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    天空の都市アブハへ。サウジアラビアの緑豊かな山々で心と体を癒す、大人のウェルネス旅

    「サウジアラビア」と聞いて、多くの方が果てしなく広がる砂漠の風景を思い浮かべるのではないでしょうか。私もかつてはその一人でした。しかし、その固定観念を心地よく覆してくれる場所があることを、旅好きの友人から教えられました。それが、南西部に位置するアシール州の州都、アブハです。

    標高約2,270メートルに位置するこの街は、「天空の都市」「アラビアの霧の都」とも呼ばれ、一年を通して穏やかで涼しい気候に恵まれています。日本の軽井沢のような、爽やかな高原リゾートを想像していただくと近いかもしれません。特に、厳しい暑さとなる夏には、サウジアラビア国内からも多くの人々が涼を求めてこの地を訪れます。そこには、私たちの知るサウジアラビアのイメージとはまったく異なる、緑豊かな山々、深い渓谷、そして色とりどりの花が咲き誇る、穏やかな風景が広がっていました。

    子育てが一段落し、夫婦でゆったりと過ごす時間を大切にするようになった私たちにとって、アブハはまさに理想的な旅先でした。ただ観光地を巡るだけではなく、壮大な自然の中で深呼吸をし、心と体をゆっくりと解放していく。そんな「ウェルネス」をテーマにした旅が、ここアブハでは実現できるのです。日常の喧騒やデジタル社会の目まぐるしさから少しだけ距離を置き、自分自身と向き合う時間を求めている方に、この天空の都市の魅力をお伝えしたいと思います。

    さらに、非日常の自然美を求めるならイラクの未知なる大地で手つかずの山々が奏でる息吹にも触れてみる価値があります。

    目次

    なぜアブハが心と体を解放する旅先に選ばれるのか

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    世界中には多くのリゾート地や名勝地がありますが、なぜ現在、このアブハという場所が私たちの心に強く響くのでしょうか。それは、この地が持つ独特の自然環境と息づく文化が、現代の私たちが忘れかけている「本来の自分を取り戻す時間」を提供してくれるからにほかなりません。

    砂漠のイメージを覆す「緑の州」アシールの中心地

    アブハが位置するアシール州は、アラビア語で「困難」を意味しますが、その名にふさわしく険しい山々が続く地形が特徴です。しかし、その険しさこそがこの地を特別な場所にしているのです。標高が高いため、インド洋からの湿った空気が山にぶつかり、サウジアラビアの他地域に比べ降雨量が豊富です。この雨が大地を潤し、驚くほど豊かな緑を育んできました。

    空港から市内へ向かう車窓から見えるのは、砂漠ではなく、青々としたジュニパー(杜松)の森や、山の斜面に幾何学模様のように広がる段々畑です。まるでヨーロッパの山岳リゾートや、アジアの高原地帯を旅しているかのような錯覚を覚えます。この「良い意味での裏切り」が、アブハの旅の始まりを告げる心踊る序章となるのです。灼熱の太陽と乾いた大地という固定観念が、目の前に広がる涼やかで活力に満ちた緑の景色によって一新され、まさに一種のデトックス体験と言えるでしょう。

    穏やかな気候がもたらす心と体への影響

    アブハの最大の魅力の一つは、その気候条件にあります。私たちが訪れたのは夏季でしたが、日中の気温は25度前後で、湿度は低く、木陰に入るとひんやりとした風が肌を撫で、深呼吸するたびに新鮮な空気が全身を満たしていくのが感じられました。日本の蒸し暑い夏や、近年ヨーロッパの都市部を襲う熱波から逃れるには、まさに理想的な避暑地と言えるでしょう。

    この穏やかな気候は、心身に直接的な効果をもたらします。暑さによる疲労やストレスが和らぐことで、心に余裕が生まれ、体も自然にリラックスしていきます。朝は鳥のさえずりで目覚め、日中は快適な気候の中でハイキングや散策を楽しみ、夜は満天の星空を眺めながら静かに一日を振り返る。こうした人類が古くから暮らしてきたであろう自然のリズムに身を任せる生活が、ここではごく普通に営まれています。この環境が、自律神経を整え、心身のバランス回復を促してくれるのです。

