バリの喧騒を遠く離れ、飛行機の窓から見下ろす景色が深い緑と紺碧の海に変わる頃、僕の心はすでに未知なる冒険への序曲を奏で始めていました。インドネシア、小スンダ列島に浮かぶ細長い島、フローレス。ポルトガル語で「花」を意味するこの島は、その名の通り、まだ手つかずの自然と、素朴で奥深い文化が息づく場所です。コモドドラゴンが生息する島としてその名は知られているかもしれませんが、僕が追い求めていたのは、その奥地に眠る、まだ語られていない食の物語でした。
この島には、火山の大地が育んだ世界品質のコーヒーがあり、海の幸と山の恵みが織りなす、素朴で力強い伝統料理があります。それは単なる食べ物ではありません。人々の祈りや歴史、日々の暮らしそのものが溶け込んだ、魂の味なのです。さあ、バックパックひとつで飛び込んだこの島で、僕が出会った香りと味わいの記憶を、あなたにも少しだけお裾分けしましょう。旅の始まりは、ここからです。
フローレスの海の魅力に惹かれたなら、インドネシアの水中世界もまた訪れる価値があります。
燻る大地のプレリュード、フローレスコーヒーを求めて

旅の最初の目的地は、フローレスコーヒーの源ともいえる内陸の高原地帯でした。コモド国立公園の入り口である港町ラブアンバジョの喧騒を背に、僕は乗り合いバスの揺れに身を任せていました。窓の外には、切り立つ崖と深い谷が織りなす、まるで交響曲の楽譜のような壮大な景色が流れていきます。道は決して整備されているとは言えず、車体は大きく揺れ、時には対向車とすれ違うために崖の際で停止することも。こうしたスリリングな移動時間も、秘境への旅を彩るスパイスとなっていました。
目的地は、涼やかな空気が漂う高原の町、バジャワ。この一帯は肥沃な火山性の土壌と高い標高に恵まれ、高品質なアラビカコーヒーの産地として世界中に知られています。バリ島のコーヒーも美味しいですが、フローレスのそれはもっと野生味が強く、大地の息吹を直接感じさせる深みと複雑な香りを秘めていると聞いていました。
コーヒー農園で味わう、一杯に込められたシンフォニー
バジャワで出会った現地の若者ヨハネスの案内で、彼の親戚が経営する小さなコーヒー農園を訪ねました。バイクにまたがり、赤土の道をガタゴトと進みます。道の両側には緑の葉の間に宝石のように輝く真っ赤なコーヒーチェリーがたわわに実っていました。冷たい空気が肺にしみわたり、土と植物の香りが混じり合う生命感あふれる香りが満ちています。まさに僕が求めていたのは、この空気そのものでした。
農園に着くと、家族総出で収穫作業の真っ最中でした。熟した実だけを一つひとつ丁寧に摘んでいく手並みは、まるで熟練ピアニストが鍵盤を奏でるようにリズミカルです。機械に頼らず、全てを手作業で行うその姿には、効率だけでは測れない豆への愛情と敬意が込められています。
「よかったら試してみるかい?」
ヨハネスの叔父さんが日焼けした笑顔で僕に籠を差し出しました。真似をして赤い実を摘んでみると、思ったより柔らかく、指先で軽くねじるだけでポロリと枝から外れました。甘酸っぱい香りがふんわり鼻をくすぐります。単純な繰り返し作業ですが、その中に身を置くと頭がすっきりし、心が穏やかになるのを感じました。これもまた一種の瞑想なのかもしれません。
収穫体験の後は、精製から焙煎までの過程を見学させてもらいました。摘んだチェリーは果肉を除き、水で洗い、天日でじっくり乾燥させます。乾燥を終えた生豆は薄皮を剥かれ、手作業で欠点豆が一粒ずつ取り除かれます。気が遠くなるような工程です。そして最も重要な焙煎は、大きな鉄鍋に生豆を入れ、薪の火で根気よく混ぜながら行われます。パチパチと豆がはぜる音が静かな農園に心地よく響き渡ります。初めは青臭かった香りが次第に香ばしいナッツのように変わり、最後にはチョコレートや花のような甘く複雑な香りへと昇華していく。この香りのグラデーションはまるで音楽のクレッシェンドのようで、僕は完全に魅了されました。
