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    もう「エコ」に騙されない!欧州で宿泊施設の環境認証が本格化、グリーンウォッシング対策で旅行が変わる

    サステナブルな旅への関心が高まる中、欧州で旅行業界の透明性を大きく向上させる新たな動きが発表されました。サステナブルツーリズムを推進する非営利団体「トラバリスト(Travalyst)」が、欧州連合(EU)の新しい環境規制に対応するため、宿泊施設やオンライン旅行会社(OTA)向けの新しい環境認証プログラムを導入します。

    この動きは、見せかけだけの環境配慮、いわゆる「グリーンウォッシング」を排除し、私たち旅行者が本当に信頼できる情報に基づいて選択できる未来を目指すものです。

    目次

    なぜ今、このプログラムが必要なのか?

    蔓延する「グリーンウォッシング」の実態

    近年、多くのホテルや旅行サイトが「エコフレンドリー」「サステナブル」「グリーン」といった言葉を掲げるようになりました。しかし、その主張の多くに明確な根拠がないことが問題視されていました。

    実際に、欧州委員会が2020年に行った調査によると、EU域内の企業がオンラインで掲げる環境に関する主張のうち、実に53.3%が曖昧、誤解を招く、または根拠がないものであり、40%に至っては全く裏付けがなかったことが明らかになっています。

    このような状況は、真摯に環境対策に取り組む事業者の努力を埋もれさせ、消費者に混乱と不信感を与える「グリーンウォッシング」の温床となっていました。

    EUによる規制強化の動き

    この問題に対し、EUは「グリーン・クレーム指令案(Green Claims Directive)」を提出するなど、規制強化に乗り出しています。この指令は、企業が環境に関する主張を行う際に、科学的根拠に基づいた証明を義務付けるものです。

    トラバリストの新しい認証プログラムは、このEUの厳格な方針に準拠し、旅行業界に特化した基準を設けることで、業界全体のコンプライアンスと信頼性を確保する目的があります。

    新認証プログラムがもたらす変化

    トラバリストが発表した新プログラムは、宿泊施設が掲げる環境への配慮(省エネ、廃棄物削減、水質保全など)が、信頼できる第三者機関によって検証され、科学的根拠に基づいているかを厳格に審査します。

    認証された宿泊施設の情報は、Booking.comやTripadvisorといった大手OTAサイト上で統一された基準で表示されるようになります。これにより、旅行者は乱立する「エコ」ラベルに惑わされることなく、客観的なデータに基づいて宿泊施設を比較・選択できるようになります。

    トラバリストには、サセックス公爵ヘンリー王子が設立に関わり、Booking.com、Skyscanner、Trip.com、Tripadvisor、Visaといった業界の主要プレーヤーが参画しており、このプログラムが業界標準となる可能性は非常に高いと言えるでしょう。

    私たちの旅はどう変わる?未来への影響と予測

    この新しい認証制度は、旅行者、宿泊施設、そして業界全体に大きな影響を与えることが予測されます。

    旅行者にとってのメリット

    これからは、OTAサイトで「サステナブル」と表示されているホテルが、信頼できる基準をクリアしていることが保証されます。これにより、自分の価値観に合った、本当に環境に貢献できる旅の選択が容易になります。曖昧な表現に騙されることなく、安心して「地球に優しい旅」を計画できる時代が訪れるでしょう。

    宿泊施設・OTAへの影響

    真剣にサステナビリティに取り組んできた宿泊施設にとっては、その努力が正当に評価され、競争上の優位性につながります。一方で、根拠なく「エコ」を謳っていた施設は、その表示を取り下げるか、具体的な対策を講じる必要に迫られます。OTAはプラットフォーム全体の信頼性を高めることができ、長期的な顧客満足度の向上に繋がります。

    旅行業界の未来

    欧州から始まるこの動きは、いずれ世界標準となる可能性があります。業界全体の透明性が向上し、サステナビリティが旅行における「当たり前」の基準となるでしょう。これにより、観光がもたらす環境負荷を低減し、持続可能な観光地の発展を後押しする大きな一歩となることが期待されます。

    今回の発表は、単なる新しい認証制度の誕生ではありません。旅行業界が「見せかけ」から「本質」へと移行する、重要な転換点と言えるでしょう。私たち旅行者も、こうした変化に関心を持ち、賢い選択を重ねていくことが、より良い旅の未来を創ることに繋がります。

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