米国各地の空港で、フライトのキャンセルや遅延が急増しており、旅行者に大きな影響を与えています。水曜日の朝だけで850便以上がキャンセル、1,100便以上が遅延を記録。前日の火曜日には、実に1,200便以上が欠航し、8,800便以上が遅延しました。
この大規模な混乱の裏には、単一ではない複数の要因が複雑に絡み合っています。これから米国への渡航を計画している方は、現地の状況を十分に理解し、備える必要があります。
空の便を麻痺させる「三重苦」
現在の混乱は、主に3つの大きな原因によって引き起こされています。
厳しい冬の天候
第一に、米国の中西部から北東部を襲っている厳しい冬の天候です。大雪や強風により、シカゴ・オヘア国際空港やデンバー国際空港、ニューヨークのラガーディア空港といった主要なハブ空港のオペレーションが著しく妨げられています。航空会社は、乗客と乗務員の安全を確保するため、予防的なフライトキャンセルを余儀なくされています。
構造的な問題:FAAの人員不足
第二に、以前から指摘されている連邦航空局(FAA)の航空管制官不足という構造的な問題です。管制官の数が不足しているため、通常時でも航空交通システムには余裕がありません。そこに悪天候のような突発的な事態が加わると、システム全体が連鎖的に遅延や欠航に陥りやすくなります。この問題は一朝一夕に解決できるものではなく、米国の航空インフラが抱える慢性的な課題となっています。
忍び寄る「政府閉鎖」のリスク
そして第三の要因が、政治的な問題である「政府機関の一部閉鎖」の可能性です。もし政府閉鎖が現実となれば、航空管制官や空港の保安検査を担当する運輸保安庁(TSA)の職員は、給与が支払われないまま勤務を続けることになります。
これにより職員の士気が低下し、病欠を理由とした欠勤が増加する可能性があります。過去の政府閉鎖時にも同様の事態が発生し、保安検査場の長蛇の列やフライトの遅延・欠航につながりました。この政治的な不確実性が、すでに逼迫している航空システムにさらなる圧力をかけているのです。
今後の予測と旅行者が取るべき対策
航空便の混乱は当面続く可能性
これらの問題、特に天候と政府閉鎖のリスクが解消されない限り、フライトの混乱は続くと予想されます。特に、航空管制官の人員不足は長期的な課題であり、今後も米国の航空網の脆弱性として残り続けるでしょう。
渡航前に必ず確認すべきこと
これから米国へ渡航される方、また米国内での移動を予定している方は、以下の点に注意してください。
- フライト状況の確認: 出発の直前まで、利用する航空会社のウェブサイトやアプリで最新の運航状況を常に確認してください。
- 代替プランの検討: 万が一フライトがキャンセルされた場合に備え、代替のフライトや移動手段を事前に調べておくと安心です。
- 空港には早めに到着: 保安検査場の混雑や予期せぬ手続きに時間がかかる可能性があるため、通常よりも時間に余裕を持って空港に向かうことをお勧めします。
- 旅行保険の確認: 加入している海外旅行保険が、フライトの遅延やキャンセルによって生じた宿泊費などの追加費用をカバーしているか、補償内容を再確認しておきましょう。
米国の空の旅は、現在、複数の要因によって不安定な状況に置かれています。旅行を計画する際は、こうしたリスクを念頭に置き、常に最新の情報を入手しながら、柔軟に対応できるよう準備しておくことが重要です。