「はい、淹れたてをどうぞ」
叔父さんが黒く艶やかな豆を石臼で挽き、布のフィルターでゆっくりと淹れてくれた一杯。カップから立ち上る湯気は、これまで経験したことのないほど豊かで芳醇な香りを放ちます。口に含むと、まず力強い苦味とコクが力強く広がり、後から柑橘系の爽やかな酸味と黒糖のような深い甘みが舌を包み込みました。後味にはほのかに花の蜜のような余韻が残り、ワイルドでありながらも驚くほど繊細な味わい。この一杯にはフローレスの厳しい自然と、そこで暮らす人々の温かな営みのすべてが凝縮されているようでした。
この農園体験は半日ほどのプログラムで、通訳兼ガイドのヨハネスへの謝礼を含めて約500,000ルピア(約4,500円)でした。特別な予約サイトはなく、こうした出会いを求めるなら現地の宿やカフェで情報を集めるのが最も確実です。虫刺されや日焼けを防ぐために長袖長ズボン、歩きやすいスニーカーは必須。高原の朝晩は冷えるため、薄手のジャケットをバックパックに忍ばせておくと安心です。必要なのは少しの好奇心と、現地の人々の輪に飛び込む勇気だけです。
素朴な島の食卓、一皿に刻まれた記憶の味
コーヒーの芳香に包まれた後は、いよいよフローレスの伝統料理の世界へと踏み込みます。この島の食文化は、海と山の恵みを贅沢に取り入れた、素朴で力強い味わいが魅力です。観光客向けの洗練されたレストランもラブアンバジョには増えていますが、島の真髄に触れたいなら、地元の人々が集まる「ワルン」と呼ばれる大衆食堂へ足を運ぶのが最適です。
ワルンの賑わいは最高のスパイス
町の通りを歩いていると、軒先にガラスケースが置かれ、その中に大皿に盛られた料理がずらりと並ぶ店を見つけられます。これこそがワルンのサインです。店の前に立つと、香辛料とココナッツミルク、そして炭火の香ばしい香りが入り混じり、食欲をそそる芳香に包まれます。
多くの場合、店内にはメニュー表がありません。ガラスケースの前で食べたい料理を指差して「これとこれ」と頼むのが、ワルン流の注文方法です。言葉が通じなくても、笑顔と身振り手振りで問題なく伝わります。このやりとり自体が旅の醍醐味でもあります。ご飯が盛られたお皿には、好きなおかずを好きなだけ載せてもらいます。このスタイルは「ナシ・チャンプル(混ぜご飯)」と呼ばれ、インドネシア全土で親しまれていますが、島や店によっておかずの種類が全く異なる点が興味深いのです。
私がバジャワの小さなワルンで選んだのは、目にも鮮やかな新鮮そうな魚を炭火で焼いた「イカン・バカール」、豚肉の燻製「セベイ・バビ」、そしてトウモロコシと豆をココナッツミルクで煮込んだ「ジャグン・ボス」。これだけで、皿の上はフローレスの恵みで溢れていました。価格はこれだけ盛っても35,000ルピア(約300円)ほど。驚くべきリーズナブルさです。
イカン・バカール:海の恵みをシンプルに味わう
まず初めに口にしたのはイカン・バカール。こんがり焼かれた魚の皮はパリパリで、身は意外なほどふっくらとしてジューシー。味付けは塩とターメリック程度のごくシンプルなものでした。しかし、そのシンプルさが魚本来の旨みをまっすぐに伝えてくれます。この料理の主役とも言えるのが添えられた「サンバル・マタ」。刻んだ赤玉ねぎ、唐辛子、レモングラスなどをココナッツオイルで和えた、生のサンバルです。このフレッシュかつピリッとした辛味が、香ばしい魚の味わいをキリリと引き締め、一口ごとに手が止まらなくなります。
セベイ・バビ:燻製の香りが誘う記憶の旅
次に味わったのは、フローレス、とくにティモール島周辺の名物料理であるセベイ・バビ。薄く切られた燻製の豚肉は、噛むたびに凝縮された肉の旨みと薪のスモーキーな香りが口いっぱいに広がります。これはただの焼き豚ではありません。長時間燻すことで余計な水分が抜け、旨みだけがぎゅっと閉じ込められているのです。やや固めの食感も心地よく、ビールが欲しくなること間違いなしの逸品。この燻製技術は冷蔵庫のない時代に肉を保存するための知恵が生んだもので、まさに島の歴史が培った味と言えます。
