「アドリア海の真珠」と謳われる美しい海岸線、オレンジ色の屋根が連なる中世の街並み、そしてエメラルドグリーンに輝く神秘的な湖。クロアチアは、一度訪れた者を虜にする、圧倒的な魅力に満ちた国です。まるで絵画の世界に迷い込んだかのようなドゥブロヴニクの旧市街を歩き、スプリットでは古代ローマ時代の宮殿が今も人々の生活に息づく様を感じ、プリトヴィツェ湖群国立公園では自然が織りなす絶景に心を奪われる。そんな夢のような旅を計画するとき、まず気になるのが「いったい、いくらかかるのだろう?」という費用の問題ではないでしょうか。
旅の予算は、計画の根幹をなす最も重要な要素です。予算が分かれば、滞在日数や訪れる都市、体験したいアクティビティが具体的に見えてきます。この記事では、あなたのクロアチア旅行という夢を現実にするため、航空券からホテル、食費、観光費用まで、あらゆる角度から費用を徹底的に分析し、解説していきます。格安で楽しむコツから、少しリッチな滞在の目安、さらには現地での具体的なお金の使い方や、万が一のトラブルに備える知識まで、旅のプロとして培ったノウハウを余すことなくお伝えします。
この記事を読み終える頃には、あなたは自分にぴったりのクロアチア旅行の予算感を掴み、自信を持って具体的な計画を立て始めることができるはずです。さあ、アドリア海の宝石箱を開ける、最初のステップを踏み出しましょう。
費用の目安を掴んだら、次はクロアチア旅行の基本情報や旅のベストシーズンを知って、あなたの理想の旅を具体化させていきましょう。
クロアチア旅行にかかる費用の総額は?日程別モデルプラン

クロアチア旅行の費用は、訪れる季節、滞在期間、そして旅のスタイルにより大きく異なります。ここでは、一般的な海外旅行を想定した「スタンダード」なスタイルに基づき、日数別のモデルプランとおおよその費用を紹介します。この目安を参考に、ご自身の予算や希望に応じて調整してみてください。
5泊7日のモデルプラン:人気都市を巡るコンパクトツアー
ドゥブロヴニクと首都ザグレブの2都市を訪れる、比較的短期間のプランです。限られた時間でクロアチアの代表的な観光地を楽しみたい方にぴったりです。
- 航空券: 15万円~25万円
- 宿泊費(5泊): 5万円~8万円(1泊あたり1万円~1.6万円)
- 現地での費用(食費、交通費、観光費など): 5万円~7万円
- 海外旅行保険やその他: 1万円
- 合計目安: 26万円~41万円
ドゥブロヴニクの城壁を歩き、ザグレブの魅力的な街並みを散策します。南北それぞれ異なる魅力を持つ都市を効率よく回ることで、クロアチアの多様性を満喫できるでしょう。移動には国内線を利用すると、時間を有効活用できます。
7泊9日のモデルプラン:アドリア海の絶景を満喫
ドゥブロヴニクやスプリットの人気都市に加え、日帰りでフヴァル島など近隣の島々を訪れる、余裕のあるプランです。アドリア海の美しい景色をじっくり楽しみたい方におすすめです。
- 航空券: 15万円~25万円
- 宿泊費(7泊): 7万円~11万円(1泊あたり1万円~1.6万円)
- 現地での費用(食費、交通費、観光費など): 7万円~10万円
- 海外旅行保険やその他: 1万円~1.5万円
- 合計目安: 30万円~47.5万円
スプリットではディオクレティアヌス宮殿の歴史に触れ、フヴァル島ではラベンダーの香りと紺碧の海に癒されます。都市間の移動は、海岸線の美しい景色を眺めながら進む長距離バスが人気です。
10泊12日のモデルプラン:クロアチアを隅々まで楽しむ周遊旅
ドゥブロヴニク、スプリット、ザグレブに加え、プリトヴィツェ湖群国立公園も訪れる充実の周遊プランです。クロアチアの自然や文化、歴史を余すところなく味わいたい方に最適です。
- 航空券: 15万円~25万円
- 宿泊費(10泊): 10万円~16万円(1泊あたり1万円~1.6万円)
- 現地での費用(食費、交通費、観光費など): 10万円~15万円
- 海外旅行保険やその他: 1.5万円~2万円
- 合計目安: 36.5万円~58万円