    古代からの交易路が育んだ独特の文化と歴史

    アブハの魅力は、その美しい自然だけに留まりません。この地は古くからイエメンと聖地メッカを結ぶ「香料の道」の中継地点として栄え、多彩な文化が交錯する場所でした。だからこそ、アシール地方には独特の建築様式や芸術、暮らしの習慣が今も濃厚に息づいています。

    石と泥を用いた堅牢な望楼、女性たちが描く「アル・カット・アル・アシリ」と称される鮮やかな壁画、そして「フラワーマン」と呼ばれる頭に花冠を戴いた男性たちの姿。これらすべてが厳しい自然環境の中で暮らしてきた人々の知恵と豊かな精神性を表しています。こうした地域の歴史や文化に触れることは、単なる観光の枠を超えた深い精神的な充足をもたらします。雄大な自然に心をゆだねると同時に、そこに根付いた人々の営みに思いを馳せることで、私たちの旅はより深みのあるものとなるのです。

    アブハの壮大な自然に抱かれるウェルネスアクティビティ

    アブハでの滞在は、まさに自然との対話そのものです。ここでは、身体を動かしながら五感を研ぎ澄ませることで心身をリフレッシュできる多彩なウェルネスアクティビティが体験可能です。都会のジムで汗をかくのとは異なり、地球のエネルギーを直に感じられる特別な体験が待ち受けています。

    アシール国立公園で楽しむ森林浴とハイキング

    アブハのウェルネスの拠点として知られるのが、広大なアシール国立公園です。この公園はサウジアラビアで最初に設置された国立公園であり、国内最高峰のソーダ山を含む多数の山や渓谷が広がっています。

    ソーダ山(Jabal Sawda)への挑戦

    標高およそ3,015メートルのソーダ山は、アブハを訪れるならぜひ訪ねてほしいスポットです。車で山頂付近まで行けるものの、私たちは途中まで車を利用し、その後はハイキングを楽しみました。整備された遊歩道もあるため、自分の体力に合わせてルートを選べます。

    一歩足を踏み入れると、そこはジュニパーの深い森。日本ではなかなか見られない、力強く枝を伸ばす木々の間を歩くと、心が穏やかに落ち着いていくのがわかります。ときには野生のヒヒの群れに出会うこともあり、自然の豊かさを感じさせられます。彼らを刺激しないように距離を保って静かに観察するのがマナーです。

    山頂近くの展望台からの眺めはまさに圧巻。眼下に広がる幾重にも連なる山々や深い谷は、まるで雲の上に立っているかのような錯覚をもたらします。この雄大な景観を目の前にすると、日常の悩みがいかに取るに足らないものか実感します。達成感と共に味わうこの開放感は、他に代えがたいものです。

    ハイキングの際は、標高が高いため夏でも薄手のジャケットなど羽織るものを持参するのが望ましいです。強い日差し対策として帽子やサングラス、日焼け止めも欠かせません。さらに何より大切なのは、こまめな水分補給です。無理をせず、自分のペースで歩きながら水を十分に取ることが、安全で快適なハイキングを楽しむコツです。

    静かな森で心を整える散策

    ソーダ山の頂上を目指す本格的なハイキングだけでなく、公園内の緩やかな散策路をゆったり歩くだけでも素晴らしい森林浴が楽しめます。植物が放つフィトンチッドには心身のリラックス効果やストレス軽減効果があると言われています。

    私たちはスマートフォンの電源を切り、ただひたすら森の音に耳を澄ませながら歩く時間を持ちました。風が木々を揺らす音、鳥のさえずり、遠くのヒヒの鳴き声。自然に意識を向けることで、頭の中にあった雑念がすっと消え、心が静まっていくのを感じます。途中、景色のいい場所で持参したハーブティーを飲みながら過ごした時間は、この旅の中でも特に心穏やかなひとときとして記憶に残っています。