ジャグン・ボス:大地の恵みが織りなす優しい味
そして、最も感銘を受けたのはジャグン・ボスでした。白トウモロコシとインゲン豆、カボチャなどをココナッツミルクでじっくり煮込んだ、お粥のような料理です。見た目は地味ながら、一口食べると、その深い滋味に驚かされます。トウモロコシの自然な甘みと豆のほくほくした食感、それらを優しくまとめるココナッツミルクのコク。スパイスはほとんど使われておらず、素材の味が見事に活かされています。華やかさはありませんが、日常的に食べたくなるような、体の芯から温まる優しさを感じさせます。それはまるで、フローレスの母親が作る家庭料理のような、愛情のこもった味わいでした。
ワルンでの食事に衛生面を心配する人もいるでしょう。確かに日本の基準から見れば完全とは言えないかもしれません。しかし、いくつかの注意を払えばリスクはかなり軽減できます。私がいつも気をつけているのは、地元の人で賑わい、回転が良さそうな店を選ぶこと。注文する際は加熱調理された料理を選ぶようにしています。また、辛いものが苦手なら「ティダッ・プダス(辛くしないで)」と伝えれば、唐辛子抜きのサンバルを用意してくれることもあります。ほんの少しの知識と勇気があれば、旅の食体験は一段と豊かになるのです。
雲の上の村へ、神々と共に食卓を囲む

フローレス島の食文化の核心に触れるためには、さらに深く山奥へと足を踏み入れる必要があります。私が次に訪れたのは、緑あふれる山に囲まれた秘境、ワエ・レボ村です。この村には円錐形の特徴的な伝統家屋「ムバル・ニアン」が並び、ユネスコの世界文化遺産にも登録されています。電気も水道も通っていない、まさに現代文明から隔絶された場所で、たどり着くには車を降りてから数時間の険しい山道を歩くトレッキングが欠かせません。
トレッキングの先に広がる、天空の楽園
案内人のフランさんと共に、熱帯雨林のぬかるんだ道を進みます。シダ植物が生い茂る森には、鳥のさえずりと虫の音だけが静かに響き渡ります。汗が滝のように流れ、息も荒くなります。決して楽な道のりではありませんが、森を抜けて開けた視界の先に広がる光景を目にした瞬間、私は疲れを忘れてただ立ち尽くしてしまいました。谷の向こうに、まるで童話の世界から飛び出してきたかのような7棟の円錐形家屋が、雲海の上に穏やかにたたずんでいたのです。
村に着くと、まず村長による歓迎の儀式が執り行われました。祖先の霊に訪問を報告し、滞在の許可を得るための厳粛で神聖な時間です。儀式を終えると、私たちは村の一員として温かく受け入れられました。宿泊場所はゲスト用に用意された大きなムバル・ニアンで、十数名が雑魚寝できる広々とした空間でした。世界各地から集まった旅人たちと共に、その夜を共に過ごします。
シンプルの極み、一食に込められた深い味わい
ワエ・レボでの食事は、村の女性たちが協力して用意してくれます。食材はすべて村の畑や森で採取されたもので、この日の夕食は白米にキャッサバの葉の炒め物、そして鶏肉のスープという非常にシンプルなものでした。
しかし、その一皿一皿が忘れがたいほど奥深く、力強い味わいを持っていました。キャッサバの葉はややほろ苦いものの、噛むごとに滋味が広がります。鶏肉は村で放し飼いにされた地鶏と思われ、身は締まり噛みごたえが抜群でした。鶏の骨から取られたスープは、一切の余計な調味料を使っていないにもかかわらず、驚くほど豊かな旨味で満たされていました。都会のレストランで提供される、さまざまな食材やスパイスを駆使した料理とは正反対の、引き算の美学がここにはあります。生命を支えるに十分な、最小限ながら最大限の美味しさが凝縮されていました。