このプランなら、各都市でじっくり時間を過ごせるため、ガイドブックに載っていない路地裏の発見や地元の人々との交流も楽しめるでしょう。プリトヴィツェの壮大な自然は、旅の大きな見どころとなるはずです。
費用の内訳を徹底解説!【航空券編】
旅行費用の中で最も大きな割合を占めるのは、日本とクロアチア間の航空券代です。この費用をどのように管理するかが、全体の予算設定のカギとなります。
航空券の価格動向と安い時期・高い時期
クロアチア行きの航空券の価格は季節によって大きく変動します。残念ながら日本からの直行便はなく、ヨーロッパや中東の主要都市で最低1回の乗り継ぎが必要です。
- ハイシーズン(7月~8月): ヨーロッパの休暇シーズンと重なり、航空券は最高値になります。往復で25万円から40万円以上になることも珍しくありません。特にドゥブロヴニクやスプリットなどの沿岸部は世界中から観光客が集まり、ホテル料金も大幅に上昇します。
- ショルダーシーズン(4月~6月、9月~10月): 気候が穏やかで過ごしやすく、観光のベストシーズンと言えます。航空券の価格もハイシーズンより安定し、往復15万円から25万円程度が目安です。混雑も少なく、ゆったりと観光が楽しめます。
- オフシーズン(11月~3月): 航空券の価格は最も低く、往復12万円前後のチケットも見つけられます。一方で、沿岸部では営業休止のホテルやレストランが多く、天候も変わりやすいです。ザグレブのクリスマスマーケットは賑わいますが、アドリア海沿岸の観光を目的とするなら避けたほうが無難かもしれません。
航空会社別の特徴と選び方
乗り継ぎ地や航空会社によって、料金や所要時間、サービス内容は異なります。代表的な選択肢をいくつか挙げます。
- ターキッシュエアラインズ: イスタンブール経由。ザグレブやドゥブロヴニクなど複数のクロアチア都市へ就航しており、乗り継ぎの利便性が高いです。機内食の評判も良く、総合的に満足度の高い航空会社です。
- カタール航空: ドーハ経由でザグレブやドゥブロヴニクへ運航。サービスレベルが高く、快適なフライトが期待できます。ただし、中東経由はヨーロッパ経由に比べて飛行時間がやや長くなる傾向があります。
- エミレーツ航空: ドバイ経由。豪華な機内設備とサービスで知られていますが、その分料金は高めになることが多いです。
- ヨーロッパ系航空会社(ルフトハンザ航空、エールフランス航空、KLMなど): フランクフルト、パリ、アムステルダムなどのハブ空港を経由します。乗り継ぎの選択肢が多く、他のヨーロッパ都市も訪れたい場合に便利です。
【実践編】航空券をお得に購入する具体的な方法
ちょっとした工夫で航空券の価格は大きく変わります。賢く手に入れるためのポイントを覚えておきましょう。
- 比較サイトを活用する: まずは「スカイスキャナー」や「Googleフライト」などの比較サイトを利用し、希望する日程の相場を確認しましょう。出発地と目的地を入力するだけで、複数の航空会社や代理店の料金を一覧で比較できます。
- 価格アラートを設定する: 多くの比較サイトには、希望路線の価格変動をメールで知らせる「価格アラート」機能があります。これを利用すれば、料金が下がったタイミングを逃さずにチェックできます。
- 予約は出発の3ヶ月~半年前を目安に: 国際線の航空券は出発日が近づくほど価格が上がる傾向があります。特にハイシーズンを狙うなら、半年前からのチェックと早めの予約がおすすめです。出発直前にセールが出ることもありますが、計画的な旅行にはリスクが伴います。
- 出発と帰国は平日を選ぶ: 週末や連休は料金が高くなりやすいため、可能であれば火曜や水曜などの平日に設定するだけで、数万円の節約になる場合もあります。
- 燃油サーチャージの動きを注視する: 航空券には原油価格に連動する「燃油サーチャージ」が含まれており、数ヶ月ごとに変動します。予約のタイミングによっては料金に大きな差が出ることもあるため、航空会社の公式サイトで最新情報を確認しておくと良いでしょう。
費用の内訳を徹底解説!【ホテル・宿泊費編】

航空券に次いで大きな出費となるのが宿泊費です。クロアチアでは、高級ホテルから個人経営の宿まで、幅広い選択肢が揃っています。
クロアチアの宿泊施設の種類と価格帯
