ドバイ経済観光庁は、UAE在住者が海外の友人や家族をドバイに招待すると、総額3,000ディルハム以上の豪華特典が得られる新
在住者を観光アンバサダーに起用する新戦略
2026年7月22日、ドバイ経済観光庁(DET)はインバウンド観光のさらなる促進を目的とした新キャンペーン「A Dubai Invite」を開始しました。本キャンペーンは、UAE在住者および市民が海外から友人や家族をドバイに招待することで、魅力的な特典が得られる画期的な取り組みです。
対象となるのは、今年(2026年)の7月20日から10月31日までの期間中に観光ビザ等でドバイに到着する海外からの訪問客です。18歳以上のUAE在住者が専用フォームから事前に訪問客の到着予定を登録し、実際の入国が自動システムで確認されると、在住者側に総額3,000ディルハム(約816米ドル)以上のリワードパッケージが提供されます。
提供される特典内容は幅広く、メリア・デザート・パームなどの提携ホテルでの最大45パーセントの宿泊割引、アトランティス・ドバイが展開する巨大ウォーターパークの無料チケット、高級レストランでのダイニング優待、さらにはハラ・タクシーなど配車サービスの20パーセント割引が含まれます。これらの特典の有効期限は2026年12月31日まで設定されており、在住者は1キャンペーンあたり最大3回までパッケージを受け取ることができます。
背景にある記録的な観光成長と「D33」アジェンダ
今回のキャンペーン展開の背景には、ドバイ政府が推進する野心的な国家戦略「ドバイ経済アジェンダ(D33)」があります。D33は2033年までにドバイの経済規模を2倍に拡大し、世界トップ3の観光・ビジネス都市としての地位を確立することを目標に掲げています。
ドバイの観光産業は目標達成に向けて記録的なペースで成長を続けています。昨年(2025年)には過去最高となる年間1,959万人の宿泊観光客を迎え入れ、前年比で5パーセントの増加を記録しました。また、今年に入ってからも1月単月で199万人の訪問者を記録するなど、世界的にもトップクラスの観光需要を維持しています。
「A Dubai Invite」は、世界中から集まる数百万人のドバイ在住者を実質的な「観光アンバサダー」として活用する効率的なマーケティング手法です。莫大な広告費を投じるだけでなく、在住者の強固な個人的ネットワークをインセンティブで刺激することで、より確度の高い新規旅行者やリピーターの獲得を狙っています。
予測される旅行業界への影響と今後の展望
この新キャンペーンは、旅行業界全体に波及効果をもたらすと予測されています。ホテルやオンライン旅行代理店(OTA)にとっては、通常のプロモーションではリーチしにくい「VFR(友人・親族訪問)」層の需要を喚起する大きなチャンスとなります。
特に、ドバイにおける夏の閑散期から秋口の旅行シーズンにかけて設定された104日間の到着対象期間は、航空会社や宿泊施設にとって戦略的な集客の底上げに直結します。滞在中のアクティビティや移動にかかるコストが特典によって相殺されるため、訪問客は浮いた予算をアップグレードした宿泊施設やショッピング、追加の体験ツアーに回す可能性が高く、市内全体での旅行消費額の向上が見込まれます。
また、行政主導で個人間の紹介プログラムに高額な予算を割り当てるこの手法は、世界の観光マーケティングにおいても先進的な事例です。観光客数が飽和状態に近づく中で、質の高い旅行体験を確実なネットワーク経由で提供するドバイの試みは、今後の国際的なインバウンド戦略の新たなベンチマークとなることが予想されます。

