる予約サイトから総合的な旅行プラットフォームへと進化を遂げようとしています。

    今後の予測と旅行者への影響

    ホテル業界の回復と再編は、今後の旅行にどのような影響を与えるのでしょうか。

    宿泊料金の高止まりと予約の早期化

    旺盛な需要と世界的なインフレを背景に、ホテルの平均客室単価は多くの都市でパンデミック前を上回る水準にあります。この高止まり傾向は当面続くとみられており、旅行者にとっては、より計画的な予算管理と早期予約の重要性が増すでしょう。

    体験価値とサステナビリティへの注目

    価格だけでなく、「そこでしかできない体験」を求める旅行者が増えています。ホテル側もこれに応え、地域の文化と連携したアクティビティや、ウェルネスをテーマにしたプログラムなどを提供するようになっています。また、環境に配慮したサステナブルなホテルを選ぶ旅行者も増えており、これが新しいホテルのスタンダードになる可能性があります。

    テクノロジーがもたらす新しい宿泊体験

    AIによるレコメンド機能や、スマートフォンを使ったスマートキー、チャットボットによるコンシェルジュサービスなど、テクノロジーの活用はさらに進むでしょう。これにより、旅行者はよりシームレスでパーソナライズされた滞在を期待できるようになります。

    まとめ

    世界のホテル業界は、OTAを重要なパートナーとしながら、力強い回復軌道に乗っています。業界再編やテクノロジーの進化は、競争を促し、結果として旅行者に多様な選択肢と新しい価値を提供することに繋がります。変化の激しい時代だからこそ、最新の情報をキャッチし、自分に合った宿泊先を見つけることが、より豊かな旅の鍵となるでしょう。

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    この記事を書いた人

    目次