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    聖なる泉に抱かれて。バリ島ウブド、ティルタ・エンプルで心身を洗い清める神秘の沐浴体験

    南国の太陽が降り注ぎ、青々としたライステラスがどこまでも広がる神々の島、バリ。その中でも、芸術と文化の中心地として知られるウブドは、訪れる人々の魂を優しく癒す不思議な力に満ちています。ヨガや瞑想、オーガニックな食事など、心と身体を整える旅を求める人々が世界中から集まるこの土地には、古くから受け継がれてきた聖なる場所が点在しています。今回ご紹介するのは、ウブドの喧騒から少し北へ向かった場所にある、1000年以上の歴史を持つ聖なる泉の寺院「ティルタ・エンプル」。ここは、ただ美しい寺院というだけではありません。大地からこんこんと湧き出る聖水で全身を清め、心身の穢れを洗い流す「ムルカット」という神聖な沐浴儀式を、私たち旅人も体験できる特別な場所なのです。日常のストレスや悩み、目には見えない疲れを解き放ち、まるで生まれ変わったかのような感覚を味わえる神秘の体験へ、ご案内しましょう。

    ウブドでの神秘的な体験の後は、バリ島の喧騒を離れた高原の楽園ムンドゥックで静寂に包まれる旅もおすすめです。

    目次

    ティルタ・エンプルとは?神々が創造した癒しの泉

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    ウブドから車でおよそ30分、緑豊かなタムパクシリン村に位置するティルタ・エンプル寺院は、静寂の中にその姿をたたえています。名前の由来はインドネシア語で、「ティルタ(Tirta)」が「聖水」、「エンプル(Empul)」が「湧き出る」という意味を持ち、まさに「聖なる水が湧き出る寺院」として、古くからバリ・ヒンドゥー教徒にとって最も神聖な場所のひとつとされてきました。その歴史は古代、バリ島にヒンドゥー教が根付いた時期にさかのぼり、その息吹を現代に伝えています。

    1000年を超える歴史を刻む神聖な場

    ティルタ・エンプルの歴史は西暦962年、バリ島を治めていたワルマデワ王朝の時代にまで遡ります。発見された石碑の記録によると、この年に寺院が建立されたことが記されており、1000年以上もの長きにわたり多くの人々の祈りを受け入れてきた、まさに生きた聖地といえます。寺院の建築は古代バリの伝統様式を色濃く残し、苔に覆われた石像や精巧に彫刻された割れ門(チャンディ・ブンタル)は、訪れる者を神々の世界へと誘います。バリ島に数多くの寺院が点在する中、ティルタ・エンプルはその深い歴史と、今なお絶えず湧き続ける聖水の神秘的な力によって、特別な存在感を放っています。この泉から汲み取られる聖水は、島内で行われる様々な儀式において「清めの水」として用いられ、人々の暮らしと信仰に深く根ざしています。

    善と悪の戦いが今に伝わる伝説の地

    ティルタ・エンプル誕生の背景には、バリ・ヒンドゥー教の神話の中でも特に名高い、善と悪の壮絶な争いが息づいています。それは、神々の王であるインドラ神と、強大な魔力を持つマヤ・デナワ王の対立にまつわる物語です。

    かつてバリ島には、民衆に神として崇められることを強要し、神々への信仰を禁じていた傲慢な王マヤ・デナワがいました。彼の圧政に苦しむ人々と怒りを覚えた神々は、ついに天界からインドラ神を送り込み、軍を率いてマヤ・デナワ討伐を始めます。激闘の末に追い詰められたマヤ・デナワは夜陰にまぎれてインドラ神の軍隊の野営地に忍び込み、有毒な泉を湧き出させました。翌朝、その水で喉を潤した兵士たちは次々と倒れてしまったのです。

    兵士たちの苦境を目の当たりにしたインドラ神は、大地に強く杖を突き刺しました。するとその場所から清らかな水が溢れ出し、不老不死の力を持つ聖なる水「アムリタ」となりました。インドラ神はこの聖水で兵士たちを回復させ、再びマヤ・デナワを追い詰め、最終的に討ち破ることに成功しました。この伝説の泉こそが現在のティルタ・エンプルであると語り継がれています。この神話は、ティルタ・エンプルの水がただの清浄な水ではなく、悪を浄化し命を蘇らせるほど神聖な力を宿していることを示しています。そこでの沐浴体験は、この伝説の世界に自らの身を置き、インドラ神がもたらした浄化のエネルギーを直接感じることができる、時を超えた祈りの儀式なのです。

    聖なる泉がもたらす心身の浄化(ムルカット)

