MENU

    土と炎に触れる、ベトナム陶芸の里。ハノイ郊外「バッチャン村」で自分だけの器を作る旅

    旅の醍醐味は、その土地の空気を吸い、文化に触れ、そこに生きる人々の息遣いを感じることにある。グラスを傾け、見知らぬ誰かと笑い合う酒場の時間も格別だが、ときには自分の手で何かを生み出す旅も、また心を豊かにしてくれる。

    今回、僕が向かったのはベトナムの首都ハノイからほど近い、紅河のほとりに佇む小さな村、「バッチャン(Bát Tràng)村」。ここは、500年以上の歴史を誇る伝統的な陶芸の村だ。喧騒のハノイを少し離れ、土をこね、ろくろを回し、世界にたった一つの自分だけの器を作る。そんな、どこか懐かしく、そして新しい体験が待っている場所。

    この記事を読んでいるあなたも、きっと次の旅では、ただ見るだけじゃない、触れて、感じて、創り出す喜びを味わいたくなるはずだ。さあ、一緒に土と炎が織りなす手仕事の世界へ、旅に出かけよう。

    目次

    なぜ今、バッチャン村なのか?その魅力に迫る

    batchan-village-charm

    ハノイ旅行の計画を立てる際、多くの人はハロン湾のクルーズや旧市街のグルメ散策を思い浮かべるだろう。もちろん、それも素晴らしいベトナム体験の一つである。しかし、「もっと深くベトナムの文化に触れたい」「ありきたりな観光では満足できない」と感じるなら、バッチャン村への半日トリップが絶好の選択肢になるはずだ。

    ハノイからわずか1時間、気軽に訪れる非日常の世界

    バッチャン村の一番の魅力は、何と言ってもそのアクセスの良さにある。ハノイ中心部から車で約40分から1時間程度。まるで隣町へ出かけるような気軽さで、昔ながらのベトナム伝統工芸の世界へ足を踏み入れられる。多くのツアーでは送迎がついているし、個人でタクシーや配車アプリを利用しても簡単に行けるのが嬉しいポイントだ。忙しい旅行スケジュールの中でも半日あれば十分に楽しめる手軽さが、多くの旅行者を惹きつけてやまない。

    土の感触に触れ、無心になれるひととき

    日常生活ではなかなか土に触れる機会は少ない。ひんやりと湿った粘土が、自分の指先の動きに応じて少しずつ形を変えていく。ろくろの上で踊るようにのび、やがて器の形へと姿を整える。その過程は、まるで魔法をかけられたかのようだ。

    最初は思い通りにいかなくても問題ない。形が歪んでも、不格好になってもそれでいい。大事なのは土と対話し、無心になって手を動かす時間そのもの。スマートフォンの通知や仕事のメール、心配事もこの時間だけはすっかり忘れられる。これが現代人にとっての最適なデジタルデトックスであり、最高のマインドフルネス体験だと言えるだろう。

    職人との心温まる交流

    バッチャン村の工房では、熟練した職人たちがやさしく、そして根気強く陶芸の基礎を教えてくれる。言葉の壁があっても、身振り手振りや土という共通の素材が私たちの間のコミュニケーションを繋いでくれる。皺の刻まれた彼らの手や、土にまみれた笑顔は、この村が長く守り続けてきた伝統の温もりの象徴だ。単に技術を学ぶだけでなく、彼らの暮らしや思いにも触れられることが、この旅の大きな魅力のひとつである。

    【体験ルポ】ハノイからの半日トリップ、陶芸の旅へ

    ここからは、私が実際に体験した陶芸ツアーの様子を時間の流れに沿ってお伝えしよう。ハノイの賑やかな朝の街並みから、落ち着いた村で土と向き合うひとときまでの半日旅。その光景が、あなたの旅のイメージをより鮮明にしてくれるはずだ。

    午前9:00 ハノイ旧市街、目覚める街の喧騒を背に出発

    泊まっていたハノイ旧市街のホテルにツアーの送迎車が到着した。バイクのクラクションや人々の活気が入り混じる力強い朝の空気。その中に身を置きつつ、車に乗り込むと冷房の効いた心地よい空間に包まれる。にこやかなガイドの若者から今日のスケジュールの簡単な説明を受けた。