    アル・ハバラ村:天空に浮かぶ村での瞑想体験

    アブハ近郊には息をのむような絶景スポットが点在していますが、中でも特に印象深かったのが「アル・ハバラ村」です。別名「吊り下げられた村」と呼ばれ、その名の通り断崖絶壁の斜面に張り付くように存在しています。

    絶景展望台から見下ろす断崖絶壁の集落

    かつてこの村はオスマン帝国の支配を逃れるため、人々が崖をロープで下りて生活していた場所として知られています。現在は無人となっていますが、その独特な景観を一目見ようと多数の観光客が訪れます。村の上部にある展望台までは車で行け、そこからロープウェイに乗って谷底へと降りていきます。このロープウェイからの眺めも迫力満点で、深い渓谷と崖に沿って建てられた石造りの家々が眼下に広がる様子は忘れがたい体験です。

    展望台だけでも、そのスケールの大きさに圧倒されます。果てしなく続く谷と遠くに伸びる山脈。自然の偉大さの前に、人間の小ささを改めて感じさせられます。この壮大な景色は、私たちの視野を広げ、思考の枠を解き放つ力を秘めています。

    静寂のなかで自分と向き合う時間

    私たちは展望台のカフェでミントティーを飲みながら、しばらく絶景を眺めて過ごしました。耳に届くのは風の音だけ。この静けさの中、雄大な自然をぼんやり見つめていると、不思議と内省する気持ちが湧いてきます。多忙な日常で気づかなかった自分の感情や心の奥底にある願いに気づかされる、貴重なひとときでした。

    こうした場所では意識的に瞑想の時間を取るのもおすすめです。深呼吸を繰り返し、目の前の景色に意識を集中させたり、旅のノートを開いて思い浮かんだことを自由に書き出してみたり。壮大な自然は静かに語りかけ、内なる声に耳を傾けるサポートをしてくれます。アル・ハバラ村は、単なる観光地を超え、自分自身と深く向き合う聖地のような場所でした。

    パラグライダーで鳥のように空を舞う

    よりアクティブに自然と一体化したい方には、パラグライダー体験がぴったりです。アシール国立公園周辺には、その地形や上昇気流を利用したパラグライダーの飛行ポイントが数カ所設けられています。

    専門的な技術は不要で、経験豊富なパイロットと一緒に飛ぶタンデムフライトなら、初心者でも安心して空の散歩を満喫できます。離陸の瞬間は多少の緊張が伴いますが、いったん体が宙に浮き、風を全身で感じ始めると、その緊張は爽快感や感動へと変わります。

    眼下には、歩いたジュニパーの森やミニチュアのように見える道路を走る車が広がります。鳥の目線で見下ろすアブハの山々の雄大さは、地上からの眺めとはまったく違う感動をもたらします。日常の縛りや重圧から解放され、ただ風の流れに身を委ねる非日常体験は、ストレスを一気に吹き飛ばし、新たなエネルギーをもたらすでしょう。信頼できる催行会社を事前に調べて予約することをおすすめします。

    アブハの文化と食に癒される

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    アブハでのウェルネス旅は、ただ自然の中でのアクティビティを楽しむだけにとどまりません。この地域独特の文化や、滋味豊かな郷土料理に触れることで、心が満たされ、身体の内側から活力が湧いてくる素晴らしい体験となります。

    リジャール・アルマア村:色彩あふれる世界遺産の地を訪れる

    アブハから西へ車で約1時間半の場所に位置するリジャール・アルマア村は、この地域の文化を象徴する宝石のような存在です。2018年にはユネスコ世界遺産の暫定リストに登録され、その歴史的価値が高く評価されています。

    ユネスコ世界遺産としての意義

    谷間に広がるこの村は、石造りの高い建物が要塞のように密集しているのが印象的です。壁には白い石英が埋め込まれており、太陽の光に照らされて美しく輝きます。この装飾は美観を高めるだけでなく、建物を風雨から守る実用的な役割も果たしています。村を歩いていると、頭にハーブや花で作った華やかな冠を身につけた男性たちと出会うことがあります。彼らは「フラワーマン」と呼ばれ、地域の伝統的なスタイルを守り続けています。その姿は非常にフォトジェニックで、自然と共に生きる人々の誇りを感じさせます。

