エクスペディア・グループは、B2B事業で宿泊流通エンジン「Rapid API」や旅行代理店向けプラットフォーム「Expedia TAAP」の機能拡張を進め、アクティ
エクスペディア・グループの最新B2B戦略と機能拡張の概要
エクスペディア・グループはB2B事業において、宿泊流通エンジン「Rapid API」エコシステムおよび旅行代理店向けプラットフォーム「Expedia TAAP」の機能拡張を発表した。今回のシステムアップデートにより、APIの処理性能向上や在庫精度の最適化が図られ、旅行代理店や外部プラットフォームでのホテル予約確定がより迅速化される。さらに、宿泊施設だけでなく現地のアクティビティ手配を包括するフル・トリップ型のプラットフォーム構想が前進しており、一部のテクノロジーパートナー向けに「Rapid Activities API」のベータ版公開が開始された。イギリス市場の一部エージェント向けには観光施設チケット予約のTiqetsの在庫を利用できるベータ版の運用も始まっており、2027年初頭に向けてさらなる利用パートナーの拡大が予定されている。
カンタス航空ロイヤルティ部門との戦略的提携
同社は、オーストラリアのカンタス航空のロイヤルティ部門との新たな戦略的提携を通じた、ホテル予約体験の刷新も発表した。この提携により、エクスペディアのエンドツーエンドの技術基盤が提供され、2027年以降に展開される「Qantas Hotels & Holidays」および「Jetstar Holidays」のプラットフォームが全面的に改修される。新しいシステムでは、ホテルのパッケージ予約に加え、航空会社独自のポイントプログラムとのシームレスな連動や、機械学習を用いたパーソナライズされた旅行提案機能が統合される予定である。これにより、自社以外の提携パートナー経由における宿泊予約基盤が急速に強化されることになる。
ホテル業界への影響と直販推進を巡る今後の予測
欧州をはじめとする各国のホテル業界では、オンライン旅行会社(OTA)への依存度を下げて直販を推進し、利益率を改善しようとする議論が長く続いている。その一方で、エクスペディアのような大手OTAは、自社の強力なシステムを他社に提供するB2B流通網の囲い込み戦略を推し進めている。自社開発による高度なシステム投資が難しい中規模の航空会社や旅行代理店が、こうした大手OTAのAPIを導入してサービスの拡充を図る動きは、今後さらに加速すると予測される。結果として、B2C市場でのOTA依存脱却を図る宿泊事業者も、間接的なB2B流通網を経由した予約シェアの増加という新たな現実に向き合う必要が生じている。旅行業界の基幹インフラを握ろうとする大手テクノロジー企業の動向は、今後の宿泊予約市場における力関係を大きく左右する重要な要素となる。