    車窓を流れるのは、ハノイの日常の風景だ。フランス植民地時代の趣を残す建物群が次第に新しいビルに姿を変え、その後郊外ののどかな景色へと様変わりしていく。この移動時間もまた旅の一部だ。ガイドが語るベトナムの歴史や文化の話に耳を傾けていると、あっという間に時間が過ぎてしまう。

    午前10:00 バッチャン村に到着。レンガ造りの工房と陶器が彩る路地

    「着きましたよ」と声がかかり顔を上げると、そこはまるで別世界だった。細い路地が入り組み、壁には無数の陶器が飾られている。空気は湿り気を帯びて落ち着き、どこからか土の香りがほのかに漂ってくる。村に点在する工房は素朴なレンガ造りの建物が多く、それ自体が一つの芸術作品のように感じられる。

    私たちが案内されたのは家族経営の小さな工房だ。入口には多彩なデザインのバッチャン焼きが迎えてくれる。鮮やかな藍色で描かれたトンボや蓮の花。その素朴で温かな風合いは、ベトナムの家庭で長い間愛されてきたものなのだという。これから自分が手掛ける器への期待が自然と高まっていった。

    午前10:30 工房にて、土と向き合うひととき

    エプロンを身に着け、いよいよ陶芸体験が始まる。目の前には電動ろくろと、重たくしっとりした粘土の塊。最初に先生がお手本を披露してくれた。滑らかに粘土がお椀の形へと変わっていくその手さばきはまるで魔法のようで、思わず声を上げてしまった。

    「さあ、どうぞ」と促され、私もろくろの前に座る。ひんやりとした粘土の感触がとても心地よい。ペダルを踏み、ろくろを回しながら、教わった通りに両手で粘土を包み込む。

    しかしこれが想像以上に難しい。中心がずれて形が歪んだり、力をかけすぎて薄くなりすぎたりする。粘土は正直で、私の迷いも焦りもそのまま形に表れてしまう。何度か失敗しては粘土の塊へ戻し、でもそれもまた楽しい。先生は笑顔で「大丈夫ですよ、大丈夫」と優しく声を掛け、重心のかけ方や指の力の入れ方を丁寧に教えてくれた。

    約30分の格闘の末、多少歪んではいるものの、自分だけの小さな鉢が形になった。完璧な左右対称ではない不格好さが逆に愛おしく、まるで自分の分身のように感じられる。この没頭の時間、デジタルの世界から離れて土と対話する感覚は、何にも代えがたい至福のひとときだった。

    午前11:30 創作は続き、絵付けで個性を表現

    形を作った器は少し乾かした後に絵付けへと進む。工房には色とりどりの釉薬と筆が揃っている。伝統的なバッチャン焼きのモチーフであるトンボや菊を描くのも良いし、自由な発想でオリジナルのデザインを描くこともできる。

    私は旅の記念として、ベトナムの象徴である蓮の花と、自分の名前をベトナム語で書いてみることにした。見本を参考にしながら慣れない筆で慎重に線を描く。これもまた集中力が必要な作業だ。絵の腕には自信がないが、それも味わいの一部。世界に一つだけの、私だけのオリジナル作品が少しずつ仕上がっていく。この器で冷たいジンを飲んだら、どんなに美味しいだろうと想像が膨らんだ。

    午後12:30 完成、焼き上がりを待つ楽しみ

    絵付けが終わり、私の作業はここで終了だ。この後、工房で釉薬をかけ、高温の窯で焼き上げてもらう。完成までには数日かかるため、その日のうちに持ち帰ることはできない。

    よくある疑問が「作った作品はどうなるのか?」ということ。主な選択肢は次の3つだ。

    • 後日、ハノイ市内のホテルへ届けてもらう: 滞在期間に余裕があれば、焼き上がった作品をホテルまで配送してもらえるサービスがある(別途送料が発生する場合あり)。
    • 国際発送を依頼する: 日本の自宅までの発送も可能で、料金は重さや大きさによって変わるが、旅の思い出が後から届くのはまた特別な体験だ。工房でしっかり確認しよう。
    • 工房で完成品を購入する: どうしてもスケジュールが合わなかったり、その場で持ち帰りたい場合は、体験は思い出として割り切り、プロの作品を工房で購入して帰ることもできる。