食事は村人や他の旅人たちと共に、大きな輪になって床に座っていただきます。言葉が通じなくても、同じ飯を分かち合ううちに自然と心が通じ合っていきます。夜が深まると、村の男性たちがヤシの花の蜜から醸された地酒「アラック」を振る舞ってくれました。アルコール度数は高く、喉に焼けるような刺激がありますが、不思議と気持ちが高揚します。ギターを手にする者がいれば歌い出す者もいて、星空の下でアラックを片手に繰り広げられる何気ない会話。ここでは国籍や年齢は関係なく、皆がただの「旅人」として束の間の家族になるのです。
ワエ・レボへの訪問は個人で行くことはできず、必ず現地のツアー会社を通じてガイドを雇う必要があります。私はラブアンバジョのツアーデスクで1泊2日のツアーを予約し、料金は交通費、ガイド料、村への寄付金、宿泊費、食費すべて込みで約2,500,000ルピア(約22,500円)でした。決して安価ではありませんが、得られる体験はその価格をはるかに上回ります。持参すべきは、しっかりしたトレッキングシューズ、汗をかいても快適な速乾性の服、夜の冷え込みに備えたフリースなどの防寒着です。懐中電灯と虫除けスプレーも必須。そして何よりも、便利な日常生活から離れて不便を楽しむ覚悟が、この旅を最高のものにしてくれるでしょう。
港町ラブアンバジョ、伝統とモダンのクロスロード
秘境の村での滞在を終えて再びラブアンバジョの町に戻ると、そのにぎわいはまるで別世界のように感じられました。コモド国立公園への玄関口として、この町は著しい成長を遂げています。世界中からダイバーや冒険者が集まり、新たなレストランやカフェが続々とオープンしているのです。フローレスの旅の締めくくりに、この町の「いま」を味わうのもまた楽しみの一つです。
黄金に染まる夕焼けと、海の幸の饗宴
ラブアンバジョの夕暮れは、息を呑むほどの美しさを誇ります。太陽が水平線の向こうに沈みゆくと、空と海はオレンジやピンク、紫へと刻一刻と色彩を変えていきます。この幻想的な時間を満喫するなら、港沿いに広がるナイトマーケットが最高のスポットです。
夕方になると屋台が次々と集まり始め、周囲にはシーフードを焼く香ばしい香りが漂います。店先には、今朝水揚げされたばかりの新鮮な魚やイカ、エビ、カニが氷の上に美しく並べられています。ここでの醍醐味は、自分で食材を選び調理法を指定し、目の前で料理してもらうこと。僕はひときわ大きなフエフキダイを選び、「バカール(焼き)」でオーダーしました。
焼きあがるのを待つ間、海沿いの簡易テーブルに腰掛けて冷えたビンタンビールを味わいます。目の前では漁船が静かに港へ戻り、遠くの島影が夕闇に溶け込んでいく。旅の記憶が走馬灯のように蘇る中、熱々のイカン・バカールが運ばれてきました。先ほどのワルンで味わったものとは異なる、甘辛いソースがたっぷり塗られた濃厚な味わい。添えられたサンバル・テラシ(エビペーストのサンバル)がさらに食欲を増進させます。手づかみで豪快に魚を頬張り、ビールで流し込む。これ以上の贅沢があるでしょうか。お値段は魚のサイズによりますが、この一皿とビールで約150,000ルピア(約1,300円)ほど。最高のロケーションでの食事にしては、非常にリーズナブルです。
一杯のラテに溶け込む、旅人たちの物語
フローレスの旅は、コーヒーから始まりコーヒーで締めくくられます。ラブアンバジョには、伝統的なフローレスコーヒーを現代風に提供するセンスの良いカフェがいくつも存在します。猛暑の中を歩き疲れたら、冷房のきいた店内で一息つくのが最高のリフレッシュになります。
私のお気に入りは、メインストリートから少し入った路地裏に位置する「Molas Cafe」。ここではフローレス産の豆を使った本格的なエスプレッソやカフェラテ、さらにはコールドブリューも楽しめます。私はアイスラテを注文し、窓際の席に腰を下ろしました。丁寧に淹れられたラテは、フローレスコーヒー特有の豊かなコクとミルクの甘みが見事に調和し、旅の疲労を優しく癒してくれました。