    ティルタ・エンプルでの沐浴は、バリ・ヒンドゥー教徒にとって非常に大切な浄化の儀式「ムルカット(Melukat)」の一部です。これは単なる身体の汚れを洗い流す行為にとどまらず、私たちの内側に溜まったネガティブなエネルギーや思考、過去のカルマといった精神的な汚れを清め、魂を本来持つ純粋な状態へと戻す神聖なプロセスなのです。

    バリ・ヒンドゥーの浄化儀式「ムルカット」とは

    「ムルカット」という言葉は、サンスクリット語の「ルカット(Lukat)」から派生し、「浄化する」「清める」という意味があります。バリの人々は人生の節目や何か新しいことを始める際、病気や不運が続く時、あるいは満月や新月など特別な日にこのムルカットを行います。彼らは、目に見える現象の背後に目に見えない霊的エネルギーの世界が常に存在すると信じており、定期的に魂を浄化することが心身の健康と幸福を保つために欠かせない習慣となっています。

    このムルカットによって洗い流されるのは、単に肉体の汚れだけではありません。むしろ、嫉妬や怒り、悲しみといったネガティブな感情や悪夢、他者からの悪意、そして無意識に犯してしまった過ちなど、精神的な「穢れ(Sebel Kandel)」を取り除くことが主な目的です。聖なる水に身をゆだねることで、これらの重荷から解き放たれ、心は軽やかに、思考は澄み渡り、新たな活力で満たされると信じられています。ティルタ・エンプルの泉はバリ島における数多くのムルカットの場の中でも特に強い力があるとされ、多くの人々が癒しと再生を求めて訪れています。

    科学では説明しきれない?聖なる水がもたらす不思議な体験

    ここでは理屈では説明のつかない不思議な体験が待っています。初めてティルタ・エンプルの沐浴場に入り、聖水に体を浸した時の感覚は、おそらく一生忘れられないでしょう。予想以上に冷たい水が肌をピリピリと刺激しますが、それは単なる水温の低さだけでなく、何か根源的なエネルギーが身体の奥深くまで染み渡るような独特の感覚です。

    私自身、霊的なものを感じやすい体質なのですが、この泉の水に頭まで浸かった瞬間、まるで頭頂から何かがスーッと抜け落ちていくような不思議な解放感を味わいました。日々の生活の中で無意識に溜め込んでいた思考のノイズや、肩に重く乗っていた責任感のようなものが、澄んだ水に溶けていくかのように感じられました。ひとつひとつの噴水口で祈りと共に水を浴びるたびに、身体のみならずオーラのような自分を包むエネルギーの層までが洗い清められていくのを実感します。

    マインドフルネスの観点からも、この沐浴体験は非常に深い意味を持ちます。冷たい水の感覚、流れる水音、周囲の人々の祈りの声。五感を通じて感じるすべてが「今、この瞬間」へと意識を集中させます。過去の後悔や未来の不安といった雑念から解放され、ただ聖なる水と一体になる時間は、深い瞑想状態に似た静寂を心にもたらします。沐浴を終えて陸に上がると、体は冷えていても心は驚くほど温かく、軽やかで穏やかなことに気づくでしょう。それはまるで、魂のデトックスを終えた後のような爽快感に満ちています。

    沐浴体験の完全ガイド:手順とマナー

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    ティルタ・エンプルでの沐浴は、バリ・ヒンドゥー教徒にとって神聖な儀式ですが、観光客も敬意と適切な作法を守れば、この神聖な水の恩恵を受けることが可能です。ここでは、沐浴体験に必要な準備から具体的な手順、そして守るべきマナーについて詳しく解説します。

    沐浴前の準備

    円滑に沐浴を楽しむために、あらかじめ準備しておくべきポイントをご紹介します。

    • 服装

    寺院の境内に入るには、男女共にサロン(腰に巻く布)とスレンダン(帯)を着用することが義務付けられています。これらは寺院の入口で無料レンタルが可能ですが、沐浴をする場合は濡れてもよい服装が必要です。多くの方は水着を着て、その上に沐浴用のサロンを巻くスタイルをとっています。沐浴用のサロンは寺院内で有料レンタルもできます。体が冷えやすい方は、沐浴後に羽織るものを持参すると便利です。上半身はTシャツや軽装のまま沐浴する方が多いです。

    • 持ち物

    必須となるのは着替えとタオルです。寺院内には簡素な更衣室と有料ロッカーがありますが、鍵が壊れていることもあるため、貴重品は最小限にし、防水ポーチやバッグに入れ自己管理するのが安心です。スマートフォンを持ち込む場合は防水ケースに入れることをおすすめします。

