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    逆境でも旅行熱は冷めず!米国旅行者、年間予算を700ドル増額

    経済的な不確実性が叫ばれる中でも、旅への情熱は衰えるどころか、むしろ新たな形へと進化しているようです。米国の旅行者が、生活費の上昇という逆風を受けながらも、2026年の年間旅行予算を約700ドル増額するという驚きの調査結果が、MMGYトラベル・インテリジェンスによって発表されました。

    これは単なる楽観論ではありません。旅行を生活の優先事項と位置づけ、その実現のために計画や支払い方法を賢く調整する、現代の旅行者のしたたかな姿が浮き彫りになっています。

    目次

    経済的圧力と旅行意欲のパラドックス

    インフレや生活費の高騰は、世界中の消費者の財布を圧迫しています。しかし、こと旅行に関しては、多くの米国人にとって「節約」の対象ではなく、「維持」すべき重要な生活の一部と捉えられているようです。

    パンデミックを経て「経験」への価値観が大きく変化し、物理的な所有(モノ消費)よりも、思い出や体験(コト消費)を重視する傾向が強まりました。この価値観の変化が、経済的な圧力下でも旅行への支出を後押しする大きな要因となっています。

    MMGYの調査によると、旅行者は旅そのものを諦めるのではなく、予約のタイミングを工夫したり、費用対効果の高い選択肢を探したりと、より戦略的に旅行を計画するようになっています。

    賢く旅する新潮流:テクノロジーと支払い方法の進化

    予算を増やしつつも、その中で最大限の価値を得るために、旅行者は新しいツールやサービスを積極的に活用しています。

    テクノロジーの駆使

    AIを活用した旅行プランナーで最適なフライトや宿泊施設を検索したり、ソーシャルメディアでリアルな口コミやお得な情報を収集したりするのはもはや当たり前。テクノロジーを駆使して情報格差を埋め、より賢い消費行動をとる旅行者が増えています。

    ロイヤリティプログラムの徹底活用

    航空会社のマイルやホテルのポイントプログラムを計画的に利用し、実質的な支出を抑える動きも顕著です。ロイヤリティプログラムは、単なる割引サービスではなく、旅行計画の中核をなす重要な要素となっています。

    柔軟な支払いモデルの台頭

    「BNPL(Buy Now, Pay Later)」に代表される後払いサービスを利用し、高額になりがちな旅行費用を分割で支払うスタイルも普及しています。これにより、一度に大きな出費をすることなく、旅行という目標を実現しやすくなっています。

    世代で異なる旅行への投資:ベビーブーマー世代が市場を牽引

    今回の調査で特に注目すべきは、世代間の動向の違いです。

    最も経済的に安定しているベビーブーマー世代(1946年〜1964年生まれ)は、今後12ヶ月間の旅行支出を大幅に増やすと予測されています。彼らは旅行の回数を急激に増やすのではなく、一回あたりの旅行の質を高める傾向にあります。より豪華な宿泊施設、特別な体験、長期滞在など、付加価値の高い旅行への投資を惜しまないのが特徴です。

    一方で、ミレニアル世代やZ世代は、予算の制約の中で前述のテクノロジーや支払い方法を駆使し、コストを抑えながらも頻繁に旅を楽しもうとする傾向が見られます。

    今後の旅行業界への影響と日本への示唆

    この米国旅行者の動向は、世界の旅行業界、そして日本のインバウンド市場にも大きな影響を与える可能性があります。

    今後の旅行業界では、単に価格の安さを競うだけでなく、旅行者が求める「価値」や「特別な体験」を提供できるかが成功の鍵となります。特に、支出意欲の高いベビーブーマー世代をターゲットにした、高品質でユニークな旅行商品の需要はさらに高まるでしょう。

    日本を訪れる米国人観光客も、同様の傾向を示すことが予想されます。日本の観光事業者にとっては、地方の文化体験や美食ツアー、ウェルネスリトリートといった、高付加価値型コンテンツの提供が、彼らを惹きつける重要な要素となります。また、BNPLなどの多様な決済手段への対応も、今後の競争において有利に働くかもしれません。

    経済状況がどうであれ、旅を求める人々の心はなくなりません。むしろ、その実現のために知恵を絞り、新しい方法を模索する。そんな旅行者の力強い姿が、これからの旅の未来を形作っていくことでしょう。

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