    私は国際発送を選んだ。数週間後に自宅に届くのが今から楽しみで、旅が終わってからも楽しみが続くのは嬉しい限りだ。

    午後1:00 村の散策とショッピングタイム

    陶芸体験を終えた後は自由時間。バッチャン村は村全体が陶器のマーケットのような雰囲気だ。路地を歩けば、両脇に所狭しと陶器店が並んでいる。日常使いできる食器から、精緻な装飾を施した壺、かわいらしい置物まで、その品揃えは多彩だ。

    価格も驚くほど手頃で、交渉次第ではさらにお得になることもある。店主とのやり取りも楽しみのひとつだ。私はお土産に、藍色の美しい絵付けが施された箸置きと、ベトナムコーヒー用の小さなカップをいくつか選んだ。

    この陶芸体験ツアーは、ハノイ市内からの送迎を含めて全体で約5~6時間。午前中に出発すれば、ハノイに戻った後で昼食や午後の観光も十分に楽しめる、まさに理想的な半日トリップとなった。

    旅の計画を立てよう!料金・予約・準備のすべて

    travel-planning-booking

    バッチャン村での陶芸体験に興味を持ったあなたへ。ここからは、実際に旅の計画を立てる際に役立つ具体的な情報を紹介します。これを読めば、準備はバッチリ整うはずです。

    気になる料金と予約方法

    バッチャン村の陶芸体験は、さまざまなスタイルで参加可能です。一番一般的なのは、ハノイ発の半日ツアーへの参加でしょう。

    料金の目安

    料金はツアー内容や運営会社によって異なりますが、おおよその目安は以下のとおりです。

    • 乗り合いツアー: 1名あたり 約3,000円~6,000円程度
    • プライベートツアー: 1名あたり 約6,000円~12,000円程度(参加人数により変動)

    子ども料金が設けられているツアーも多いため、家族旅行の際はチェックすると良いでしょう。

    料金に含まれるもの・含まれないもの

    予約前には、料金に何が含まれているかをしっかり確認しておくことが大切です。一般的にツアー料金には以下が含まれることが多いです。

    【料金に含まれるもの】

    • ハノイ市内指定エリアからの往復送迎
    • 英語または日本語のガイド
    • 陶芸体験費用(粘土代や指導料など)
    • ミネラルウォーター1本

    【料金に含まれないもの】

    • 昼食代
    • 作成した作品の焼成料および送料
    • おみやげなど個人的な費用
    • ガイドやドライバーへのチップ(ベトナムでは必須ではないが、サービスに満足した場合は渡すと喜ばれる)

    とくに「作品の焼成料と送料」は別途料金となることが多いので、予算を立てる際にご注意ください。

    予約方法の選択肢

    予約方法にはいくつかの選択肢があります。

    • オンライン旅行代理店(OTA): Klook、KKday、GetYourGuide、VELTRAなどのサイトでは多くのバッチャン村ツアーが取り扱われています。日本語での予約ができ、口コミも確認できるため、初心者にもっともおすすめです。事前にオンラインで決済できるため安心です。
    • 現地の旅行会社: ハノイ旧市街には多くの旅行代理店があり、直接訪れて内容や料金を比較しながら申し込めます。価格交渉が可能な場合もありますが、英語でのコミュニケーションが求められることが多いです。
    • ホテルやゲストハウスのツアーデスク: 多くの宿泊施設でツアーの手配が可能です。手軽ですが、選択肢が限られたり料金がやや高めだったりすることがあります。

    個人的には、事前に複数の選択肢を比較検討できるオンライン予約が、最も確実で効率的だと感じます。

    これで安心!持ち物と服装のポイント

    陶芸体験を快適に楽しむためにも、準備はしっかりしておきましょう。

    必要な持ち物

    • 予約確認書(バウチャー): 多くの場合スマートフォンの画面提示でOKですが、念のため印刷したものも持っておくと安心です。
    • パスポートのコピーまたは写真データ: とっさの身分証明として。原本はホテルのセーフティボックスに保管しましょう。
    • 現金(ベトナムドン): 作品の送料や土産代、チップなどカードが使えない場面に備えて、一定額持っておくのがおすすめです。

