エクスペディア・グループとカンタス航空は戦略的提携を発表し、カンタス・ホテルズ&ホリデーズなどの予約システムをエクスペディアのB2B基盤で刷新します。2027年上半期ローンチ予定の新プラットフォームは、AIと機械学習を活用し、航空券・宿泊・パッケージをパーソナライズされたシームレスな体験で提供。カンタスアプリとの連携も強化し、マイレージ利用もスムーズになるでしょう。この提携は、航空会社がOTAの技術基盤を活用する新たな業界モデルとして注目されます。
OTA大手と豪州最大手航空会社による戦略的テクノロジー提携
大手オンライン旅行会社(OTA)のエクスペディア・グループと、オーストラリアを代表するカンタス航空は、カンタス・ホテルズ&ホリデーズおよびジェットスター・ホリデーズの予約システムを根本から刷新するための戦略的提携を発表しました。この統合された新プラットフォームは、2027年上半期のローンチに向けてすでに開発とシステム連携の作業が進められています。
今回の提携において中核となるのは、エクスペディア・グループのB2B向け次世代基盤である「Composable Agentic Template」の採用です。これにより、カンタス航空は自社エコシステムを利用する数百万人の顧客に対し、航空券、宿泊施設、パッケージツアーの検索から予約、旅程管理までを一元化されたシームレスな環境で提供できるようになります。
AIと機械学習がもたらす次世代のデジタル予約体験
刷新される予約プラットフォームにおける最大の注目点は、最先端の機械学習テクノロジーを活用した高度なパーソナライズ機能です。顧客のニーズや過去の傾向をシステムが学習し、一人ひとりに最適な宿泊先やホリデーパッケージが自動的に推奨される仕組みが導入されます。
また、カンタス航空の公式モバイルアプリとの深い統合が図られることで、デジタルでのセルフサービス機能が大幅に向上します。旅行者は単一のインターフェース上で直感的に旅行の手配ができるだけでなく、カンタス・ポイントの獲得や利用といったマイレージプログラムとの連携もスムーズに行うことが可能です。さらに、プレミアムキャビンの座席予約や、提携パートナーによるコードシェア便とホテルを組み合わせた自由度の高いバンドル予約機能も実装される予定です。
予測される業界への影響と新たな提携モデルの未来
この戦略的提携は、OTAと航空会社の枠組みを超えた新たなビジネスモデルとして、旅行業界全体に大きな波及効果をもたらすと予測されています。
まず、ホテル事業者やツアー提供者にとっては、カンタスグループの強力なロイヤルティプログラムと顧客基盤を通じた新たな成長チャネルが開拓されることになります。AIによる精度の高いレコメンド機能を通じて、旅行者の購買意欲を的確に捉えた送客力の向上が期待されます。
さらに、航空会社が自前で複雑な旅行システムをゼロから構築するのではなく、エクスペディアのようなグローバルOTAの持つテクノロジー基盤と世界規模のインベントリ(在庫)をプラグインとして取り込む動きは、今後の業界トレンドになる可能性が高いといえます。カンタス航空は、エクスペディアの柔軟なB2Bテクノロジーを活用することでイノベーションのスピードを加速させ、長期的な成長戦略を支える強固な基盤を手に入れました。
2026年現在、旅行者のデジタル体験に対する要求はかつてなく高まっています。2027年上半期にこの次世代プラットフォームが稼働を開始すれば、予約から滞在に至るまでの旅行体験全体が劇的にスマート化され、世界の旅行業界におけるデジタルトランスフォーメーションの新たなベンチマークとなるでしょう。