    • お供え物(チャナン・サリ)

    バリ・ヒンドゥー教の祈りに欠かせないのが「チャナン・サリ」と呼ばれるお供え物です。ヤシの葉で作られた小さな器に、色鮮やかな花びらやお米、お香が美しく盛り付けられています。これは神々への感謝と祈りを表現したもので、寺院の入口付近の売店で数千ルピア程度の手頃な価格で購入可能です。是非ひとつ用意し、地元の人々と同じように祈りを捧げてみてください。お供えをすることで、この場所の神聖さをより深く感じられるでしょう。

    沐浴の手順を段階的にご案内

    現地の人々の作法に従い、敬意をもって儀式に参加しましょう。

    • ステップ1:寺院への入場とお祈り

    まず、入口で入場料を支払いサロンとスレンダンを着用します。沐浴の意思を伝えると、沐浴場まで案内してもらえます。沐浴前には、まず寺院の本殿エリア(外庭や中庭)へ進み、お祈りを捧げるのが正しい作法です。購入したチャナン・サリにお香を立て、祭壇に静かにお供えし、手を合わせて感謝の気持ちと沐浴が無事遂行されるよう祈りを捧げましょう。

    • ステップ2:更衣室での着替え

    お祈りを終えたら、沐浴場手前の更衣室へ行き、水着に着替え沐浴用サロンを腰に巻きます。不要な荷物はロッカーに預け、鍵が確実にかかっているか確認しましょう。

    • ステップ3:沐浴場へ入場

    着替えを済ませたら、いよいよ沐浴場(Jaba Tengah)に入ります。そこには聖なる水が満たされた長方形の池と壁に沿って並ぶ多くの噴出口(パンチュラン)が見えます。まずは池のそばの祭壇で、これからの沐浴への許しを願い、再度祈りを捧げます。その後、手桶で水を汲み、頭から数度かぶり身体を水に慣らしていきます。

    • ステップ4:聖なる噴出口での浄化

    ティルタ・エンプルの沐浴場にはおよそ30の噴出口があり、2つの沐浴池に分かれています。参拝者は左端の噴出口から順に右へ移動しながら、一つ一つの水で身を清めていきます。各噴出口には健康、富、幸運、家庭円満、悪霊祓いなど、それぞれ異なる意味や力が宿ると信じられています。

    基本の作法は、噴出口の下でまず合掌し祈りを捧げます。続いて両手で流れる水を受け、3回顔を洗い、3回口をすすぎ、さらに3回頭から水をかぶります。最後に噴出口の真下に頭を入れ、聖なる水が頭頂から背骨を伝い全身を流れるのを感じつつ、心の中で願い事や浄化したいことを念じます。この一連の動作を噴出口を移動しながら繰り返します。

    重要なポイントとして、メインの沐浴池にある噴出口のうち、11番目と12番目は死者を清める特別な儀式用のもので、一般参拝者は飛ばすのがルールです。現地の人も利用しないため、誰も並んでいないことが気付くこともありますが、あらかじめ知っておくべき大切なマナーです。

    押さえておきたいマナーと注意事項

    神聖な体験をより良いものにするため、以下の点を守りましょう。

    • 生理中の女性は、バリ・ヒンドゥー教の教えにより「不浄」とみなされており、寺院の境内、特に沐浴場には入場できません。これは差別ではなく、エネルギーの観点からの神聖な決まりです。同様に、出血を伴う怪我を負っている人も入場禁止となります。
    • 寺院内では常に敬意をもって振る舞いましょう。大声で話したり走り回ったりすることは厳禁であり、祈りを捧げている方々の邪魔にならないよう、静かに行動することが求められます。
    • 写真撮影は許可されていますが、祭壇や祈っている人々を無遠慮に撮影するのはマナー違反です。特に沐浴中は、他の参拝者が映り込まないよう配慮をしましょう。
    • 沐浴場の水は神聖なものであり、飲用のためのものではありません。口をすすぐ際に水を飲み込まないよう注意してください。

    ティルタ・エンプルを深く味わうためのトリビア

    ティルタ・エンプルの魅力は、ただ沐浴を体験するだけにとどまりません。この聖地での滞在がより一層意味深く、興味深いものになるような、いくつかのトリビアを紹介します。

