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    欧州主要航空20社に「グリーンウォッシュ」警告。旅行の未来を変える環境表示の新基準とは?

    海外旅行の計画を立てる際、航空会社のウェブサイトで「環境にやさしいフライト」「CO2排出量をオフセット」といった言葉を目にしたことはありませんか?環境への配慮は今や旅の重要なテーマの一つですが、その宣伝文句が実態を伴っているかどうかが、今、欧州で厳しく問われています。

    2024年4月、欧州委員会と各国の消費者保護当局(CPC)は、エールフランス、KLM、ルフトハンザ、ライアンエアーなど欧州の主要航空会社20社に対し、環境に配慮しているかのように誤解させる広告、いわゆる「グリーンウォッシュ」の慣行を是正するよう、共同で要請しました。この動きは、私たちの航空券の選び方、そして旅行業界の未来に大きな影響を与える可能性があります。

    目次

    何が問題?曖昧な「環境配慮」の主張

    今回、当局が問題視したのは、多くの航空会社が用いてきた曖昧で科学的根拠に乏しい環境に関する主張です。具体的には、以下のような点が指摘されています。

    • 根拠の不明確な「グリーン」アピール: 「グリーン」「持続可能」「環境にやさしい」といった言葉を、具体的な証拠なしに使用しているケース。
    • 誤解を招く「CO2オフセット」: 乗客が追加料金を支払うことでフライトのCO2排出量を相殺(オフセット)できると謳っているものの、そのオフセット措置が実際に環境にどれほどの効果があるのか、科学的根拠が明確に示されていない。
    • 誇張されたSAF(持続可能な航空燃料)の利用: SAFの利用を大々的に宣伝している一方で、実際の使用率は航空燃料全体のごく一部に過ぎないという現実。国際航空運送協会(IATA)によると、2023年の世界のジェット燃料需要に対し、SAFの供給量はわずか0.2%程度に留まっています。

    これらの主張は、消費者が「この航空会社を選べば環境に貢献できる」と誤認する原因となり、公正な市場競争を妨げる可能性があるとして、EUの「不公正な商業慣行に関する指令」に基づき、是正が求められました。

    なぜ今?規制強化の背景にある航空業界の現実

    この動きの背景には、無視できない航空業界の環境負荷と、高まる社会の環境意識があります。

    国際エネルギー機関(IEA)の報告によると、航空業界は世界のエネルギー関連CO2排出量の約2%を占めています。パンデミックからの回復に伴い航空需要が急増する中で、その環境負荷をどう低減していくかは業界全体の喫緊の課題です。

    一方で、旅行者自身の環境意識も大きく変化しています。多くの人々が、自身の旅行が環境に与える影響を考慮し、よりサステナブルな選択をしたいと考えるようになりました。こうした消費者の善意につけ込むかのようなグリーンウォッシュが横行することは、業界全体の信頼を損ないかねません。

    今回の措置は、2023年に欧州消費者機構(BEUC)が17の航空会社をグリーンウォッシュの疑いで告発したことに端を発しており、EU全体で企業の環境に関する主張の透明性を高めようとする大きな流れの一環と言えます。

    旅行者と業界への影響:これから航空券の選び方が変わる

    今回の規制強化は、私たち旅行者と航空・旅行業界にどのような変化をもたらすのでしょうか。

    旅行者への影響

    今後は、航空券を予約する際に表示される環境情報が、より正確で信頼性の高いものになることが期待されます。

    • CO2排出量の明確化: フライトごとのCO2排出量の算出根拠がより明確になり、旅行者が客観的なデータに基づいてフライトを比較検討できるようになる可能性があります。
    • 安易な環境アピールへの警戒: 「グリーン」という言葉だけに惑わされず、SAFの具体的な混合比率や、オフセットプログラムの詳細など、裏付けとなる情報を確認する視点が重要になります。
    • 新しい選択基準: 航空券選びにおいて、価格やスケジュールに加え、「信頼できる環境への取り組み」が新たな比較軸として加わることになるでしょう。

    航空・旅行業界への影響

    航空会社は、マーケティング戦略の根本的な見直しを迫られます。

    • 透明性の確保: 曖昧な表現を避け、自社の環境対策について具体的かつ検証可能なデータを用いて説明責任を果たすことが求められます。
    • 実質的な投資の加速: 広告戦略だけでなく、燃費効率の良い最新機材への更新や、SAFの調達・開発への投資といった、実質的な環境負荷削減への取り組みがこれまで以上に重要視されます。
    • 旅行サイトの役割: 私たちArigatripのような旅行サイトも、航空会社の環境情報をどのように表示し、ユーザーに分かりやすく伝えていくか、その役割が問われることになります。

    まとめ:透明性が鍵となるサステナブルな旅の未来

    欧州で始まったこの動きは、単なる広告表現の規制に留まりません。それは、航空業界全体に対して「透明性」という重い扉を開くよう迫るものであり、真に持続可能な旅行への移行を促すための重要な一歩です。

    これからの旅は、航空会社が提供する情報をうのみにするのではなく、私たち旅行者一人ひとりが正しい情報リテラシーを持ち、賢く選択していくことが求められます。信頼できる情報に基づいた選択が、空の旅の未来をより良い方向へと導いていくはずです。

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