旅行のスタイルに合わせて、最適な宿泊施設を選んでみましょう。
- ホテル:
- 5つ星ホテル: ドゥブロヴニクの旧市街やアドリア海が一望できる絶好のロケーションが多く、1泊あたりの料金は4万円以上が目安です。豪華な設備や最高級のサービスを求める方におすすめです。
- 4つ星ホテル: 快適な設備と良好な立地を兼ね備え、1泊あたり2万円から4万円程度の価格帯。一般的な旅行で利用しやすい価格帯です。
- 3つ星ホテル: 清潔で基本的な設備が整い、1泊1万円から2万円程度。コストを抑えつつ、プライバシーを重視したい方に適しています。
- アパートメント(ソベ / Apartman): クロアチアで非常にポピュラーな宿泊形態です。「ソベ(Sobe)」は単なる部屋貸し、「アパルトマン(Apartman)」はキッチン付きのアパートメントを指します。地元の家の一部を借りるような感覚で、クロアチアの暮らしをリアルに感じられます。料金は立地や設備により異なりますが、1泊7,000円から1万5,000円程度とホテルよりも経済的。特にキッチン付きアパートメントは、自炊で食費を大幅に節約できる点が最大の魅力です。
- ホステル: ドミトリー(相部屋)利用なら1泊3,000円から5,000円程度で、最も手頃な宿泊スタイルです。世界中の旅人と交流したいバックパッカーや、宿泊費を極力抑えたい学生旅行に人気です。個室を備えるホステルもあります。
都市別の相場としては、国際的な観光地であるドゥブロヴニクが最も料金が高く、その次にスプリットやフヴァル島などの沿岸リゾート地が続きます。一方、首都ザグレブは比較的リーズナブルな価格帯となっています。
宿泊費を節約するためのポイント
上手に宿を選ぶことで、予算にゆとりが生まれます。
- アパートメントを積極的に利用する: 先述の通り、アパートメントはホテルよりも安価であり、自炊による食費節約という大きなメリットがあります。地元のスーパーで新鮮な食材を購入し、クロアチアの家庭料理を楽しむのも旅の醍醐味です。「Booking.com」や「Airbnb」などの予約サイトでは、多数のアパートメントをレビューや写真で確認しながら選べます。
- 旧市街や中心地から少し離れた場所を狙う: ドゥブロヴニクの城壁内やスプリットの宮殿付近などの一等地の宿泊施設は高額です。しかし、バスで10分、あるいは徒歩15~20分ほど離れたエリアなら、かなり価格が抑えられます。少し離れた場所に宿泊し、地元の人のようにバスを利用して観光するのもまた新鮮な体験となります。
- 予約サイトの割引やキャンペーンを活用する: Booking.comの「Genius割引」や各予約サイトの不定期セール、クーポンを見逃さないようにしましょう。早期予約で得られる「早割」も狙い目です。複数のサイトを比較検討することが、最良の条件を見つけるポイントです。
費用の内訳を徹底解説!【現地での費用編】
航空券やホテル代を確保したら、次に現地で使う費用について計画を立てましょう。主に食費、交通費、観光費がかかります。
食費はどれくらい?レストランからスーパーまで
クロアチアの食文化は、新鮮なシーフードや良質なオリーブオイル、豊かな肉料理など大変魅力的です。物価は西ヨーロッパの主要国に比べてやや安く、工夫すれば食費を抑えることも十分に可能です。
- レストラン(Konoba / Restoran):
- 高級レストラン: ディナーで一人あたり8,000円から1万5,000円程度。特別な日の食事におすすめです。
- 一般的なレストラン(コナバ): 「コナバ」は地元料理を提供する大衆食堂のような場所で、ランチは1,500円から2,500円、ディナーは3,000円から5,000円程度で郷土料理が楽しめます。
- ピッツェリアや軽食スタンド: ピザやサンドイッチ、またはブリェク(チーズや肉のパイ)などは手軽で安く、一食あたり500円から1,000円程度で済ませられます。
- カフェ・バー: コーヒーは一杯200円から350円ほど。クロアチアには根強いカフェ文化があり、地元の人々はテラス席でゆったりとおしゃべりを楽しみます。地元産のビールは一杯400円から600円程度で味わえます。
