2023年のサンクスギビング(感謝祭)シーズン、米国の旅行需要が爆発的な盛り上がりを見せています。大手旅行保険会社Allianz Partnersや米国自動車協会(AAA)の最新の調査によると、旅行者数はパンデミック以前を彷彿とさせる、あるいはそれを超えるほどの活況を呈しており、旅行業界の力強い回復を象徴する結果となりました。
記録的旅行者数が示す「リベンジトラベル」の本格化
今年の感謝祭休暇は、多くの人々が移動する大規模なナショナルイベントとなりそうです。
米国自動車協会(AAA)は、感謝祭の週末(水曜日から日曜日まで)に5,540万人のアメリカ人が50マイル(約80km)以上移動すると予測しています。これは2005年以来で3番目に高い数字であり、パンデミック後の旅行意欲の完全な回復を示唆しています。
特に注目すべきは空の便です。AAAによると、約470万人が航空機を利用すると見られており、これは2005年以来で最多の記録となります。また、Allianz Partnersの調査でも、感謝祭期間のフライト予約を分析した結果、旅行者数は前年比で17%増加していることが明らかになりました。
背景にあるもの
この旅行者数の急増の背景には、数年にわたるパンデミックによる移動制限の反動、いわゆる「リベンジトラベル」の本格化があります。人々が友人や家族との再会、そして待ち望んだ休暇を強く求めていることがうかがえます。また、比較的安定した経済状況や、前年よりは落ち着いているガソリン価格も、特に自動車での旅行を後押しする一因と考えられます。
人気旅行先ランキング:国内はNY、国外はカンクンが不動の地位
Allianz Partnersの調査によると、人気旅行先の傾向は今年も健在で、おなじみの都市がランキング上位を占めました。
国内旅行先:7年連続でニューヨークがトップ
国内の旅行先として最も人気を集めたのは、7年連続でニューヨーク市でした。感謝祭名物の「メイシーズ・サンクスギビング・デー・パレード」や、ホリデーシーズンの始まりを告げる華やかなイルミネーションは、多くの観光客を引きつける大きな魅力です。
トップ10には以下の都市がランクインしています。
- ニューヨーク(ニューヨーク州)
- シアトル(ワシントン州)
- オーランド(フロリダ州)
- フェニックス(アリゾナ州)
- アトランタ(ジョージア州)
- ボストン(マサチューセッツ州)
- ダラス(テキサス州)
- ロサンゼルス(カリフォルニア州)
- マイアミ(フロリダ州)
- シカゴ(イリノイ州)
国際旅行先:温暖な気候を求めカンクンへ
国際旅行先では、メキシコのカンクンが7年連続で首位を維持しました。アメリカからアクセスしやすく、冬の寒さから逃れて温暖な気候と美しいビーチを求める旅行者にとって、依然として最高の選択肢となっています。
トップ10を見ると、メキシコやカリブ海のリゾート地が圧倒的な人気を誇っています。
- カンクン(メキシコ)
- サン・ホセ・デル・カボ(メキシコ)
- ロンドン(イギリス)
- プエルト・バヤルタ(メキシコ)
- モンテゴ・ベイ(ジャマイカ)
- ナッソー(バハマ)
- プンタ・カナ(ドミニカ共和国)
- アルバ
- パリ(フランス)
- アムステルダム(オランダ)
今後の予測と旅行業界への影響
今回の感謝祭シーズンの活況は、一過性のもので終わらない可能性が高いと見られています。
この力強い需要は、そのままクリスマスから年末年始にかけてのホリデーシーズンへと続くことが予想されます。これにより、航空会社やホテル、観光関連企業にとっては大きな収益機会となるでしょう。
一方で、旅行者にとってはいくつかの課題も考えられます。空港では保安検査場やチェックインカウンターで深刻な混雑が予想され、フライトの遅延や欠航のリスクも高まります。また、旺盛な需要は航空券や宿泊施設の価格高騰に直結するため、早めの予約と計画的な行動がこれまで以上に重要になります。
2023年の感謝祭は、米国の旅行市場が完全に正常化したことを示すマイルストーンと言えるでしょう。この勢いがどこまで続くのか、今後のホリデーシーズンの動向から目が離せません。