    大統領の別荘から望む絶景

    ティルタ・エンプル寺院のすぐ隣、緑豊かな丘の上に白く美しい建物があるのをご存知でしょうか。実はここは、インドネシア初代大統領スカルノ氏のために建てられた大統領の別荘(Istana Tampaksiring)です。スカルノ大統領はバリの文化や芸術を深く愛しており、この神聖な泉を見下ろす場所に静養用のヴィラを築きました。現在も国内外の要人を迎える迎賓館として使われていますが、一般の人は立ち入ることができません。それでも、国の指導者たちがこの聖なる泉の力に魅了され、特別な場所として尊んでいたという事実は、ティルタ・エンプルの重要性を示しています。寺院の境内から丘の上の別荘を見上げて、「もしかすると大統領もあの景色を眺めていたのかもしれない」と想像してみるのも一興です。

    聖なる泉に棲む生き物たち

    沐浴場の澄んだ水の中をよく見ると、色鮮やかで大きな鯉がゆったりと泳いでいるのに気がつくでしょう。これらの魚は単なる観賞用ではありません。この聖なる泉に棲む生き物たちは、神々の使い、あるいは化身とされ、敬意を持って保護されています。参拝者が沐浴しているそのすぐそばで、全く人間を恐れずに泳ぐ姿は、神と自然と人間が共存するバリ島の世界観を象徴しているかのようです。彼らの優雅な泳ぎを見つめていると、心が穏やかに安らいでいくのを感じるでしょう。彼らを驚かせたり捕まえたりすることは、決して許されません。

    湧き水が織り成す神秘的な光景

    沐浴を終えた後は、ぜひ寺院の最も奥にある中庭(Jeroan)へ足を運んでみてください。ここにはティルタ・エンプルの中心とも言える、聖水が湧き出る源泉があります。池の底のあちこちから黒い砂が静かに舞い上がりながら、水が絶え間なく湧き出ている様子は、まさに神秘的という言葉がふさわしい光景です。まるで地球の生命エネルギーが目に見える形であふれ出しているかのようです。この源泉は最も神聖な場所とされ、沐浴は禁止されています。しかし、その静かな空間で、1000年以上も枯れることなく命の水を湧き続ける大地の営みをじっと見つめているだけで、心が清められ、深い感動に包まれることでしょう。インドラ神が杖を突き立てたという伝説の真の場所に立っているという実感が、自然と湧き上がってきます。

    沐浴後の心と身体の変化

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    聖なる水による浄化を終えた後、心身にどのような変化が現れるのでしょうか。それは言葉で伝えるのが難しいほど深く、かつ心地よいものです。

    生まれ変わったかのような爽快感と静寂

    服を着替え、乾いた衣服を身にまとった瞬間、まず感じるのは体の奥底からじんわりと広がる温もりです。以前は冷たく感じられた水がまるで嘘のように、血流が促され全身が温かさに包まれます。そして何よりも印象的なのは、精神面の変化です。頭の中のもやが晴れたように思考がはっきりとし、視界までもが明るくなったように感じられます。以前は心に引っかかっていた悩みや不安が、なぜか些細に思えてくるのです。

    これは単なる気分の変化ではなく、ムルカットによってネガティブなエネルギーが実際に洗い流された証拠なのかもしれません。心は静かな湖のように穏やかになり、深い安らぎと感謝の念が内側から湧き出してきます。多くの人が「まるで生まれ変わったようだ」と表現する、まさに魂のリセットといえる体験。この爽快感と静けさは、ティルタ・エンプルでしか味わえない特別なものです。

    日常生活に戻ってからも続く浄化の恩恵

    ティルタ・エンプルでの体験の素晴らしい点は、その効果が一日限りで終わらないことです。旅を終え日常に戻った後も、しばらくの間穏やかで前向きな心持ちが続くことに気づくでしょう。物事がスムーズに進展したり、人間関係が円滑になったりと、まるで運気が向上したかのような良い出来事が訪れることも少なくありません。これは、浄化を通じて自分自身のエネルギーが整い、良い流れを呼び寄せやすくなった結果かもしれません。

    健康志向の旅をテーマにする私にとって、この体験は究極のウェルビーイングであり、心身のデトックスそのものです。一度この深い浄化を経験すると、人生の節目や疲れを感じた時に、「またあの聖なる泉に戻りたい」と強く願うようになります。ティルタ・エンプルは、一度訪れるだけで終わる場所ではなく、何度も訪れて自分をリセットし、新たなエネルギーを補充する、まさに魂の故郷のような存在なのです。

    ティルタ・エンプルへのアクセスと周辺情報

    ウブドを拠点にしてティルタ・エンプルへの訪問を計画する際に役立つ、具体的な情報をご案内します。

    ウブド中心地からのアクセス手段

    ウブドの中心地からティルタ・エンプルまでは北東方向に約15km、車で約30〜40分の距離です。主な交通手段は以下の通りです。

    • カーチャーター

    車とドライバーを時間単位で貸し切る方法で、快適さと自由度が高いのが魅力です。複数の観光地を効率的に回りたい場合に特におすすめです。料金は時間や車種によって異なりますが、半日(4〜6時間)でおおよそ50万〜70万ルピアが目安となります。