    村の中心にはかつての砦を改装した博物館があり、リジャール・アルマアの歴史や伝統的な生活道具などを展示しています。この場所で地域の背景を学ぶことで、村の散策がより一層深みのあるものになるでしょう。

    アートと歴史が織り成す癒しの空間

    リジャール・アルマア村の魅力のひとつに、その豊かな芸術性があります。特に「アル・カット・アル・アシリ」と呼ばれる幾何学的なカラフル壁画は見逃せません。これはこの地域の女性たちが母から娘へと代々受け継いできた伝統的な装飾芸術で、家屋の内壁を鮮やかに彩っています。赤や青、緑、黄といった原色を大胆に用いたデザインはエネルギッシュでありながらもどこか温かみがあり、その美しさに心が華やぎます。古民家を改装したギャラリーやカフェでは、この壁画に囲まれてゆったりとした時間を過ごせます。

    歴史ある石造りの建物と生命力あふれる色彩の壁画が調和するこの村は、歩くだけで感性が研ぎ澄まされるまさに癒しの場所です。喧騒とは無縁の静かな村で、美しいものに触れ、悠久の歴史に思いを馳せるひとときは、心の栄養そのものと言えるでしょう。

    スポット名リジャール・アルマア村 (Rijal Almaa Village)
    概要ユネスコ世界遺産(暫定リスト)登録の石造りの建築物と、「アル・カット・アル・アシリ」と称される壁画が特徴の歴史的村落。
    アクセスアブハ市内から車で約1時間半。山道が続くため、ツアー参加か経験豊富なドライバーをチャーターするのがおすすめ。
    見どころ博物館、伝統的な建築群、アル・カット・アル・アシリのアート作品、フラワーマンとの邂逅。
    滞在のヒント古民家カフェで伝統的なお茶やコーヒーを楽しむのが良いです。歩きやすい靴を用意しましょう。

    アブハの食文化で身体の内側から整える

    旅の楽しみのひとつは、やはりその土地特有の味に出会うことです。アシール地方には厳しい自然環境の中で育まれた素朴で栄養豊かな伝統料理が数多く存在します。

    地元の恵みを味わうアシール地方の伝統料理

    私たちが特に気に入ったのは「アリーカ(Areekah)」という料理です。全粒粉パンを細かくちぎり、デーツやギー(澄ましバター)、たっぷりの蜂蜜と和えたもので、甘く濃厚な味わいが魅力です。ハイキング後のエネルギー補給に最適で、その自然な甘さが疲れた体に心地よく染み込みました。

    また、特別な時にいただく「ハニーサ(Haneeth)」も忘れがたい味わいです。羊肉をスパイスに漬け込み、特別な窯で長時間蒸し焼きにした料理で、信じられないほど柔らかくジューシー。スパイスの香りが食欲を刺激します。地元のレストランで味わい、この地の食材の恵みと文化の豊かさを実感しました。

    さらに、アシール地方は質の高い蜂蜜の産地としても知られています。ジュニパーの森や季節の花々から採られた蜂蜜は、種類ごとに色、香り、味わいが異なります。市場や専門店で試食しながら、お気に入りの一品を見つける楽しみも格別です。

    伝統市場「スーク・アル・トゥラタ」で食の世界を探訪

    地元の食文化をより深く感じたいなら、市場を訪れるのが最適です。アブハ中心部にある「スーク・アル・トゥラタ(火曜市)」は、名前のとおり火曜日が最も賑わいますが、現在は常設の店舗も多く、いつでも楽しめます。市場に足を踏み入れると、スパイスの芳しい香り、色とりどりの野菜や果物、活気あふれる地元の人々の声に包まれます。

    ここでは先述の蜂蜜はもちろん、多彩な種類のデーツやドライフルーツ、ハーブ、アシール特有のスパイスなどが販売されています。店主との会話を楽しみながら、日本では見かけない珍しい食材を見て回るだけでも心が躍ります。私たちはこの市場で、自家用のスパイスやお土産用の美しい箱入りデーツをいくつか購入しました。市場の活気は旅にさらなるエネルギーをもたらしてくれます。