    持っていると便利なもの

    • ウェットティッシュやハンカチ: 土で汚れた手をふくのに便利です。工房には水道がありますが手元にあると安心。
    • 日焼け止め、帽子、サングラス: ベトナムの日差しが強いため、特に村の散策時は必須アイテムです。
    • 虫よけスプレー: 屋外や緑の多い場所なので持参すると安心です。
    • カメラやスマートフォン: 思い出を残すのに役立ちます。ただし作業中は土で汚れる可能性があるため扱いに注意。
    • 飲み物: ツアーで水が提供される場合もありますが、暑さ対策として多めに持っていくとよいでしょう。
    • 酔い止め薬: 車に酔いやすい方は念のため服用してください。

    ふさわしい服装のポイント

    陶芸体験において服装は非常に重要です。

    • 汚れてもよい服装: 粘土で服が汚れる可能性が高いので、高価な服やお気に入りは避け、洗濯しやすい素材のものを選びましょう。濃い色(黒や紺など)の服がおすすめです。
    • 動きやすい服装: ろくろを回す際は前かがみになったり、足を広げたりします。スカートよりパンツスタイルのほうが動きやすいです。
    • 歩きやすい靴: ヒールやサンダルは避け、スニーカーなどのフラットな靴で訪れるのがおすすめです。村の路地は未舗装の場所もあるため歩きやすさを重視しましょう。

    持ち込み禁止物や現地のマナー

    特に禁止されている持ち込み物はありませんが、工房は職人たちの仕事場です。大声で騒いだり、許可なく作品に触れたりしないよう注意し、敬意をもって行動しましょう。ベトナムの文化や習慣については、ベトナム観光総局の公式情報を事前にチェックしておくと、よりスムーズにコミュニケーションがとれます。

    旅のギモン、一挙解決!よくある質問

    初めての陶芸体験、そして初めて訪れるバッチャン村に対して、不安や疑問を感じる方も多いでしょう。ここでは、多くの方が抱きやすい質問に、私の体験を踏まえてお答えします。

    Q. 陶芸は全くの初心者ですが、問題ありませんか?

    A. 全く心配いりません。むしろ初心者のほうが楽しめます。 バッチャン村の体験工房は、観光客の特に初心者を対象にしています。職人さんたちが丁寧に手取り足取り教えてくれるので、初めてでも安心です。言葉が通じなくてもジェスチャーで十分伝わりますし、彼らは教えるプロフェッショナルです。完璧な作品を目指すより、土に触れて楽しむ過程を味わうことが大切です。どうぞ気軽に挑戦してみてください。

    Q. 作った作品は確実に日本に持ち帰れますか?

    A. はい、国際発送サービスを使えば持ち帰ることができます。 多くの工房で国際発送に対応していますが、送料はそれなりにかかります(数千円程度)。梱包は丁寧にしてもらえますが、輸送中の破損リスクがまったくないわけではありません。これを理解したうえで依頼しましょう。EMS(国際スピード郵便)の追跡番号を教えてくれる工房もあり、配送状況を確認可能です。私の体験では、ほとんどの場合割れずに無事届いています。

    Q. 子どもでも参加できますか?

    A. はい、多くの工房で子どもの参加を歓迎しています。 粘土遊びは子どもにとって素晴らしい体験です。ろくろを使うのが難しい小さなお子さんでも、手びねりや絵付けなら十分楽しめます。ツアーによっては年齢制限がある場合もあるため、予約時には必ず確認してください。家族みんなでの楽しい思い出になるでしょう。

    Q. ハノイから個人で行くことは可能ですか?

    A. 可能です。いくつかの選択肢があります。 ツアー参加が最も楽ですが、個人で訪れることも十分可能です。

    • タクシーや配車アプリ(Grabなど): 一番手軽で快適な方法です。ハノイ中心部から片道20万〜30万ドン(約1,200〜1,800円)が相場。帰りのタクシーが捕まりにくい場合もあるので、運転手に待機を依頼する「チャーター」がおすすめです。
    • 公共バス: 最も安価な方法で、ロンビエン・バスターミナルから47番バスを利用すればバッチャン村へ行けます。運賃は1万ドン以下と安いですが、所要時間が長く、ベトナム語のアナウンスのみのため、慣れた方向けです。

