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    オーストラリア、長年親しまれた紙の入国カードを廃止し「デジタル渡航申告」へ完全移行へ

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    オーストラリアは、旅行者の負担となっていた紙の入国カードを廃止し、2027年末までに「デジタル渡航申告(ATD)」を全国導入します。

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    ニュースの概要

    オーストラリア政府は、数十年にわたって使用されてきたオレンジ色の紙の入国旅客カードを完全に廃止し、「デジタル渡航申告(Australia Travel Declaration = ATD)」を全国的に導入すると発表しました。政府は今後4年間で5,610万豪ドルの予算を投じ、デジタルファーストな国境管理体制へと移行します。この新システムは今後12〜18ヶ月をかけて段階的に導入され、2027年末までにオーストラリア全土のすべての国際空港および海港で完全運用が開始される予定です。

    導入の背景とこれまでの経緯

    オーストラリアにおける紙の入国カードは長年旅行者の負担となっており、2024年にオーストラリア商工会議所(ACCI)が発表した報告書では「時代遅れのシステム」として指摘されていました。同報告書では、出入国管理システムの近代化により、オーストラリア経済全体で最大500億豪ドルの追加効果をもたらす可能性があると推算されていました。

    これを受け、政府とカンタス航空は2024年10月より、シドニー、メルボルン、ブリスベンに到着する対象便でデジタル渡航申告のパイロット版を導入し、これまでに45万人以上の乗客を対象に実証実験を行ってきました。このトライアルの成功を受け、今年である2026年末までにパースやアデレードの空港へ対象を拡大し、その後の全国展開へと繋げる方針が固まりました。

    デジタル渡航申告(ATD)の利用方法とメリット

    新たなデジタル渡航申告システムにより、旅行者は出発の最大72時間前までに、スマートフォンやパソコンを通じてオンラインで必要事項を申告できるようになります。現在はウェブフォームからの入力が主体ですが、将来的には専用アプリへの統合など、業界と連携したさらなる利便性向上が見込まれています。

    この変更がもたらすメリットは多岐にわたります。 機内でペンを探したり、暗い客室内でフライト番号や滞在先住所を調べながら小さな紙に記入したりするストレスが完全に解消されます。事前に情報を送信できるため、到着後の入国審査や税関での処理時間が大幅に短縮され、空港でのボトルネック緩和に直結します。 また、国境管理当局にとっても、渡航者が到着する前にセキュリティや検疫に関するリスクを事前評価できるため、国境警備の効率化と安全性の向上が図れます。

    今後の予測と旅行業界への影響

    オーストラリア政府のトニー・バーク内務相やドン・ファレル貿易・観光相は、このシステムが入国プロセスの煩雑さを取り除き、観光客や旅行業界双方にとって大きなメリットをもたらすと強調しています。

    シンガポール、イギリス、日本、ニュージーランドなどの主要国がすでにデジタル到着システムを導入しているなか、今回の完全移行によりオーストラリアの入国体験も最新の国際水準に追いつくことになります。今後は対象となる航空会社のさらなる拡大が進むと予測されます。 また、入国手続きの完全デジタル化と並行して、パスポートレスでの顔認証による入国審査など、次世代のスマートボーダー構想がさらに加速し、よりシームレスで快適な国際旅行が実現していくことが期待されています。

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