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    エア・トランザット、パイロットがストライキ承認投票で圧倒的賛成 – カナダ旅行への影響は?

    カナダのレジャー航空会社、エア・トランザットのパイロットが、労使交渉が決裂した場合のストライキ実施を圧倒的多数で承認しました。これにより、今後の交渉次第では、カナダとヨーロッパやカリブ海などを結ぶフライトに大きな影響が出る可能性があります。

    目次

    交渉の背景:なぜストライキの可能性が?

    エア・トランザットと、同社のパイロット約600人が所属する航空乗員組合(ALPA)との間の労働協約交渉は、2022年5月から続いています。1年半以上にわたる交渉にもかかわらず、主に賃金、労働条件、雇用保障といった重要な点で合意に至っていません。

    北米航空業界の賃金上昇トレンド

    今回の交渉の大きな背景には、北米の航空業界全体におけるパイロットの待遇改善の動きがあります。特に2023年、カナダのウエストジェット航空のパイロットがストライキ寸前の交渉の末、4年間で24%の大幅な賃上げを勝ち取った事例は、業界に大きな影響を与えました。エア・トランザットのパイロットも、同業他社の水準に見合った公正な契約を求めており、これが交渉を難航させている一因と考えられます。

    驚異的な投票結果が示すパイロットの固い意志

    今回実施されたストライキ承認投票では、組合に所属するパイロットのほぼ100%が投票に参加し、そのうち99.8%がストライキの実施を承認しました。この極めて高い賛成率は、パイロット側が組合の交渉方針を強く支持し、要求が受け入れられない場合には行動を起こすという固い決意を持っていることを示しています。

    今後の予測と旅行者への影響

    ストライキはいつから可能になるのか?

    ストライキが承認されたからといって、すぐにフライトが停止するわけではありません。現在、カナダの連邦政府による調停プロセスが進行中です。この調停が不調に終わった場合、21日間の「冷却期間(cooling-off period)」が設定されます。組合がストライキを合法的に実行できるのは、この冷却期間が終了した後となります。

    旅行者が受ける可能性のある影響

    もしストライキが実行された場合、エア・トランザットが運航する以下の路線でフライトの遅延や欠航が予想されます。

    • カナダとヨーロッパ間の路線
    • カナダとカリブ海、メキシコ、アメリカを結ぶ「サン・デスティネーション」路線
    • カナダ国内線

    特に冬の休暇シーズンや春休みに同社を利用してカナダへの旅行や、カナダからの南国へのバカンスを計画している方は、大きな影響を受ける可能性があります。

    航空会社と旅行者が取るべき対策

    エア・トランザットは、「交渉による合意を目指しており、ストライキは最終手段であるべきだ」との声明を発表しています。また、万が一の事態に備え、顧客への影響を最小限に抑えるための代替計画(コンティンジェンシープラン)を準備しているとしています。

    旅行者が今できること

    • 最新情報の確認: 今後エア・トランザットを利用する予定のある方は、同社の公式ウェブサイトや、予約した旅行代理店からの情報をこまめに確認してください。
    • 柔軟な旅程の検討: 可能であれば、旅程の変更が可能な航空券や宿泊プランを検討することも一つの手です。
    • 旅行保険の確認: 加入している、またはこれから加入する海外旅行保険の補償内容を確認し、フライトの遅延やキャンセルがカバーされるかを確認しておきましょう。

    労使交渉は最終段階に入っており、今後数週間が大きな山場となります。Arigatripでは、引き続きこの問題に関する最新情報をお届けしていきます。

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