    個人で行く場合は、工房探しや交渉も自分で行う必要があります。言葉に不安のある方や効率よく過ごしたい方はやはりツアーの利用が安心です。

    Q. 焼き上がりに失敗することはありますか?

    A. 可能性はゼロではありません。 陶器は繊細な素材のため、乾燥や焼成の段階でひび割れや破損が起こることがあります。これはプロの作品でも時折あることです。万が一作品が割れてしまった場合の対応(返金や代替品の発送など)については、事前に工房に確認しておくと安心です。ただし、この不確実性も「土と炎による芸術」の魅力の一つと捉えることもできます。

    バッチャン村、もうひとつの楽しみ方

    batchan-village-fun

    陶芸体験は確かにメインのアクティビティだが、バッチャン村の魅力はそれだけにとどまらない。時間に余裕を持って、村の隅々までじっくり堪能してほしい。

    バッチャン陶器市場で掘り出し物探しを楽しむ

    村の中心には広大な陶器市場が広がっている。ぎっしりと並べられた食器や茶器、花瓶、装飾品の数々は圧巻の光景だ。伝統的なデザインからモダンでスタイリッシュなものまで、あらゆるスタイルのバッチャン焼きをここで購入できる。工房から直接販売されているため、価格も非常に手頃。自分用にはもちろん、大切な方へのお土産探しにもぴったりのスポットだ。市場の熱気を感じながら、まるで宝探しをするかのように歩き回るだけで気分が高まる。

    建築も必見!バッチャン陶磁器博物館

    近年、バッチャン村の新しいランドマークとして注目を集めているのが「バッチャン陶磁器博物館(Bat Trang Museum of Ceramic Art)」だ。ろくろを回す動きをモチーフにした、渦巻くような独特のデザインは建物自体が芸術作品とも言える。館内ではバッチャン焼きの歴史や製造過程を学べるほか、現代の陶芸家による斬新な作品も展示されている。屋上にあるカフェからの眺望も見事なので、ぜひ立ち寄ってみてほしい。

    地元グルメを味わってひと休み

    村の散策に疲れたら、地元の味でリフレッシュしよう。規模の大きなレストランは少ないが、屋台や小さな食堂では素朴ながらも美味しいベトナム料理に出会える。特に、サトウキビを絞った新鮮なジュース「ヌック・ミア(Nước Mía)」は、火照った体にしみわたる爽やかな美味しさだ。陶芸体験で空いたお腹に地元の味を楽しむひとときは、格別な時間になるだろう。

    手仕事の温もりが教えてくれる、旅の価値

    ハノイの喧騒から離れ、静かな村で土と向き合った半日。それは単に器を一つ作っただけの体験ではなかった。自分の指先から形が生まれる驚き、無心になる心地よさ、そして言葉を超えて伝わってくる職人たちの温もり。これらすべてが、僕の心に深く刻まれた。

    旅先で手にしたものは、いつか色あせたり壊れたりするかもしれない。しかし、自分の手で作り出した記憶と、その過程で得た喜びは決して消えることがない。数週間後に日本に届くであろう、少し不器用な僕の小鉢。それを使うたびに、バッチャン村の土の香りと職人たちの優しい笑顔が思い起こされるだろう。

    この記事を読んで、もしあなたの心が少しでも動いたなら、ぜひ次の旅の候補にベトナム・バッチャン村を加えてほしい。そこには日常を忘れさせてくれる、豊かで穏やかな時間が流れている。旅の安全情報については、在ベトナム日本国大使館のウェブサイトなどを参考に、万全の準備をして素晴らしい体験を味わってほしい。さあ、あなた自身の物語を、その手で紡ぎに出かけよう。

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    この記事を書いた人

    美味い酒と肴を求めて全国を飲み歩く旅ライターです。地元の人しか知らないようなB級グルメや、人情味あふれる酒場の物語を紡いでいます。旅先での一期一会を大切に、乾杯しましょう!

    目次