- スーパーマーケット: 「Konzum」や「Lidl」などのチェーン店が各地に展開しています。1.5Lの水が約100円、パン一斤が150円前後、地元産ワインは500円からと非常にリーズナブルです。アパートメント滞在なら朝食や簡単な夕食を自炊することで、食費を大幅に節約できます。
- 市場(Tržnica): ザグレブの「ドラツ市場」など各都市には賑やかな市場があり、新鮮な果物や野菜、チーズ、オリーブオイルなどをスーパーより安く手に入れられます。食べ歩きも市場ならではの楽しみです。
食費節約のポイント: 多くのレストランで平日昼に「ガブレッツ(Gablec)」や「マレンダ(Marenda)」と呼ばれるお得な日替わりランチセットがあり、メインにスープやサラダが付いて1,000円前後とコスパ抜群です。昼食をしっかり食べて夜は軽めにするのも賢い選択です。
交通費を賢く使う!都市間移動と市内交通
クロアチア国内の移動はバス網が発達しており、観光客にとって便利な交通手段です。
- 都市間移動:
- 長距離バス: 最も利用される安価な移動方法です。ドゥブロヴニクからスプリットまで約4時間で3,000円前後、スプリットからザグレブまでは5~6時間で約3,500円が目安。海岸線を走るルートは景色が素晴らしく、移動時間も楽しめます。
- 【実践編】バスチケットのオンライン予約: 「GetByBus」や「FlixBus」のサイトで事前に座席予約・購入が可能です。特に繁忙期は満席になることが多いため、早めの予約をおすすめします。サイトで出発地・目的地・日付を選択後、クレジットカードで決済すれば予約完了、Eチケットがメールで届きます。
- フェリー・高速船: スプリットからフヴァル島やヴィス島などの島々へ移動する際に役立ちます。国営の「ヤドロリニヤ(Jadrolinija)」が主な航路を運行し、公式サイトで事前購入すると安心です。
- 国内線フライト: Croatia Airlinesがザグレブ、スプリット、ドゥブロヴニクなどを結んでいます。バスより割高ですが、移動時間が大幅に短縮でき、滞在日数が限られている人には便利な選択肢です。
- 市内交通:
- トラム・バス: ザグレブではトラム(路面電車)、ドゥブロヴニクやスプリットではバスが市民の主な交通手段です。キオスク(Tisak)でチケット購入が一般的で、1回券は100円から200円程度。乗車後は刻印機での打刻を忘れずに。
- タクシー・配車アプリ: UberやBoltなどの配車アプリが主要都市で利用可能で、通常のタクシーよりも安価かつ料金が明瞭なので便利。特に空港から市内の移動や荷物が多い時に便利です。
観光・アクティビティ費用
クロアチアの魅力を満喫する際の観光関連の費用も予算に含めておきましょう。
- 主要観光地の入場料(目安):
- ドゥブロヴニク城壁: 約5,000円
- プリトヴィツェ湖群国立公園: 約2,000円から6,000円(季節によって異なる)
- スプリットのディオクレティアヌス宮殿(大聖堂や地下宮殿など): 施設ごとに入場料が必要で、セットでおよそ1,500円
- ザグレブ大聖堂: 無料(寄付制)
- 失恋博物館(ザグレブ): 約1,000円
- オプショナルツアー:
- 青の洞窟と5島巡りツアー(スプリット発): 1人あたり1万5,000円から2万円程度
- ゲーム・オブ・スローンズ ロケ地巡りツアー(ドゥブロヴニク): 1人あたり8,000円から1万2,000円程度
観光費用を抑えるワザ: ドゥブロヴニク観光の際は「ドゥブロヴニクカード」の購入を検討しましょう。城壁入場料に加え、複数の美術館や博物館への入場、市バス乗車券などがセットになっており、個別にチケットを購入するよりもお得です。1日券、3日券、7日券があり、公式サイトや観光案内所で購入可能です。
通貨と支払い方法 – ユーロ導入後のクロアチア事情

旅先での資金管理は非常に大切です。ここでは、クロアチアの最新の通貨事情と、スマートな支払いのコツについてご紹介します。
通貨はユーロ(EUR)へ移行済み – 両替はどこで行うのが良い?