    スポット名スーク・アル・トゥラタ (Souq Al Thulatha / Tuesday Market)
    概要アブハの伝統的な市場。元々は火曜市として知られたが、今は常設店が多い。蜂蜜、スパイス、デーツ、手工芸品など地元特産品が揃う。
    アクセスアブハ市中心部に位置し、タクシーや配車アプリを利用して簡単にアクセス可能。
    見どころ賑やかな市場の雰囲気、多彩な蜂蜜やスパイス、地元の人々との交流。
    滞在のヒント値段交渉も楽しみのひとつですが、節度を守りましょう。現金を用意しておくと便利です。

    アートストリートで感性を磨く夜の散策

    日が沈んだ後のアブハは、昼間とはまた異なる魅力にあふれています。特に「アートストリート」と呼ばれる通りは、夜の散策に最適なスポットです。春になると紫色のジャカランダの花が美しく並ぶこの通りは、それ以外の季節でもライトアップが施され、幻想的な雰囲気が漂っています。

    通り沿いの壁には地元アーティストによる色鮮やかな壁画が描かれ、まるで屋外美術館のような趣です。また、小さなギャラリーやおしゃれなカフェも点在し、アートに触れながら穏やかな夜の時間を過ごせます。雄大な自然とは対照的に、カラフルで創造的なエネルギーが満ちたこの場所を歩くと、心が軽やかになり新鮮なインスピレーションを得られます。美しいものに囲まれて過ごす時間は、感性を刺激し、心を潤すひとときとなるでしょう。

    スポット名アートストリート (Art Street)
    概要壁画やギャラリーが立ち並ぶ通り。特に夜はライトアップが美しく、散策に最適。春にはジャカランダの花が咲き誇る。
    アクセスアブハ市内、アブハ・パレス・ホテル付近に位置し、徒歩で回りやすいエリア。
    見どころ壁画、ライトアップ、ジャカランダ並木(季節限定)、おしゃれなカフェやレストラン。
    滞在のヒント日暮れ後、気温が下がってから訪れるのがおすすめ。カフェでひと息つきながらゆったりとアート鑑賞を楽しんでください。

    快適で心安らぐアブハでの滞在プラン

    心身のリラックスを叶えるウェルネス旅行を実現するには、事前の綿密な計画と準備が不可欠です。特に私たち50代以上の世代にとっては、安心かつ快適な滞在環境の整備が、旅の満足度を左右する重要なポイントとなります。ここでは、アブハでの滞在をより快適に過ごすための役立つ情報をお届けします。

    滞在先の選び方:ホテルからサービスアパートメントまで

    アブハには多様な宿泊施設が揃っており、旅行の目的やスタイルに応じて選ぶことができます。

    短期間で、きめ細かなサービスを重視する場合は、市内の高級ホテルが最適です。例えば、「インターコンチネンタル アブハ」では、街並みや周囲の山々を一望できる抜群の眺望が楽しめます。スパやプール、質の高いレストランなど充実した施設を備えており、ホテル内でゆったり過ごす時間も贅沢なウェルネス体験となるでしょう。

    少し長めの滞在で、暮らすように旅を楽しみたい方には、キッチン付きのサービスアパートメントが便利です。地元の市場で購入した新鮮な食材を使って簡単な朝食を作り、夜はくつろげるリビングでゆったり過ごせます。自分のペースで行動できる自由度の高さが魅力です。オンラインの予約サイトを利用すると、新しく清潔なアパートメントを多く見つけることができます。

    アブハへのアクセスと市内での移動手段

    アブハ国際空港は国内線および一部国際線が発着しており、詳細はこちら。日本からの直行便はないため、リヤドやジェッダ、またはドバイを経由してアクセスするのが一般的です。空港から市街中心部まではタクシーや配車サービス(Uberなど)で約30分です。