こうしたカフェは単なるコーヒーの場に留まらず、世界中から集まる旅人たちが情報を交換し、新たな出会いが紡がれる交差点でもあります。隣の席に座ったドイツ人フォトグラファーとコモドドラゴンの話で盛り上がったり、カウンター席で隣り合わせたオーストラリア人ダイバーから秘密のシュノーケリングスポットを教わったり。たった一杯のコーヒーが、僕の旅をより一層豊かに彩ってくれるのです。ここでは、誰もが孤独な旅人でありながら、同時に見えない糸で結ばれた仲間でもあるのです。
フローレスの味を、旅の記憶に刻んで

フローレス島を巡る食の旅は、僕に数多くの気づきをもたらしてくれました。この島で味わった一皿一皿は、単なる空腹の解消には留まらず、火山の大地の力強さや人々の祈り、そして厳しい自然と共に生きる智恵が込められていました。
農園で味わった一杯のコーヒーには、農家の汗と誇りが注ぎ込まれていました。ワルンの隅で口にしたジャグン・ボスには、家族への愛情深い母親の優しさが溢れていました。そしてワエ・レボ村で分かち合った素朴な食事には、人と人が共に暮らすことの尊さが満ちていました。
フローレスの食文化は決して派手ではありませんが、その奥底には人間の営みの原点とも言える、深く温かな物語が流れています。便利な生活に慣れきった僕たちが、いつの間にか置き忘れてしまった大切な何かが、この島には今なお確かに息づいているのです。
旅の終わりを迎えた今も、ふとした瞬間にあのコーヒーの香ばしい香りや、サンバルの鮮烈な辛さ、そしてアラックを酌み交わした村の夜の風景を思い出します。それらはもはや単なる味覚の記憶ではなく、僕の一部となったかけがえのない経験へと昇華しました。
もし日常から少しだけ離れて旅立ちたいと思うなら、次の目的地にフローレス島を選んでみてください。ここにはあなたの五感を揺さぶり、心を豊かにする未知の味覚の冒険が待っています。さあ、バックパックに少しの勇気を詰めて。神々の足跡が残るこの島で、あなた自身の舌で、あなただけの物語を味わってほしいのです。旅の準備は、もう始まっています。
旅の終わりに、いくつかの音符を
最後に、これからフローレス島へ向かうあなたに向けて、いくつかの実用的な情報をお伝えしたいと思います。旅の計画という楽譜に、役立つ音符をそっと加えることができれば幸いです。
まず、通貨はインドネシアルピア(IDR)です。ラブアンバジョにはATMや両替所がいくつかありますが、内陸の町や村では現金の入手が難しくなることが多いため、あらかじめラブアンバジョで十分な現金を準備しておくことをおすすめします。クレジットカードが使える店舗もまだ限られていると考えておいたほうがよいでしょう。
インターネット環境については、ラブアンバジョのホテルやカフェでWi-Fiが利用できる場所が多いです。ただし、少し離れた地域では電波が急激に弱くなるため、現地のSIMカード(特にTelkomselが電波状況は比較的良好です)を購入しておくと、地図アプリを使う際などに役立ちます。
島内の移動手段は主に、乗り合いバス(ベモ)、レンタルバイク、そしてドライバー付きの車のチャーターの三つがあります。長距離を効率的に移動したい場合は、ドライバー付きの車を一日チャーターするのが最も快適かつ安全です。料金は交渉によりますが、一日あたり600,000〜800,000ルピアが相場です。近距離の移動ならば、レンタルバイクが自由度もあっておすすめです。ただし、道路状況が悪く交通マナーも日本とは異なるため、運転には十分な注意が必要です。
フローレス島は年間を通して温暖な気候ですが、乾季(4月〜10月頃)と雨季(11月〜3月頃)の二つの季節があります。旅の最適なシーズンは晴れが続く乾季で、特にトレッキングを計画しているならこの時期を狙うと良いでしょう。ただし、高原地帯は朝晩がかなり冷えるため、季節を問わず軽い羽織ものを持って行くことをおすすめします。
さあ、これで準備は整いました。あなたのフローレス島の旅が、忘れられない味わいと香りに満ちた素敵なものになることを心より願っています。

