ユナイテッド航空は2026年9月、公式アプリから搭乗ゲートへ食事や旅行必需品を注文・配達できる「ゲートデリバリー」のテスト運用をニュー
2026年9月、ユナイテッド航空は乗客の利便性を劇的に向上させる新たなデジタルサービスのテスト運用を開始しました。自社の公式アプリを通じて、搭乗ゲートまで直接食事や旅行の必需品を注文・配達できる画期的な機能です。乗り継ぎ時間の短い乗客や空港での待ち時間を有効活用したい旅行者にとって、大きなメリットをもたらす取り組みとして注目を集めています。
テスト運用の概要と具体的な提供サービス
この新しいゲートデリバリー機能のテストは、現在ニュージャージー州のニューアーク・リバティー国際空港(EWR)で実施されています。対象となるのは、ターミナルCにある特定の9つのゲート(C125からC138)から出発、または同ゲートで乗り継ぎを行うフライトの乗客です。
利用方法は非常にシンプルに設計されています。対象フライトの乗客には出発前にユナイテッド航空のアプリやメールを通じてプッシュ通知が届き、アプリ内でそのままメニューの閲覧と注文が完結します。決済後、商品はゲート近くに設置された専用のピックアップ棚に届けられ、乗客は搭乗直前に受け取ることができます。
注文できる商品は多岐にわたります。
- サンドイッチ、サラダ、キッズミールなどの軽食
- コーヒーなどの温かい飲み物や冷たい飲料、スナック菓子
- 充電ケーブル、ネックピロー、市販薬などの旅行必需品
商品の調理と配達にあたっては、空港内店舗の運営を手掛けるOTG社と提携しており、ターミナルCにある「Nonna’s Kitchen」や「Victory Grill」といった人気レストランのメニューが提供されています。特別な別アプリのダウンロードや新規アカウントの作成は不要で、すでにフライト情報が連携されている既存の航空会社アプリ内で完結する点が大きな特徴です。
導入の背景にある乗り継ぎ客のペインポイント解消
このサービスがニューアーク・リバティー国際空港で最初にテストされた背景には、同空港がユナイテッド航空にとって非常に取扱量の多いハブ空港であるという事実があります。
ハブ空港での国際線や国内線の乗り継ぎでは、遅延などの影響により次のフライトまでの時間が極端に短くなることが頻繁に発生します。これまで、乗り継ぎの空き時間がわずかしかない乗客は、食事の購入を諦めるか、フライトに乗り遅れるリスクを冒して混雑した飲食店の行列に並ぶかの厳しい選択を迫られていました。
ユナイテッド航空の最高顧客責任者が述べているように、搭乗直前の時間は乗客が最も手軽に食事にアクセスしたいと感じる瞬間です。アプリを通じて移動中に事前注文を済ませておけば、搭乗ゲートに向かうだけで商品を受け取ることができ、顧客体験の向上に直結します。また、空港ラウンジの利用権を持たない乗客にとっても、混雑を避けてスマートに食事を手配できるこの機能は、ストレスフリーな旅行環境を提供します。
予測される未来と航空会社の新たな収益源
ユナイテッド航空は、このテストプログラムの成果と顧客からのフィードバックを収集し、今年(2026年)の後半にはテキサス州のヒューストンの空港へも同サービスを拡大する計画を発表しています。さらに長期的には、利用者のスマートフォンアプリだけでなく、機内の座席背面にあるエンターテインメント画面に注文システムを直接統合することも見据えています。これが実現すれば、到着前の機内から次のフライトの搭乗ゲートへ食事を手配するといった、よりシームレスで未来的な旅行体験が可能になります。
ビジネスの観点から見ると、このデジタル化の取り組みは航空会社の非航空収入(アンシラリー・レベニュー)戦略として非常に重要です。従来、空港内の飲食店や売店が独自に得ていた収益の導線を、航空会社が自社のデジタルプラットフォームを経由させることで、仲介手数料や新たなパートナーシップ収入として取り込むことが可能になります。
他の大手航空会社もこのユナイテッド航空の動向を注視しており、自社アプリを活用したゲートへのデリバリーサービスは、今後の国際空港における標準的なサービスへと発展していく可能性を秘めています。旅行者にとっては、空港での過ごし方がよりパーソナライズされ、時間の制約から解放される未来がすぐそこまで来ています。