    市内の移動も配車アプリが非常に便利で、料金が明瞭なため安心して利用できます。ただし、ソーダ山やリジャール・アルマア村などの郊外山間部へ向かう場合は、道路状況が厳しいところもあります。そのため、現地のツアーに参加するか、日単位で車とドライバーをチャーターすることをおすすめします。ホテルのコンシェルジュや信頼できる旅行会社に手配を依頼するのが安心です。

    旅の準備と注意点:50代からの賢い旅支度

    快適な旅を楽しむためには、アブハの気候や文化を踏まえた準備が大切です。

    服装

    アブハは標高が高いため、夏でも朝晩は冷え込みを感じることがあります。日中は半袖で過ごせるものの、薄手のジャケットやカーディガン、ストールなどの羽織りものを必ず用意してください。ハイキングを予定している場合は、歩きやすいスニーカーやトレッキングシューズが必須です。サウジアラビアでは外国人女性にアバヤ(黒い民族衣装)の着用義務はありませんが、イスラム文化への敬意として肌の露出を控え(長袖、長ズボンやロングスカートなど)、特にモスク訪問時は髪を覆うスカーフを持参すると便利です。

    健康管理

    標高が2,200メートルを超えるため、高地に慣れていない場合は到着初日は無理せずゆっくり体を慣らしましょう。頭痛などの症状が出たときは十分な水分補給と休息を心がけてください。常用薬の持参も忘れずに。万が一に備え、現地の医療事情を少し調べておくと安心です。アブハには近代的な設備を持つ私立病院があり、医療水準は高いとされています。もちろん海外旅行保険への加入は必須です。

    文化と習慣

    サウジアラビアはイスラム教の国です。旅行者は温かく迎えられますが、現地の文化や習慣を尊重する姿勢が求められます。特に、現地の方、特に女性を無断で撮影することは厳禁です。撮影の際には必ず許可を得ましょう。また、旅行時期がイスラム教の断食月ラマダンと重なる場合、日中の飲食に配慮が必要です。旅行者向けのホテルやレストランは通常営業していますが、公共の場での飲食は控えるのが礼儀です。

    アブハの旅が私たちに教えてくれること

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    アブハでの滞在を終え日本へ戻った今、心に深く刻まれているのは、どこまでも広がる緑豊かな山々の風景と、澄みわたる清々しい空気の記憶です。この旅は、単に美しい景色を楽しみ、美味しい料理を味わったという思い出だけに留まりませんでした。

    雄大な自然との静かな対話が、日常の慌ただしさで固まっていた私たちの心を、優しく解きほぐしてくれたのです。ソーダ山の頂上から見渡した絶景、アル・ハバラ村の静謐な空気、リジャール・アルマア村に広がる鮮やかな色彩。これら一つひとつが、「世界はこんなにも広く、美しい」という、普段は忘れがちな大切な真実を思い起こさせてくれました。

    未知の文化に触れることで、自分が抱いていた固定観念が覆され、新たな視点がもたらされます。誇り高く佇むフラワーマンたちの姿や、女性たちが創り出すエネルギッシュなアートは、多様な生き方や価値観の存在を教えてくれました。これらは、自分自身の生き方を見つめ直し、これからの人生をより豊かなものにするための貴重なヒントとなったように思います。

    現代を生きる私たちは、多くの情報やタスクに追われ、知らず知らずのうちに心身が疲弊してしまいがちです。そんな中、アブハは日常から意識的に距離を置き、自分自身をリセットするための時間と空間を提供してくれます。ここは単なる観光地ではなく、自分と向き合い、内なる声に耳を傾けるための「聖域(サンクチュアリ)」のような場所かもしれません。

    もしも日々の生活に少し疲れを感じていたり、新しい刺激やインスピレーションを求めているなら、次の旅の候補地として、この天空の都市アブハを加えてみてはいかがでしょう。きっとそこで、あなたの心と体を優しく癒し、明日への活力を与えてくれる特別な時間が待っているはずです。

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    この記事を書いた人

    子育てが一段落し、夫婦でヨーロッパの都市に長期滞在するのが趣味。シニア世代に向けた、ゆとりある旅のスタイルを提案。現地の治安や、医療事情に関する情報も発信する。

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