クロアチアは2023年1月1日から、自国通貨のクーナ(HRK)からユーロ(EUR)へと完全に切り替わりました。これにより、多くのヨーロッパ諸国と同様にユーロが使えるようになり、旅行者にとって利便性が大幅に向上しています。
- 両替のタイミングと場所:
- 日本での両替: 日本の銀行や空港であらかじめ一定額のユーロを両替しておくのがおすすめです。到着直後に飲み物を買ったり公共交通を利用したりする際に、すぐに現金が使えるので安心できます。
- 現地での両替: 追加の現金が必要な場合は、最も良いレートを提供するのは銀行の窓口です。街中にある両替所(Mjenjačnica)も利用できますが、「No Commission(手数料無料)」とあっても為替レートが悪いケースもあるため、複数の場所で比較検討することが大切です。
- 避けたほうが良い場所: 空港やホテル内の両替カウンターは、通常レートが不利なので、使う場合は最低限の額にとどめましょう。
クレジットカードと現金の使い分け方
クロアチアではクレジットカードの普及率が高まっており、うまく使い分けることで快適かつ安全に過ごせます。
- カードが利用できる場所: ホテルや多くのレストラン、スーパーマーケット、主要な観光スポットのチケット売り場、長距離バスのオンライン予約などでVISAやMastercardが広く使えます。タッチ決済も普及しています。
- 現金が必要な場面:
- 市場での買い物
- 小規模なカフェやベーカリー、個人経営の土産物店
- 公衆トイレの利用料金
- アパートメントの宿泊費(事前に現金支払いの要否を確認)
- チップの支払い
旅のスタイルにもよりますが、1日あたり約50ユーロの現金を予備として携帯すると安心です。
- 海外キャッシングの活用: 現金が足りなくなった際は、日本のクレジットカードを使ってATMからユーロを引き出す「海外キャッシング」が便利です。両替所を探す手間が省けるうえ、為替レートも比較的有利なことが多いですが、カード会社の利息やATM利用手数料が発生することに注意しましょう。利用時は、セキュリティ面からも人通りの多い銀行設置のATMを選ぶことをおすすめします。
【実践編】クロアチア旅行の準備と知っておきたいこと
万全の準備が旅の成功を左右します。持ち物から現地のルール、トラブル時の対応まで、具体的な行動に役立つ情報をお伝えします。
持ち物リスト – これがあれば安心!
基本の持ち物に加え、クロアチア旅行でとくに便利なアイテムをまとめました。
- 必須アイテム:
- パスポート: クロアチア出国予定日から3ヶ月以上の有効期間が必要です。必ず事前に確認してください。
- 航空券(Eチケットの控え)
- ホテルの予約確認書
- クレジットカード(複数枚あると安心です)
- 現金(ユーロ)
- 海外旅行保険証: 病気やケガ、盗難に備えて必ず加入しましょう。保険会社の連絡先も控えておくことをおすすめします。
- 服装・日用品:
- 歩きやすい靴: クロアチアの旧市街は石畳で滑りやすい箇所もあるため、スニーカーやフラットシューズが必須です。
- 羽織るもの: 夏でも朝晩は冷えたり、店内の冷房が強かったりします。カーディガンやパーカー、ストールを一枚持っておくと重宝します。
- 日差し対策グッズ(夏季): サングラス、帽子、日焼け止めは欠かせません。日差しが非常に強いです。
- 水着: アドリア海で泳ぐ機会があるかもしれません。
- 変換プラグ: クロアチアのコンセントはCタイプまたはSEタイプで、日本のAタイプは使えません。必ず変換プラグを用意しましょう。
- モバイルバッテリー: スマホで地図を確認したり写真を撮ったりするため、電池の消耗が激しくなります。
- エコバッグ: 現地のスーパーではレジ袋が有料になることが多いです。
知っておきたいルールとマナー
快適に旅行を楽しむため、現地の文化やルールを尊重しましょう。
- 教会での服装: 多くの教会や修道院は神聖な場所とされ、肌の露出が多い服装(タンクトップやショートパンツなど)での入場を制限しています。見学する日は肩と膝を隠した服装や、羽織るストールを持参することをおすすめします。
- チップの習慣: クロアチアではチップは義務ではありませんが、良いサービスを受けた際には渡すのがマナーです。レストランでは会計の5~10%程度をテーブルに置くか、お釣りの小銭を受け取らずに渡します。ホテルの荷物運びには1~2ユーロが目安です。