    • タクシー・配車アプリ(GojekやGrab)

    片道だけ利用するなら、タクシーや配車アプリが便利です。料金は交通状況次第ですが、片道15万〜25万ルピア程度が一般的です。ただし、帰りの交通手段が見つかりにくくなることもあるため、ドライバーに待機を依頼するか、往復で予約することをおすすめします。

    • バイクレンタル

    国際運転免許を所持しており、海外での運転に慣れている方ならバイクのレンタルも選択肢の一つです。機動性が高く、風を感じながら走る爽快感がありますが、交通が混雑しているうえ道も複雑なため、安全面には十分注意が必要です。

    周辺の立ち寄りスポット

    ティルタ・エンプルの近隣には、一緒に訪れると良い魅力的な観光地が点在しています。カーチャーターを利用し、1日で複数箇所を巡るプランを組むのがおすすめです。

    • グヌン・カウィ(Gunung Kawi)

    ティルタ・エンプルから車で約5分の距離にある、巨大な石窟遺跡群です。パクリサン川の両岸の岩壁には、高さ7mにも及ぶ11世紀の王族の陵墓が彫られており、その壮大さと神秘的な雰囲気は圧巻です。300段以上の階段を渓谷の底まで下りながら、見事なライステラスの景色を楽しめるので、冒険心をくすぐる場所とも言えます。

    • ゴア・ガジャ(Goa Gajah)

    「象の洞窟」として知られる11世紀の遺跡で、入り口には魔除けの巨大な顔のレリーフが刻まれています。この顔の口の内部が洞窟になっており、内部にはヒンドゥー教の三大神やガネーシャ像が安置されていて、古代の密教的な空気が漂っています。

    • テガララン・ライステラス(Tegalalang Rice Terrace)

    ウブド観光の目玉の一つで、美しい棚田の景観が広がっています。ユネスコの世界遺産にも登録されているバリのスバック(水利システム)によって保たれている、その芸術的な景観は必見です。カフェでひと休みしながら、絶景を楽しむのも良いでしょう。

    項目 詳細情報
    名称 ティルタ・エンプル寺院 (Pura Tirta Empul)
    住所 Jl. Tirta, Manukaya, Tampaksiring, Kabupaten Gianyar, Bali 80552, Indonesia
    営業時間 通常は8:00〜18:00(宗教行事の際は変更の可能性あり)
    入場料 大人50,000ルピア、子供25,000ルピア(2024年時点。料金変更の可能性あり)
    服装の注意点 サロン(腰布)とスレンダン(腰帯)の着用が必須です。入口で無料レンタルが可能。沐浴する場合は濡れても構わない服装(水着やTシャツ等)と着替え、タオルを持参してください。
    そのほか 沐浴用のサロンやロッカーは有料でレンタル可能です。生理中の女性や出血を伴う怪我のある方は、沐浴場への立ち入りをお控えください。

    魂の故郷に触れる旅

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    ティルタ・エンプルでの沐浴体験は、単なる観光地巡りとは一線を画す、深い内省を促す旅となります。ここでは、バリの人々が古くから大切に守り続けてきた自然への尊敬や神々への信仰、そして目に見えない世界との繋がりを肌で感じることができます。1000年以上もの間途切れることなく湧き出る聖なる泉に身をゆだねると、時間という枠を超え、この島の豊かな精神文化の一部に溶け込むような感覚を味わえるでしょう。

    日々の慌ただしい生活の中で、私たちは気づかぬうちに多くの重圧を抱え心身を消耗しています。もし今、何かから解放されたい、自分自身をリセットしたいと願っているなら、バリ島ウブドの聖なる泉が優しくあなたを迎え入れてくれるはずです。インドラ神の授けた癒しの水は、心身にたまった澱みを洗い流し、本来の輝きを取り戻す手助けをしてくれるでしょう。それは、自らの魂の故郷に触れるような、忘れがたい体験になること間違いありません。水の記憶があなたの魂を再生へ導く旅へ、ぜひ足を踏み入れてみてください。

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    この記事を書いた人

    心と体を整えるウェルネスな旅を愛するSofiaです。ヨガリトリートやグランピングなど、自然の中でリフレッシュできる旅を提案します。マインドフルな時間で、新しい自分を見つける旅に出かけましょう。

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