- 写真撮影の注意: 軍事施設や政府関連建物、空港の保安エリアでの撮影は禁止されています。博物館や美術館内でも場所によって撮影可否が異なるため、案内表示を確認するかスタッフに尋ねましょう。
- ドローン規制: ドローンの飛行には事前許可が必要です。無許可での飛行は法律違反となり、罰金や機材没収の可能性があります。詳しくはクロアチア航空管制局(Croatia Control)の公式サイトを確認してください。
トラブル発生時の対応方法
万一の事態に備え、適切な対処方法を知っておくことが重要です。
- パスポートを紛失した場合:
- 最寄りの警察署へ行き、紛失または盗難の証明書を受け取ります。
- 顔写真など必要書類と証明書を持って、ザグレブの「在クロアチア日本国大使館」へ連絡し、指示に従いましょう。パスポートの再発行や「帰国のための渡航書」の手続きを行います。大使館の連絡先や所在地は事前に控えておくことを強く推奨します。
- スリや置き引きに遭った場合:
まず警察に届け出て盗難証明書を発行してもらいましょう。保険請求に必要です。クレジットカードを盗まれた場合は、速やかにカード会社に連絡してカードを停止してください。
- フライトの遅延・欠航時:
航空会社のカウンターで状況を確認し、代替便の手配を依頼します。遅延により食事や宿泊が必要になった場合、航空会社が補償を行うことがあります。ご加入の海外旅行保険に「航空機遅延費用補償」があれば、規定内で食事代や宿泊費がカバーされる場合もあります。領収書は必ず保管してください。
- 体調不良時:
無理せずホテルで休息をとりましょう。必要な薬は薬局(Ljekarna)で購入可能です。症状が重い場合や適切な薬がわからないときは、加入している海外旅行保険のサポートセンターに連絡してください。多くの場合24時間日本語対応で、提携病院の案内や通訳の手配もしてもらえます。
節約の達人になる!クロアチア旅行の費用を抑える裏ワザ

旅の満足度を損なわずに、賢く費用を抑えるためのおすすめの裏ワザをご紹介します。
オフシーズンやショルダーシーズンを狙う
繰り返しになりますが、これが最も効果的な節約方法です。7月や8月のハイシーズンを避け、6月や9月に旅行するだけで、航空券と宿泊費の合計で10万円以上の節約が可能になることもあります。気候も快適で観光客も少なめなため、むしろより快適な滞在が楽しめるかもしれません。
自炊で食費を賢くコントロール
すべての食事を外食にするのではなく、1日に1食だけでも自炊を取り入れることで食費を大幅に抑えることができます。市場で手に入れた新鮮なシーフードや野菜、おいしいパンとチーズ、そしてリーズナブルなのにクオリティの高いクロアチア産ワインがあれば、それだけで贅沢なディナーを楽しめます。アパートメントでの滞在は、旅の素敵な思い出にもなるでしょう。
お金をかけずに楽しめる観光スポットを活用する
クロアチアの大きな魅力は、美しい街並みと自然環境です。費用をかけずとも楽しめる場所が多数あります。
- 旧市街の散策: ドゥブロヴニクやスプリット、ザグレブの旧市街を目的もなくゆったり歩くだけで、まるで中世にタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。
- ビーチでのんびり: アドリア海沿岸には無数に美しいビーチが点在。海水浴や日光浴を楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごすのは贅沢そのものです。
- 夕日鑑賞: ザダルの「海のオルガン」から見える夕日や、ドゥブロヴニクのスルジ山からの夕景など、感動的なサンセットスポットがクロアチア各地にあります。これらはどれも最高の思い出になる、費用ゼロのアクティビティです。
お土産はスーパーや市場で賢く選ぶ
観光地の中心部にあるお土産屋さんは、どうしても価格が高めです。定番のオリーブオイルやトリュフ製品、ラベンダーグッズ、チョコレートなどは、地元のスーパーマーケットでも購入可能で、品揃え豊富かつ価格もかなり抑えられます。また、市場で販売されている手作りのアイテムは、温かみがあり素敵なお土産になるでしょう。
クロアチア旅行は決して安価とは言えませんが、出発前に少し工夫を凝らし、現地で賢くお金を使うことで、限られた予算内でも最高の体験を叶えることが十分に可能です。この記事が、あなたの素晴らしいクロアチア旅行計画の一助になれば幸いです。紺碧のアドリア海と歴史が息づく美しい街々が、あなたの訪れを待っています。

